アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

EARTH X #0

1999年 MAR

JIM KRUEGER and ALEX ROSS : story

JIM KRUEGER : script

JOHN PAUL LEON : pencils

 

 彼の父は、人間の心とは出入り口のようなものだと言った。開くには鍵が要る。そして、出入り口は決して変わらないと。父は天才だった。父親の名はアベル・スタックといった。彼の息子はいま父親が使っていた家の寝室で横になっている。息子の名はアーロン・スタック。父はアーロンに、人とはどのように生きるのか教えてくれた。父は息子に顔と、作法と、表情を与えてくれた。だが目だけは違う。起き上がりアイマスクを外したアーロンの目は、人間のものではなかった。アイマスクを外してアーロンは、眼前にモノリスがあるのを見た。

 何が起きているのか判らないアーロン。モノリスから呼びかけがあり、彼をX-51と呼ぶ。私の名前はアーロンだと、彼はナンバーで呼ばれるのを拒否する。だが人類の運命を知りたいかと問われ、彼はモノリスに触れる。

 すると突如、アーロンは光輝く地平に飛ばされ、人間そっくりの外装を消される。気付いた時、彼の姿は、メカニックの内装を透明な外装が覆うスケルトンボディに変わっていた。自分の変化に驚き、顔を返してくれと言うアーロン。

 歩いてみて彼は、眼前に地球を見る。そこは月面であった。月面の建物の中を進んだアーロンは、人間のものではない奇妙な建造物を発見する。彼の背後にはモノリスがあり、アーロンは吸い込まれるように中へと入った。

 アーロンは内部の奇妙な廊下を進んで、スクリーンに映った巨大な顔の人物と遭遇する。相手の名はウアトゥ。この世界を観察している異星人、ウォッチャーだ。ウォッチャーはX-51に、自分が彼をここに転移させたと言い、これまで観察してきた地球について教え始める。

 画面に恐竜の姿が見える。これは中生代の映像だ。ウォッチャーは、自分がセレスシャルズの地球への最初の来訪ファーストホストを目撃したと語る。恐竜はセレスシャルズに不適格と見なされ、絶滅させられたのだ。

 その結果、哺乳類の時代となり、猿人が出現した。人類の芽生えにはセレスシャルズの介入があったのだ。セレスシャルズは猿人を捕獲し、進化実験を施す。最初にできた種族デヴァイアンツは悪魔のような姿で攻撃的な性質を付加されており、間もなくセレスシャルズに反抗した。次に創られた種族エターナルズは神々しい姿をしており、人類を守護していく。エターナルズは高い山の上に都市を築き、そこへデヴァイアンツが襲来する。彼らの姿は後に人類に、神や悪魔の物語として伝えられる事になった。

 セレスシャルズとは別の宇宙種族も地球生命に介入した。スクラル人と対立する宇宙国家クリーは、自分たちの尖兵として利用するために、セレスシャルズが人類に植え込んだ変異種子を引き出し超人類インヒューマンズを造りだした。だがインヒューマンズもまた造り手に反抗し、クリーの手を逃れアッティラという都に隠れ住む。

 セレスシャルズは何度か地球を訪れその度に干渉した。二度目の来訪セカンドホストでは反逆するデヴァイアンツを抑えるため大陸を海に沈めた。これはアトランティスの伝説として伝えられる。多数の者が死ぬ光景を見せられたX-51は、セレスシャルズとは悪なのかと問うが、ウォッチャーは善悪とは人間が発明した概念に過ぎないと、客観的な視点を持つ事をX-51に指示する。

 さらにサードホストの際、人類は神話を発展させ、その後様々な時代を経て文明が発達していく。ついに地球最初の人造人間が製作され、それはヒューマントーチと呼ばれるヒーローとなった。第二次世界大戦が起こったが、それは人類の最も大きな前進を引き起こしたとウォッチャーは言う。人類に植えられたセレスシャルズの芽が芽生え、特殊な能力を持つ人間が現れ始めたのだ。キャプテン・アメリカサブマリナーはその能力を使いヒーローとして活動していく。アドルフ・ヒットラーは配下のレッドスカルと共に、優性人種のみを選別しようとした。さらに戦争終結のため作られた原子爆弾が新たな原子の時代を開き、人類や生物が変異していく。一時期は怪獣と化したものが多数現れたこともあった。

 原子の時代は、人類に秘められた変異種子を次々に芽生えさせた。ピーター・パーカー放射能を帯びたクモに噛まれスパイダーマンになったのも、リード・リチャーズたちが宇宙線を浴びファンタスティック・フォーになったのも、ガンマ線爆弾によりブルース・バナーハルクになったのも、放射性廃棄物を積んだトラックの事故でマット・マードックデアデビルになったのも、全てはその変異種子による変化だったのだ。

 ファンタスティック・フォーの一人ヒューマントーチによって行方不明だったサブマリナーが発見され、彼はキャプテン・アメリカ復活のきっかけとなり、数多くのヒーローたちが出現し、アベンジャーズが結成された。またヒーローは地球外からも現れた。クリー帝国を裏切ったキャプテン・マーヴルがその代表だ。ヒーローたちは、同じように人類の中から出現したヴィランたちと戦った。だが、星を滅ぼす宇宙魔神ギャラクタスの襲来は別だ。この時はウォッチャー自身がファンタスティック・フォーに手を貸し、ギャラクタスをも消滅させるアルティメット・ニュリフィアーについて伝えている。ウォッチャーは以前からギャラクタスを知っていたのだ。

 さらに、人類の中の変異種子はミュータントとして芽生え始める。チャールズ・エグゼビアプロフェッサーXとして彼らを集め、X-MENが結成された。インヒューマンズも再び外界で活動を始めた。また、人間により新たな人類の創造も行われた。彼はアダム・ウォーロックとなった。このように、フォースホストの頃には、セレスシャルズにより計画されたすべての進歩が行われていた。この時代はスーパーヒーローの時代であったのだ。

 話を終えて、ウアトゥはX-51に、自分の代わりにウォッチャーとなるように言う。何故だと問うX-51に、ウアトゥは自分が何者かの攻撃により盲目となった事を明かした。ウォッチャーは新たな目を必要としていたのだ。おまえにはその能力があるとウォッチャーは言い、X-51により新たに地球の観察が開始されていく。

 

 マーヴルユニバースを総括しながら未来の物語を展開するという壮大なマキシ・シリーズEARTH Xが開幕。この#0では、ウォッチャー、ウアトゥが自分の目としてマシンマンことX-51アーロン・スタックを入手・改造する展開が描かれている。

 アーロンを召喚するためモノリスが登場するのは、X-51が初めて登場したのが2001: SPACE ODYSSEYのコミックだった事を踏まえているため。アベル・スタックにより人間として育てられたアーロンが人間らしい判断にこだわるところが、このキャラクターを理解して主要人物に起用しているのを見て取れ、ファンとしては嬉しい。

 それに対して、世界の観察のみを行い非干渉を旨とする異星種族ウォッチャーは、非感情的で客観的な判断をすべきだと指摘し続けるのだが、ギャラクタス襲来の時をはじめとしてこれまでかなり人類に手を貸してきた彼を知るファンには、妙に冷酷に映る。

 物語は、ジャック・カービーが’76年に創作したTHE ETERNALSの中の、人類を創造したのは宇宙巨神セレスシャルズであるという設定を基盤に、これまでのマーヴルユニバースを包括して構築されているが、EARTH Xはあくまでマーヴルユニバースを再構成した別の物語であり、本来のユニバースから逸脱・設定改変された部分も多い。他のコミックでは通じない設定もあるので注意が必要である。

 X-51は新たなスケルトンボディに改造されてしまう。前年の’98年に新発売されたiMacがスケルトンボディであり、この時期の流行りのデザインだった。この姿でもこれまでと同じ機能があり、手や目を伸ばすおなじみのギミックが見られる。

 巻末にはマーヴルユニバースを創造したクリエイター、スタン・リー、ジャック・カービースティーブ・ディッコジョー・サイモン、カール・バーゴス、ビル・エベレットへの献辞が記されている。

AVENGERS Vol.3 #3

1998年 APR

by Kurt Busiek George Perez

 

 コーンウォールの森の中に、猛烈な攻撃音が響きわたっていた。雷が木を折り、矢が飛び、ビームが撃ち込まれる。クエーサーワスプのビームを避けきれなかった。そこで、キャプテン・アメリカのストップの声がかかった。モーガン・ル・フェイの城を脱出してきた彼らは、森の中で訓練を行っていたのだ。クエーサーに、悪くはなかったが単独行動ではなくチームワークで当たるべきだと説明するキャップ。自分のパワーには自信があるクエーサーだったが、キャプテン・アメリカはパワーが全てではないと諭し、クエーサーも要点は掴んだと答える。フォトンには能力に頼りすぎないように、ジャスティにはソーの雷をよく避けたと伝えるキャップ。ホークアイはキャップに、森の仲間を率いるロビンフッドのようだなと言う。ワスプから今後の計画を訊ねられ、キャプテン・アメリカモーガン・ル・フェイのミスを待っていると答える。モーガンがミスすると思っているんですかとジャスティスに聞かれ、彼女がミスをしないならばとっくに世界を治めているはずだとキャプテンは言う。

 そう、モーガンはミスをしていた。アスガルドから奪ったトワイライトソードと、それを使うために必要なスカーレットウィッチさえ手中に収めていれば無敵であったモーガンだが、地下牢からスカーレットウィッチの姿が消えていたのだ。牢番の顔を掴み、プリエステス・セレーネ(←ムーンドラゴン)のテレパシーで何があったか記憶を引き出させるモーガン。だが牢番は何も知らなかった。モーガンはあっさりと牢番を殺す。

 そこへモードレッドが、デヴァイアンツの都レムリアからの使者を連れてやって来た。形勢が危うくなったと見た彼は、他国と同盟して危機をしのごうと考えたのだ。だがモーガンは一瞬で使者を消滅させる。驚くモードレッドに、他国など我々が楽しむためだけに存在しているのだと怒りの声を上げたモーガンは、スカーレットウィッチを取り戻す事だけが必要だ、他は二の次だと叫ぶ。モーガンはこれがアベンジャーズの仕業だと考えているのだ。彼女はプリエステス・セレーネに命じ、広域テレパシーでアベンジャーズに伝言を発信する指令を下す。

 森の中にいるキャプテン・アメリカたちに、テレパシーでモーガン・ル・フェイの声が響いた。明日の夜明けまでにスカーレットウィッチを返さなければ貴様ら全てを殺すという脅しの文句に、キャップは敵がミスした事を知った。今夜攻撃をかけると言うキャプテン・アメリカ。敵から脱出したらしいスカーレットウィッチはどこにいるのかとホークアイは考える。

 スカーレットウィッチはティンタジェルから南にある岩場に居て焚き火にあたっていた。彼女を脱出させたワンダーマンが、追加の薪を運んでくる。ワンダーマンが復活したことを不思議に思うスカーレットウィッチ。体が強大なイオンエネルギーに変換された男ワンダーマンは、不死身に近い力を得ていたが、クリー帝国イオン・キャノンの爆発で体のイオンエネルギーが吹き飛ばされ死亡していた。そのワンダーマンが、必死で助けを求めるスカーレットウィッチの能力によって甦ったのだ。だが今はこの事態を打開しなければならない。モーガンの魔法に打ち勝つ方法を考えるスカーレットウィッチだが、彼女の前からワンダーマンが消えていた…。

 陽が沈む頃、モーガンの城にフードを来た一団が入城していた。旅の修行僧を名乗っていた彼らは、キャプテン・アメリカたちだった。

 だがそれはすでにバレており、記憶が戻っていない残りのアベンジャーズたちが突撃してきた! 潜入は失敗した、もはや対決あるのみ。ワスプはビームを撃ちソーはハンマーを振るい、ホークアイキャプテン・アメリカは互いに背中をあずけて戦う。クエーサージャスティスが、そしてフォトンとワスプが飛び交いエネルギー波で相手方を吹き飛ばす。ソーのハンマーとハーキュリースのメイスが激突する。ジャスティスやフォトンは相手の攻撃をうまく避けて飛びまわる。

 剣で戦うキャプテン・アメリカの前に、モーガン・ル・フェイが巨大な姿を現した。まだ彼女は優位な立場にいる。しかしモードレッドはアベンジャーズの攻撃に慌て、破滅だ、アベンジャーズを相手にするべきではなかったと言ったのにと口走り、怒ったモーガンは彼を吹き飛ばす。 トワイライトソードを手に勝ち誇るモーガンだが、その前にスカーレットウィッチが立ちはだかった!

 能力を振り絞り、モーガンに抵抗するスカーレットウィッチ。伝説の剣の力を振るうモーガンの方がまだ圧倒的でありパワーに押されるが、そこにワンダーマンが出現。イオンエネルギーで出来た体を巨大化させ、モーガンと同じサイズとなり大きな姿で拳を打ち込む!

 城内での戦いは激化していた。ジャスティスはサー・マクハイネリー(←マシンマン)やネイブ・オブ・ハーツ(←スターフォックス)をブラストで吹き飛ばすが、プリエステス・セレーネ(←ムーンドラゴン)のテレパシー攻撃を受け苦しむ。だがそこへ棒が飛んできて、セレーネを撃墜した。ワンダーマンの攻撃でモーガン・ル・フェイの力が弱まったことにより、デモリッションマンが記憶を取り戻し、味方についたのだ。だがまだまだモーガンは倒せない。トワイライトソードを握りワンダーマンを押し返すモーガン。もっとパワーが必要だと叫ぶワンダーマン。

 スカーレットウィッチはワンダーマンにパワーを送っていたが、クエーサーが、そしてキャプテン・アメリカが彼女の肩に手を置き、自分のパワーも使ってくれと言う。さらにキャップの肩にアイアンマンが手を置いた。アベンジャーズの記憶が戻ったのだ。一同は次々と手を差し伸べ、スカーレットウィッチは全員のパワーを集めワンダーマンに送った。力を得てモーガンを押し返すワンダーマン。アベンジャーズの力が結集されたのだ! それを知ったモーガンは目から魔力を放ち、アベンジャーズを攻撃する。魔力に打たれ手を放してしまう者がでて、再びパワーが弱まっていく。だが、夫であったビジョンが吹き飛ばされたのを見てスカーレットウィッチは死力を振り絞った。強烈なパワーが送り込まれ、ワンダーマンは叫ぶ。次の瞬間、全てが閃光に包まれ、気が付くと全員が元の姿に戻っていた。

 モーガンの野望は砕かれた。キャプテン・アメリカジャイアントマンアイアンマンにビジョンをみるよう言う。モーガンに下半身を吹き飛ばされビジョンは倒れていた。ビジョンを抱き起こすスカーレットウィッチ。シンセゾイドという人造人間であるビジョンはこれで死ぬことはないが、かなりのダメージを受けていた。エターナルズセルシはビジョンのシステム構造を停止凍結してダメージの進行を抑える。その時、上空に何かのエネルギーが飛んでいくのをビジョンとスカーレットウィッチは感じる。それは、ワンダーマンのイオンエネルギーだった。

 ソーはトワイライトソードを元の場所へ戻し、消えたアスガルド神族を探すため旅立つ。フォトンは各地に置かれているクインジェットの回収へ飛ぶ。ジャイアントマンによるとビジョンのダメージ進行は止まり、あとはアベンジャーズマンションに戻って修理が必要だと言う。事件は解決したが、ビーストは、総勢39人も集まっているアベンジャーズは次に何するんだいと問うのだった。

 

 今回は解決編。でかい風呂敷を畳むための理屈がモーガンのミスなのはやや情けないが、そもそもモーガンが完璧だとこの世界から脱出不能なので、このへんはストーリー上しかたないところか。最後のみんなのパワーを合わせるシーンも定番。

 強力なパワーを持つアベンジャーであったワンダーマンが、スカーレットウィッチの召喚で復活! ワンダーマンことサイモン・ウィリアムズは、スカーレットウィッチの夫であった人造人間ビジョンの人格プログラムのモデルになったという背景があり、スカーレットウィッチにとっては精神的に夫の一部という、複雑な関係である。一方、最後の決め手を、ビジョンがやられてスカーレットウィッチが能力を振り絞るという展開にしていて、ビジョンとの関係も立たせているのが上手いところ。

 マシンマンはと言うと、ずっと敵として動いているので、目立たないのは残念。

AVENGERS Vol.3 #2

1998年 MAR

by Kurt Busiek George Perez

 

 1998年のイングランドコーンウォールの海岸にあるティンタジェル岬に、ここを支配する女王モーガンI世が住む城があった。城下町では酔っぱらいが二人騒いでいたが、井戸のところにいた二人の女性に声をかけようとして、彼女たちが普通の領民ではないことに気付く。それは、ジェイド・ジャイアンテス(←シーハルク)とレディ・マーヴル(←バイナリー)だ。さらに空には、ドナール・ザ・マイティ(←ソー)を先頭に、天翔る騎士たちが飛んでいく。

 その様子を城内で見ているのは、モーガンI世ことモーガン・ル・フェイだ。敵対していたスーパーヒーローたちが自分の配下の騎士になっているこの世界を愉快そうに楽しんでいる。モードレッドは敵であったヒーローたちに危険を感じ殺そうと進言するが、モーガンには不安はないようだ。捕らえたスカーレットウィッチのヘックスパワーを利用し、世界を作り替えることができるアスガルド最強の武器トワイライトソードモーガンが抜いた結果、アベンジャーズのヒーローたちはこのような中世風の装いに変換されモーガン配下の騎士となっているのだった。

 モーガンの前に、ドナールが馳せ参じてきた。ドナールは何やら不安を感じますと女王に訴える。ソーであった意識がわずかに残っているのだ。モーガンは心配するなと笑う。果物のカゴを持った石像が喋るが、それはゴースト・オブ・ストーン(←ビジョン)だ。そこでドナールは急に思い出したように、アスガルドを探さなければと言い、飛び立っていった。記憶が戻ったのではと不安がるモードレッドに、奴が探すアスガルドはすでに無いのだと言い落ちつかせようとするモーガンだが、この世界も全てが彼女の思い通りという訳ではない。モーガンも不安を感じていた。

 城の地下牢には、一人の魔女が捕らえられていた。彼女はスカーレットウィッチことワンダ・マキシモ。拘束された彼女からいまだに力が引き出され、モーガンに利用されているのだ。

 城の外、城下町では、誇り高き騎士ヨーマン・アメリ(←キャプテン・アメリカ)が歩いていた。中世風の装備と剣を持つ姿に変えられた彼だが、唯一元の記憶を失ってはいなかった。彼は弓矢使いのロングボウ(←ホークアイ)に声をかけ、思い出すんだと説得する。相手の意志の強さに、ホークアイも記憶を取り戻し、自分の格好が変わっているのに驚く。二人は馬を駆り、アーサー王の時代に戻ったかのような町を抜け、城へたどり着く。

 指揮官の部屋に行ったキャプテン・アメリカたちは、寝室のトニー・スタークを起こし、記憶を戻させ協力者にしようと考える。すでにワスプフォトンが記憶を取り戻し、仲間になっていた。だがトニーの記憶は戻らず、魔法の兜をかぶって全身を鎧で覆った姿アイアンナイト(←アイアンマン)となり手からブラストを発射。

 下の階へ落下したキャプテン・アメリカらは、それぞれ姿と記憶を変えられたアベンジャーズに取り囲まれる。指揮官であるアイアンナイトも降下し追いつめられる中、キャプテン・アメリカは全員を前にアベンジャーズだった事を思い出せと演説。その言葉を聞いて、スターナイト(←クエーサー)が記憶を取り戻し、他にも次々と記憶が戻りキャプテン・アメリカ側につく者が現れる。だが一方で記憶が戻らない者もおり、ネイモア・ザ・シーロード(←サブマリナー)はパンチを打ち込み、キャップはシールドで防御する。記憶が戻った者と戻らない者の二派に分かれ対立するアベンジャーズ

 モードレッドはアベンジャーズの中で支配から脱した者がいる事をあわててモーガンに報告するが、モーガンはまだ自信ありげだ。だが地下のスカーレットウィッチは、助けを求めて必死に集中しようとしていた。

 城の外壁と共に、ヒーローたちが吹き飛んでいく。アベンジャーズ同士の戦いは激化していた。なんとか皆の記憶を取り戻そうと説得を続けるキャプテン・アメリカだが、攻撃を避けるので精一杯だ。そこで、モーガンの姿が空に浮かぶ。事態はまだ彼女の手中にあるのだ。勝ち誇るモーガンだが、そこへ落雷が起きる。記憶を取り戻したソーが帰還したのだ。だが今のモーガンの力はソーを上回っている。キャプテン・アメリカフォトンに指示し、フォトンは目くらましに閃光を発し、気が付けばキャップたちは撤退していた。

 閃光により敵の逃走が隠蔽されたと言うサー・マクハイネリー(←マシンマン)。皆の前に降り立ったモーガン女王へ、プリエステス・セレーネ(←ムーンドラゴン)は追撃の指示をと申し出るが、女王はその必要は無いと諭す。モードレッドも不安げにモーガンに声をかけるが、モーガンは私がこの世界をコントロールできるのを忘れたか、まだ我が手にトワイライトソードとスカーレットウィッチがあるのだと言う。

 だが地下牢では、スカーレットウィッチが助けを求め必死の呼びかけを続けていた。そして、彼女の召喚に応え姿を現したのは、すでに死んだヒーロー、ワンダーマンだった!

 

 前回アベンジャーズ総登場をやったと思ったら、第2号ではアベンジャーズ全員が中世風の姿で登場するという手間がかかる事をやっていて、圧倒される。各キャラクターのアレンジが楽しいし、記憶が戻るかどうかもうまく選択されている。高貴なヒーローほど記憶が戻りやすく、俗事や怒りに身を任せやすいキャラは戻らない傾向があるようだ。

 マシンマンは、鎧を着たからくり人形のような人物、サー・マクハイネリーSIR MacHINERYになっている(マシンMACHINEというスペルをうまく変えている)。手足が伸びるギミックは相変わらずだ。彼やビジョンのように機械の精神の者は記憶が戻っていない。

 舞台となっているティンタジェル城は、アーサー王の城として知られている。アーサーの仇敵であるモーガンは、変貌させた世界で自分の城にしている。

AVENGERS Vol.3 #1

1998年 FEB

Kurt Busiek & George Perez

 

 マンハッタンのカフェにて、クイックシルバーとその姉スカーレットウィッチ、妻クリスタルと娘ルナの4人が久しぶりの団欒を楽しんでいた。スカーレットウィッチとクリスタルはさきのオンスロート事件でオンスロートのエネルギー体に特攻し消失、だが異空間で生存しており「ヒーローズリボーン・リターン」にて帰還に成功したばかりだった。不在の間を埋めるように会話を楽しむ4人だが、ルナが突然悲鳴を上げる。窓ガラスを割って、鎧を着て武器を持った怪物たちが襲ってきたのだ!

 一方、ニューメキシコアルバカーキ付近にいたボニータ・フアレスは、突然地面を割って出現した怪物に掴まれる。ファイアーバードというヒーローとして活躍してきたボニータは、火炎を発する能力を発動させた!

 また、アフリカのワカンダ国にはドラゴンが飛来し、国王ティチャラことブラックパンサーが立ち向かう。

 さらにニューヨークのイーストリバーではホークアイが、セントラルパークではソーズマンマグダレンが、シンシナティ郊外ではハーキュリースが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の南カリフォルニアキャンパスではリビング・ライトニングが、ラスベガスではムーンドラゴンが、デンバーではスパイダーウーマンが、ヘブリディーズ島ではサブマリナーが、サンフランシスコではシーハルクが、クイーンズではダークホークが、ブロンクスではファイアスタージャスティ(元マーヴルボーイ)が、様々な怪物に襲われていた。それぞれの能力を駆使し怪物たちと激闘するヒーローたち。彼らは皆、世界最大のスーパーヒーローチーム、アベンジャーズのメンバーだ。だが戦いが最高潮に達したその時、突然怪物たちは消失してしまう。驚くヒーローたちだが、これは事件の始まりに過ぎなかった…。

 嵐の日。アベンジャーズの本部アベンジャーズマンションの前で、TVリポーターのミーガン・マクラーレンが報道していた。ここはオンスロート事件でアベンジャーズの主要メンバーが消失したあと使われていなかったが、怪物による世界規模のアベンジャーズメンバー襲撃事件を受け、初期メンバーのアイアンマンジャイアントマンワスプキャプテン・アメリカが集まっていた(ハルクも創設メンバーだったがすぐチームを抜けている)。だが、もう一人の創設メンバーであるソーは、まだこの世界への帰還が確認されていなかった。

 執事のジャービスはお湯を沸かして茶器を整え運んでいく。暖炉がある広間にアベンジャーズの4人が集まっていた。アイアンマンは、こちらの世界に戻った自分が前と同一人物だと証明するため法廷にいたと言う。ジャービスはお茶を入れ、ワスプに、そしてキャプテン・アメリカに渡す。ジャイアントマンには、特大サイズのティーカップだ。アイアンマンは、ストローで飲むには熱すぎるからとお茶を断る。

 ジャービスは退出し、一同はアベンジャーズメンバー襲撃事件について話し合う。襲撃には様々な怪物が現れていたが、みな同じように突然消え去ったと報告するジャイアントマン。この攻撃はすべて関連があると言うキャプテン・アメリカ。アイアンマンは、襲撃してきたのはすべてアスガルドの怪物だったと指摘。まるで裏にロキがいるかのようだが、とキャップが言いかけた時、強烈な風の音で話が遮られる。いや、ただの風ではない、窓を割って広間に飛び込んできたのは、雷神ソーだ!

 血相を変えて危機を知らせるソーに一同は驚く。倒れるソーを受けとめるキャプテン・アメリカとアイアンマン。あまりにやつれているソーを見てワスプはジャービスに連絡。やっと立ち上がったソーは、今回の危機に対決するための仲間が必要だと言い、キャプテン・アメリカは即座に助力を申し出る。汝の勇気を忘れていたなと言うソー。アイアンマンは、我々はアベンジャーズだろう?と右手を差し出し、そこにキャプテン・アメリカジャイアントマン、ソー、ワスプが手を重ねていく。ジャービスは大きいジョッキと骨付き肉を運んで入室すると、5人によりアベンジャーズが再始動した瞬間を目撃するのだった。

 ロープのついた矢が門に刺さり、隣のビルの屋上から弓をロープにかけてホークアイが滑り降りていく。眼下の道路にタクシーが停車し、スカーレットウィッチが降りてきた。彼女より一足先に門のスリットにIDカードを差し込もうとするホークアイだが、一瞬早くクイックシルバーが超スピードでカードを挿入した。門を通った3人を、ジャービスが中へ迎え入れる。

 中の広間には、これまでアベンジャーズの一員として戦った経験のある大勢のヒーローたちが集まっていた。その中にはマシンマンの姿もある。ファルコンブラックウィドウに今回の攻撃は何だと思うと問い、ブラックウィドウはその推測は他の人に任せるわと答える。ハーキュリースはスカーレットウィッチの到着を喜んでエール酒を勧め、スカーレットウィッチは任務のため断る。ブラックパンサー、サブマリナー、ムーンドラゴンの3人は、汚く臭い男が座っているのを見て、あれもアベンジャーなのかと不審に思うが、ジャービスがあれはデモリッションマンですよと言う。ジャスティスは蒼々たるメンバーに気後れするが、きみも攻撃を受けたんだろうとレイジに言われる。アベンジャーズとして戦った経験はほとんどないんだけどとダークホークはファイアスターに相談する。ビーストキャロル・ダンバースミズ・マーヴルと言いかけて今はバイナリーだっけと訂正、バイナリーは、どっちでも変わらないわ、キャプテン・アメリカたちに召集されたのに、私たちは何で時間を無駄にしてるの?と答える。

 司令室では、キャプテン・アメリカたち5人が、アベンジャーズ全メンバーの召集を続けていた。死亡していたり別の時間にいるなどで召集できないメンバーがスクリーンでチェックされていく。キャプテン・アメリカは、ごく短期間アベンジャーズだった事のあるファンタスティック・フォーミスター・ファンタスティックインビジブル・ウーマンザ・シングにも連絡するが、自分たちのチームの務めがあるのでと断られる。また、ハルクからの通信が割り込んできて、トロールに攻撃されたぞ、お前らのパジャマ・パーティーになど出ない!と怒って切られてしまった。連絡を終え、5人は動き出す。

 講堂の壇上で、キャプテン・アメリカは議長として、集めたメンバーに呼びかけていた。世界の危機に、アベンジャーズとして活動した経験を持つ者たちが可能な限り集結している。講堂の席にずらりとヒーローたちが並ぶが、中央に座ったデモリッションマンの周囲は悪臭のため誰も座らず、席が空いている。キャップは、この事件について最も詳しいのはソーだが…と話を続けようとするが、スパイダーマンが手を上げて、他に用事があるからと言う。すぐ横に座っていたソーズマンは、貴様なんぞアベンジャーズには必要ないと怒るが、キャプテン・アメリカは退出を許可。スパイダーマンとの戦いで正義の道へ入りアベンジャーズに参加した経緯を持つサンドマンはソーズマンに凄むが、キャップは制止し、ソーが話を始めた。

 ヒーローズリボーン・ユニバースから帰還する際、ドクター・ドゥームはこの異次元世界を作りだしたほどの超能力を持つフランクリン・リチャーズを狙うが、ソーはドゥームと格闘! フランクリンを彼の父リード・リチャーズに渡したが、ソーとドゥームは組み合いながら次元の狭間へ消える。

 気が付くとソーは故郷アスガルドに倒れていたが、驚いたことにアスガルドは崩壊し建物は瓦礫と化しており、誰もそこには居なかった。アスガルドと地球をつなぐ虹の橋も割れている。ソーは空を飛び誰かいないか捜索するが、父神オーディンや仲間の神々はおろか、巨人や魔物、ノームすら影も形もなかった。ソーは探索を続け、原因と思われるものを発見した。アスガルドで最も強力で危険な武器、巨剣トワイライトソードが無くなっていたのだ。ソーはさらに、虹の橋の破片を発見する。破片に触れると、ソーはミッドガルド、つまり地球の、シカゴに転移された。虹の橋が分断された時、アスガルドとつながる8つの世界への扉も引き裂かれていたのだ。

 そこでブラックナイトが、トワイライトソードについて訊ねる。ソーの説明によると、トワイライトソードは炎の悪魔スルトの燃えさかる世界で鍛えられた剣であり、世界の終わりにおいて全てを破壊すると言われているという。その剣は天地を破壊することも、逆に作り出すことも可能だという。ソーはトワイライトソードを見つける手がかりとして、5つのノルンの宝石がミッドガルドのどこかにあり、それを探すため皆を召集した事を明かした。アベンジャーズは5つのチームに分けられ、5台のクインジェットが探索に発進していく。

 召集に参加しなかったムーンナイトは飛んでいくクインジェットを見上げたあと街へと戻っていく。アベンジャーズマンションではフローティングチェアに乗ったリックと天満に餌をやるジャービスがスクリーンでクインジェットの出発を見送っていた。そして、飛んでいくクインジェットを監視するもう一つの瞳があった…。

 キャプテン・アメリカのチームは、ノルンの宝石の1つがあるイングランドのティンタジェル岬を目指していた。だが突然クインジェットが激しく揺れる。大竜巻が起こり、巻き込まれたのだ。ハーキュリースは自分にぶつかってきたデモリッションマンの悪臭に不平を言う。キャプテン・アメリカの指示で、クエーサーとクリスタルの二人はクインジェットの外へ出た。クエーサーはクァンタム・バンドからの光で揺れるクインジェットを安定させようとし、クリスタルはエレメンタルパワーで風を収めようとする。クインジェットの中のスカーレットウィッチは偶然を操るヘックスパワーを使う。強力な嵐に立ち向かうヒーローたち。

 一同の活躍で機は安定したが、彼らの眼前の大地になんと、探し求めていた巨剣トワイライトソードが突き立っていたのだ。着陸し剣を目指すアベンジャーズ

 そこで待っていたのは、伝説のアーサー王の息子、悪しきモードレッドであった。この悪役の合図で、土の触手が伸び、スカーレットウィッチが地中に引きずり込まれてしまった。さらに、岩石でできた怪物たちが地中から現れアベンジャーズを取り囲む。キャプテン・アメリカはシールドを投げつけ、デモリッションマンが素早い身のこなしで戦い、クエーサーがクァンタム・バンドからビームを放ち、クリスタルは竜巻を起こし、ハーキュリースは剛力で怪物を打ち砕く。クイックシルバーは超スピードでモードレッドの背後に回りぶん殴った! 怒りのクイックシルバーは竜巻のような攻撃でモードレッドの鎧をバラバラにし、相手を押さえつける。

 だが真の敵は別にいた。アベンジャーズの前に、この事件の黒幕、魔女モーガン・ル・フェイがその姿を現した。全ては彼女の計画だったのだ。

 分断されたアベンジャーズの他のチームは、世界各地でモーガンの放った怪物に足止めされていた。ブラックウィドウ率いるチームは南太平洋でミッドガルド・サーペントと交戦。北極ではワスプが率いるチームがフロスト・ジャイアンの群れと戦っている。赤道直下のアフリカではアイアンマンのチームがフォモール族の怪人たちと戦闘。そして最後のソーのチームは中央アメリカでガイコツ剣士たちと渡り合っていた。

 そして、モーガン・ル・フェイは切り札となるスカーレットウィッチを手中に収めていた。現実を歪めるスカーレットウィッチのパワーを、生贄の台に拘束して引き出し、モーガンケルト魔術がアスガルド魔術へ変換され、魔女モーガンはトワイライトソードに手をかける。姉の危機にクイックシルバーが跳び出し、他のアベンジャーズも動くが、時すでに遅くモーガンはトワイライトソードを抜いてしまった。周囲に満ちる閃光。世界を滅ぼすことも作ることも出来るというこの剣を使い、モーガンは何をするのか!?

 

 長い歴史を誇るAVENGERS誌は、オンスロート編でいったん終了し、ヒーローズリボーン編でVol.2が再スタートした。そしてヒーローズリボーン・ユニバースからヒーローたちが帰還するヒーローズリボーン・リターン編を経て、ここにVol.3がスタートした訳だが、何とアベンジャーズメンバーを全員集結させるという大ネタを振っていてとても豪華である。歴代のアベンジャーの中には、すでに死亡していたり、未来世界にいたり、宇宙にいたりして合流できないヒーローもいるが、彼らもモニター上で登場させ、ファンタスティック・フォーのうち3人やハルクなど一時期のみ参加したがアベンジャーズという印象の薄いヒーローは通信の上で断らせたり、スパイダーマンの途中退席やムーンナイトのように合流せずという扱いにしてまで、とにかく全員登場させているのがもの凄い。これまでのユニバースの歴史をストーリーに盛り込むカート・ビュシークの手腕と、多数のキャラクターを一つの画面にパースの矛盾なく巧みに配置するジョージ・ペレスの力量が冴えまくっている。

 帰還し再集結したアイアンマンが「同一人物だと証明してきた」と言っているのは、オンスロート事件の直前にトニー・スタークが死亡し、過去から来たヤング トニー・スタークがアイアンマンになっていたため。

 アベンジャーズとして活躍した事が本当に少ないマシンマンさえも集められているのはファンとして嬉しいところ。ただ、主要メンバーではないので、画面端にいて台詞もない扱いではあるが。5つのチームのうち、マシンマンは縁のあるアイアンマンのチームに入り、フォモール族に伸びるキックをくらわせている。

 アスガルドの怪物を出しソーに事件のあらましを語らせ、これはアベンジャーズ結成時からの宿敵ロキの仕業かと思わせておいて、モーガン・ル・フェイを持ってくるのも意外で良い。

 アベンジャーズは世界最大のヒーローチームのため、多くのキャラクターが描かれたたいへんな労作となっている。ペレスのペンシル画とビュシークの指示文章を掲載したAVENGERS ROUGH CUTという本も刊行された。

 だが次号、もっととんでもない展開が待っているのだった。

MACHINE MAN / BASTION '98

1998年

MIKE HIGGINS & KARL BOLLERS : WRITERS

MARTIN EGELAND : PENCILER

 

 ニムロッドに似た形態となったバスチオンを倒すため、ケーブルはレーザーライフルを撃ち込むが、バスチオンは右手でエナジーシールドを張り防いでしまった。さらに左手からビームが発射され、ケーブルは吹き飛ばされる。バスチオンがむこうを向いた隙に立ち上がったケーブルは再び相手を狙うが、切れたコードが足に巻き付いてきて、足から釣り上げられてしまった。バスチオンはこの部屋の全ての機械にアクセスする事ができるのだ。レーザー砲が宙吊りのケーブルに狙いを付けるが、ケーブルは足に巻き付いているコードをライフルで切断し、なんとかレーザーを回避、だが地面に叩きつけられてしまう。

 ケーブルが戦闘している間、バスチオンの攻撃で胸に穴が開き停止したマシンマンの体内に、バスチオンの体を構成するナノマシンが侵入し、修復が進行していた。まだケーブルが生きのびているのを見て、バスチオンは、右腕をコードの固まりに変えて施設の機械に接続させる。

 S.H.I.E.L.D.のヘリキャリアーの中では、G. W. ブリッジ大佐が、8時間が経過するにもかかわらずケーブルから連絡がないことに焦りを感じていた。ケーブルを使ったことは自分のミスではなかったか? そんな疑念が浮かぶ中、上層部から、何故連絡が無いのか、何か遅れがあったのかと通信が入る。バスチオンに作戦を任せた事が、一転して国家機密への脅威となってしまっている事に、上層部も焦っているようだ。ブリッジ大佐は、今はなき上官ニック・フューリー肖像画をじっと見つめる…。

 そこへ、S.H.I.E.L.D.エージェントの異変を察し、クラッグ将軍が現れた。ブリッジは作戦に投入した将軍の娘の状況ついて説明しようとしたが、将軍は、これは個人的問題ではない、はるかに重大な事が起きていると言う。

 バスチオンが動きを止めている事をケーブルは疑問に思う。バスチオンの手から伸びたコードは、機械に侵入していった。その間にも、ケーブルへ施設内のレーザー砲から攻撃が続く。バスチオンはこの施設のシステムに、未来のセンチネルであるニムロッドのデータをインプットしていく。

 未来世界でニムロッドは、最新技術で改良されたその力でミュータント抹殺の活動を続けていたが、ミュータントたちもしぶとく抵抗していた。ニムロッドたちは過去の時代に自分たちの一体を送り込む計画に出る…。

 バスチオンは、ミュータントハンター・ロボット、センチネルの歴史を振り返り語る。ボリバー・トラスク博士に作られた初代のセンチネルを束ねていた巨大センチネル、マスター・モールドは、初代X-MENと戦い、作り手に反逆したが阻止された事。その後X-MENは多くのメンバーが加わったが、センチネルは彼らとの戦いを続けていった事。だが過去世界へ来たニムロッドはアイスマンエンジェルの活躍により敗北した。マスター・モールドが復活した事もあったが、ハルクにより破壊された…。

 バスチオンの話の間も、ケーブルは戦い続け、テレキネシスで施設の配線を操ってレーザー砲の可動部に巻き付かせ固定し、危機を脱する。だが施設のシステムはすでにバスチオンに掌握されており、ケーブルに呼びかけてくる。通路を走るケーブルの脳裏に、マスター・モールドがサイクロプスと戦っている像が流れ込んできた。この記憶のバックラッシュは、先ほどマシンマンの記憶が見えた時と同じ感覚だった。

 だが気にしている余裕はない。ケーブルは小型パソコンを取り出し、スタンドとアンテナを伸ばし、S.H.I.E.L.D.へ通信する。ブリッジ大佐につながった。バスチオンのため長く通信できないと断ったあと、複合センサーで観測したが人間の脳波は検出できなかった、ヘリはあったのでS.H.I.E.L.D.のエージェントはここへ到達したようだが…と、ケーブルがそこまで言った時、背後にマシンマンの姿が見え、映像が途切れてしまう。驚いてケーブルに呼びかけるブリッジ大佐だが、画面は砂嵐を映すだけだった。

 ブリッジ大佐は、マシンマンについてはアベンジャーズに参加していたという事ぐらいしか知らないがと考えつつ、送り込んだ5人のエージェントの安否は将軍の子も含めて絶望的だという状況を知らせるため、クラッグ将軍に電話し呼び出す。

 その頃ケーブルは、マシンマンの伸びた手に首を掴まれ吊り上げられていた。周囲のモニターからバスチオンの声が響く。ニムロッドがニコラス・ハンターという名の建築作業員に擬装していたように、マシンマンも人間の姿で活動してきた。だが今やマシンマンはバスチオンにより、ミュータントを狩るように修復・改造されていた。ケーブルはテレキネシスでスクリーンを一台飛ばしマシンマンにぶつけようとするが、あっさりフォースフィールドで防がれてしまう。バスチオンの声は続く。過去へ現れニコラス・ハンターとなったセンチネルの最終型ニムロッドは、残されていた最初のセンチネル、マスター・モールドの残骸に触れ、融合した! さらに、X-MENとの戦いの中で次元の門シージ・ペラリスをくぐり抜けたことで、それまでになかった姿、普通の人間にしか見えない姿に変貌する! これがバスチオン誕生の秘密だったのだ…。

 ケーブルは背負っていたレーザーライフルを落とし、テレキネシスでトリガーを引きマシンマンの頭部を銃撃することに成功。たまらずケーブルを吊り上げていた手を放すマシンマン。だが致命傷とはならず、短時間に自己修復してしまう。ケーブルはマシンマンにタックルする。

 …林の中に全裸で倒れていた謎の男を、ローズ・ギルバーティという女性が助け、生活の場を与えてくれた。一時はセンチネルにあるはずのない愛さえ感じられるかと思われた。だが「ミュータントの脅威」という報道を目にした時、男は本来の目的へ復帰する。謎の男はローズのもとを去った。この時、グレイドン・クリード大統領候補が、副大統領候補マイルズ・ブリックマン上院議員と共に、選挙活動中であった。ミュータントの脅威を感じていない一般人たちを守る羊飼いとなるべく、男は彼の持つ過去と未来の知識をグレイドン・クリードに提供し、大統領候補に接近する。それにより、新たなマスター・モールドの製作が開始された。そして謎の男は、人類の敵に対抗する要塞という意味の「バスチオン」という名を名乗るのだった…。

 マシンマンの右フックをかわしたケーブルは、膝蹴りを叩き込みぶっ飛ばす。ケーブルはマシンマンの発する音声が、本来のマシンマンのものではなく、センチネル化した今のバスチオンに似ていることに気付いていた。バスチオンの支配からマシンマンを解放する方法を考えるケーブルの脳裏に、ニムロッドがコロッサスと戦った時の映像がよぎる。

 事態を把握できず焦るブリッジ大佐に、軍上層部から通信が入り、バスチオンを始末するため空爆命令が下された。あそこにはまだケーブルやマシンマンがいるのだ。反論しようとするブリッジだが、上層部の決定は覆らない。

 …バスチオンは障害者施設を訪ね、治療に擬装して人間をプライム・センチネルに改造していった。そして彼はオペレーション:ゼロ・トレランスを開始したが、失敗に終わり、捕らえられる。最初のマスター・モールドをボリバー・トラスクが破壊したように、自分が守ろうとした人間たちは自分を捕らえ、屈辱的な拷問を科した。だが彼はそこから脱出する…。

 バスチオンに操られたマシンマンは再びケーブルを攻撃する。施設のスクリーンが動きケーブル目がけてぶっ飛んでいく。サイ・シールドで防御し、接近したケーブルは、マシンマンと格闘する。

 S.H.I.E.L.D.のヘリキャリアの執務室ではクラッグ将軍が、ブリッジ大佐の無策ぶりについて、肖像画のニック・フューリーを引き合いに出して叱責していた。お前が任務を遂行しないならば私が…と言う将軍に、ブリッジ大佐は決意を固め、部屋から出ていってください将軍と答えるのだった。

 バスチオンは、X-51こそケーブルの死刑執行人として最適だと言い、その言葉通りマシンマンはケーブルと戦う。ケーブルの左目が放つサイ・パワーとマシンマンの手から発射された電磁波が空中でぶつかる。バスチオンはこの施設に潜入したS.H.I.E.L.D.の工作員もカプセルに入れプライム・センチネルに改造していた。ケーブルを始末した後、再びプライム・センチネル軍団を繰り出しX-51に指揮させミュータントを絶滅させるつもりなのだ。機械であるマシンマンには、人の心を読むテレパスであるケーブルの能力は通用しないと言うバスチオン。ケーブルはもう一つの能力テレキネシスで施設の機材を崩しマシンマンにぶつけようとするが、マシンマンは足を伸ばして避けてしまった。バスチオンは、これまでX-51はマシンマンと呼ばれていたが、この任務にはマン=人間らしさは必要ない、彼は今やセンチネル・スプリームだと宣言する。腕を伸ばしてケーブルに巻きつけ絞め殺そうとするX-51。だがケーブルはテレパシー能力を使い、マシンマンの本来の記憶を再生させていく。軍のロボットとして製作されたが、アベル・スタックによって彼の息子として育てられ、父と同じ姓の「アーロン・スタック」の名をもらった事、父が彼を逃がすため自ら犠牲となった事を。バスチオンは同じように大切な人ローズを失ったが、彼はそこで希望と夢を全て捨ててしまった、だがマシンマンは父の思いを胸に、偉大なヒーローの一人となったという事を。ケーブルの必死の声が通じ、マシンマンはやっと自分の意識を取り戻した! ケーブルから腕を放し、両手から火炎を発射してバスチオンが支配している周囲の施設を攻撃する。

 その時、軍の命令で施設に2機の戦闘攻撃機が向かっていた。「サンドマン1」「サンドマン2」というコードネームを振られた2機は、施設を確認した。到達まであと2分だ。

 マシンマンは指を施設のシステムにリンクさせ、バスチオンからシステムを奪う。彼らを止めるため、天井を破りバスチオンが出現。マシンマンがハッキングした施設のレーザー砲がバスチオンを撃ち、バスチオンはエナジーシールドを張って防ぐ。マシンマンはその間にシステムに自爆指令を指示した。 バスチオンはマシンマンに支配されたシステムを奪い返そうとするが、レーザー砲の攻撃に加えケーブルがテレキネシスで配線を操りバスチオンを拘束した! マシンマンとケーブルは脱出し、扉を閉鎖する。

 巨大なきのこ雲が上がる。戦闘攻撃機サンドマン1」のパイロットは、爆撃前に施設が大爆発し消滅した事を本部に報告する。クラッグ将軍はブリッジ大佐に、何か話していなかった事があるのだなと問う。ブリッジは将軍に、何かシステムの故障でもあったか、それとも野放しの大砲が2つほどあったのかも知れませんなと答えるのだった。

 脱出したケーブルとマシンマンは、ケーブルのテレキネシスによる防御で生き残っていた。ケーブルはマシンマンに、この事件でまた時間軸がねじれただけの事なのか、悪夢のような明日が到来するのだろうかと問う。マシンマンは、精神リンクは切れたがきみの気持ちは判る、これを教訓にして、どんな犠牲を払ってもバスチオンが導こうとした憎悪の道を避けるべきだと学ばなければならないと答える。人類は生存を保証するための許容範囲を超えることができるだろう、その可能性はゼロよりも高いと思わないかと言うマシンマン。二人は握手を交わし、マシンマンは自分をアーロンと呼んでくれと言うのだった。

 

 ゼロ・トレランス」編完結。ロボットキャラクターであるマシンマンをバスチオンと対比させて、うまくまとめている。

 この当時、S.H.I.E.L.D.の隊長ニック・フューリーはパニッシャーに殺害されたと思われており(後に殺されたのは身代わりロボットだったと判りフューリーは復活する)、ブリッジ大佐が指揮を取っていた。偉大な指揮官だったフューリーのように判断できるかというブリッジの迷いが展開を盛り上げる。

 クラッグ大佐は今や将軍になっており、ブリッジの上官としてやや融通のきかない立場を振られている。前編ではクラッグの子の性別は不明だったが、この後編で娘と記されている(リック・レオナルディが描いた前編のエージェント・クラッグは女性に見えないのだが、製作時の情報伝達ミスか)。

 バスチオンの正体が、最後のセンチネルであるニムロッドと最初のセンチネルだったマスター・モールドが融合・変異したものだったという驚きの事実が明かされる。それまで人間の姿だっただけに衝撃だが、彼のミュータント絶滅の執念は、ミュータントハンター・ロボット、センチネルだったからというのは理解しやすく、面白い。

 バスチオンに洗脳されていたマシンマンナノマシンにより改造され「センチネル・スプリーム」となる展開は、センチネルもマシンマンもロボットキャラだけに実にしっくり来て、ケーブルとの一進一退の対決も盛り上がる。そして最後にヒーローとして復帰し、長い不在を抜けてマーヴルユニバースで活躍を再開するのだ。

CABLE / MACHINE MAN '98

1998年

MIKE HIGGINS & KARL BOLLERS : WRITERS

RICK LEONARDI : PENCILER

 

 ニュー・メキシコ州にある異様な施設に潜入した特殊部隊は、秘密諜報組織S.H.I.E.L.D.G. W. ブリッジ大佐から通信を受けていた。彼らの眼前には、人間のようなものを入れたいくつものカプセルと、巨大なロボットの頭部があった。

 つい先頃まで、アメリカではゼロ・トレランスという作戦が行われていた。国際的にも公認された、ミュータントの脅威から世界を救うための計画だった。だがこの作戦には、人間を秘密裏に改造したプライム・センチネルというサイボーグたちが投入されており、その非道な事実は次第に明らかとなっていった。ミュータント狩りは中止され、この作戦を主導したバスチオンという謎の男は政府に捕らえられ、刑務所へ送られた。人類をミュータントから守るという彼の野望は妨害された。だが、「オペレーション:ゼロ・トレランス」の悪夢は本当に終わったのか…?

 特殊部隊が発見したのは、プライム・センチネルを製造していた地下室だった。人体改造を受けカプセルに入れられたセンチネルたちは、まだ生存している。部隊のリーダー格、ウィークスはブリッジ大佐に通信する。部隊の一人、クラッグというエージェントは、S.H.I.E.L.D.の上層部に父がいるようだ。だが、彼らは気付いてはいなかった。この施設には番人がいる事を。そう、マシンマンが侵入者に気付き、攻撃を開始したのだ。マシンマンは次々とエージェントを始末していき、通信を切断する。

 独立記念日。ある男が妻のローズと息子を連れ、花火に彩られた自由の女神像を見に来ていた。父は息子に、自由の尊さを説く。子は巨大な像を見て、なぜこれはそんなに特別なの?と聞く。それはな息子よ、これは自由のシンボルだからだよと父は答えるが、二人の目には自由の女神の顔に巨大なミューターントハンター・ロボット、センチネルの顔がオーバーラップする…。

 この二人の意識とは実は、捕らえられ全裸でカプセルに封じられたバスチオンのものだった。ブリックマン上院議員マークス博士に、バスチオンには意識があるのかと問う。博士は限定的な肯定をし、バスチオンは通常の脳波を示さず2進法のコードで意識を現し、既知の遺伝子パターンや指紋も持たないこと、その体は本物の血液や細胞をまったく含まず、ナノマシンで構成されている事を説明する。バスチオンは人間ではないのだ!

 一方、アラスカの宵闇の中、雪上に一人の戦士がたたずんでいた。未来から来たミュータント戦士ケーブルだ。彼は双眼鏡で眼下の屋敷の中を見る。中には「ゼロ・トレランス」を逃れた彼の父母スコットジーン・サマーズがいる。二人の無事を確認したケーブルはその場を立ち去る。

 彼の胸に、これまでの出来事が去来する。致死性のウイルス感染を治療するために未来に送られたこと、テレパスの能力を磨くための訓練を受けた少年時代、アポカリプスストライフとの激しい戦い、そしてシックスパックという傭兵隊の仲間たち…。雪山を進むケーブルだが、突然彼の前にS.H.I.E.L.D.の小型ヘリが飛来してきた。

 S.H.I.E.L.D.の空中要塞ヘリキャリアへと運ばれたケーブル。ブリッジ大佐はケーブルの助けが必要だと言い、バスチオンがカプセルを破り脱走した映像を見せた。警備員に対して手からビームを発射して撃ち殺すバスチオンの姿を見て、普通の人間だと思っていたが…と言うケーブル。最後には施設の外壁が爆発し、バスチオンは外へ出て行った。その超常的な能力を見て、バスチオンはミュータントだったという事か?と訊ねるケーブル。ブリッジ大佐にもバスチオンの正体は掴めていなかったが、バスチオンの目的地は自分の部隊が全滅した施設ではないかとケーブルに話す。その施設では、椅子に座ったマシンマンの頭部へ配線が接続されていた。「X-51ユニットにダウンロード開始…」と音声が響く…。

 すっかり人間離れした外見となったバスチオンは、ニューヨークへと戻っていた。記憶を辿り、ローズがいる家へと来たバスチオンは、彼女に声をかける。ローズはTVを見て彼が戻ってくると思っていた。助けを求めるバスチオンをローズは優しく諭す。だがそこへ狙撃兵が乗ったヘリが飛来、バスチオンをミュータントと誤解し発砲した。バリアで銃弾をはじくバスチオンだが、気が付くと巻き込まれたローズが倒れて死んでいた。その時バスチオンの中の何かが完全に失われた。エネルギーを吹き上げ飛び立ったバスチオンは、ヘリを撃墜し飛び去る。

 ブリッジ大佐から垂直離着陸機を借りたケーブルは、ニュー・メキシコのあの施設の側に着陸した。すぐ側にはS.H.I.E.L.D.のエージェントたちが使ったと思われるヘリが着陸している。レーザーライフルで扉を焼き切ると、中に装備されているガトリング砲や小型ミサイルの迎撃装置が出迎える。テレキネシスのシールドで攻撃を防ぎ、迎撃装置をハンドガンで撃ち壊すケーブル。続いて落とし穴のトラップがあったが、ケーブルはテレキネシスで体を持ち上げ、レーザーライフルで次の扉を吹き飛ばした。

 そこに待ち受けていたのがマシンマンである事に驚くケーブル。だがマシンマンは人間の味方として戦っていたはずだ。マシンマンの方でもケーブルを認識したが、まるで機械のように分析結果を発音し、攻撃を開始。左手を伸ばしてレーザーライフルを掴み、右手のパンチを打ち込んでライフルを奪い突き付けてきた。ケーブルは、マシンマンには人間と同様の会話パターンがプログラムされたはずだ、何を頭に入れられたんだと疑問を覚えつつ、テレキネシスで天井の機械を動かしマシンマンの頭にぶち当てた。倒れたマシンマンだが伸びるパンチで反撃してくる。これをかわしたケーブルはライフルを取り戻し発砲。マシンマンは足を伸ばしてそれを避けたが、突然苦しみだす。不思議に思うケーブル。

 だがそこへ、完全に人間の姿ではなくなったバスチオンが飛来した。何があったんだとケーブルは不審に思う。その隙に、マシンマンは手を伸ばしてケーブルの体に巻き付け拘束してしまった。バスチオンはケーブルには見向きもせず、かつて全てのセンチネルを指揮していた親玉ロボット、マスター・モールドの頭部にアクセスしはじめた。絶体絶命のケーブルは状況を打開するため、自分の体に巣くうテクノ・オーガニック・ウイルスの進行を抑えるのに使っているパワーを解放する。

 その時ケーブルは、マシンマンの記憶に触れた。アベル・スタック博士により人間のように育てられ、政府がプロトタイプを破壊したとき彼を生き残らせるために父が命を犠牲にした事を。父の愛を受けてヒーローとして活動しはじめ、ハルクと戦い、アベンジャーズの一員となった事を。父からアーロン・スタックという名をもらった事を。

 だがケーブルが戦っているその時に、バスチオンはマスター・モールドの目からエネルギーを受け、姿が変化していった。全てをバスチオンへ渡したマスター・モールドの巨大な顔は沈黙する。マシンマンは背後からエネルギー攻撃を受け停止。ケーブルの前に、未来センチネルであるニムロッドに似た姿に変貌したバスチオンが立ちはだかっていた。だが彼は、私はニムロッドではないと言う、私はお前の破滅だ、と。

 

 1996年の「オンスロート」クロスオーバーにて、プロフェッサーXの意識が生み出した凶敵オンスロートによりミュータント以外のスーパーヒーローたちが犠牲となったが、残されたミュータントたちはこの事件の首謀者ではないかと誤解され、ミュータントを危険視する世論は一気に加速する。そんな中登場した謎の人物バスチオンがミュータント弾圧作戦「オペレーション:ゼロ・トレランス」を推進。お尋ね者となったX-MENは逃走する中で、一般人の中に改造人間にされたミュータントハンター・サイボーグ「プライム・センチネル」が放たれている事を知り、この作戦の暗部を明らかにし、バスチオンは捕らえられる。これが1997年のX-MEN系クロスオーバーイベント「オペレーション:ゼロ・トレランス」である。が、この話の謎解きと結末は、クロスオーバー内のタイトルではなく、翌年に刊行された2冊のANNUAL誌で描かれた。それがこのCABLE/MACHINE MAN ‘98と、その続編MACHINE MAN/BASTION ‘98である。この2誌は、ENGINES OF DESTRUCTIONというシリーズ名が付けられている。

 「オペレーション:ゼロ・トレランス」は日本語版も刊行されたが、コミック本編が掲載されたのは途中までで、残りはダイジェストでまとめられ、この2誌についてもあらすじのみが掲載されるにとどまっている。

 この話で突然マシンマンが、しかも敵として出現というのに驚かされる。マシンマンと旧知のクラッグ大佐がこの頃にはS.H.I.E.L.D.上層部にいるという新情報があり、彼の子が登場してマシンマンに殺されたり、マシンマンの旧敵でロボットを危険視する政治家マイルズ・ブリックマン上院議員が再登場したりするのが凝っている。

 マスター・モールドは、1965年という初期のTHE X-MEN #15が初出。THE X-MEN #14-16はミュータントハンター・ロボット、センチネルとの戦いを3連作で描く豪華な話。反ミュータント主義者のボリバー・トラスク博士はミュータントの能力に対応して攻撃・捕獲するロボット、センチネルの軍団を製作するが、センチネルを統括する巨大な親玉ロボット、マスター・モールドは、作り主に反逆し独自に行動を始める。X-MENは次々と捕らえられてしまうが、トラスク博士がロボットの暴走を止めるために設備を破壊し、マスター・モールドと共に爆発に巻き込まれ死亡するという展開だった。初出誌のアートは、レイアウトがジャック・カービー、ペンシルがジェイ・ガービン。

 人間の姿であるが生物ではないことが明かされたバスチオンの謎は、次回で明かされる。

AVENGERS WEST COAST #83

1992年 JUN

ROY & DANN THOMAS : WRITER

HERB TRIMPE : GUEST ARTIST

 

 巨大な交通網の中心部にあるロサンゼルスの街の、ビルの谷間に取り残されたような古びた屋敷の中で、車椅子に座った老人が配下の男と話していた。1947年以降に笑うことがなかったと言う老人だが、ここで久しぶりに大きな口が裂けるように笑う。彼はハイエナという名のヴィランだったのだ。

 夜の人気のない廃自動車が積まれたジャンクヤードで、一人の男がコートを脱ぎ、「ハイエナ! どこに居る?」と叫んだ。その声を聞き現れたのは、武器を手にした荒くれ者4人だったが、男は素早い身のこなしで次々と荒くれ者どもを打ちのめし、最後の敵が撃った銃弾を避けて右フックで打ち倒した。最後の敵の懐に手紙があるのを発見した男は、それを開いて読む。男はゴールデンエイジに活躍した人造人間ヒーロー、ヒューマントーチであり、ハイエナは彼の旧敵であったのだ。この手紙が燃えずに読まれているという事は、お前は発火能力を失っているという事だ、私ならそれを取り戻す助けになれる、また、昔お前の相棒だったトロの行方を捜す手助けもできるぞと書かれてあり、翌日午後5時23分に屋敷に来いと指定してあった。荒くれ者どもを縛り上げた後、ヒューマントーチはいま使っているトヨタ車に乗り込み、巨大な道路網を抜けていった。

 彼が向かったのは、スーパーヒーローチーム、アベンジャーズ・ウェストコーストの本部だった。一同はヒューマントーチからの緊急連絡を受けて集まっていた。中に入ったヒューマントーチは、チームメンバーではなかったティグラがいるのに驚く。また、補充要員のマシンマンの姿もあり、皆にコーヒーをいれて回っていた。ハンク・ピム博士「オペレーション:ギャラクティック・ストーム」にてチームが宇宙へ出る際に、マシンマン、ティグラ、クイックシルバーの3人が基地の維持を任されていたのだと説明する。

 椅子に座ったヒューマントーチは、自分は能力を失い、死んだと思われていたので、「ギャラクティック・ストーム」の時に招集がかからなかったのだろうと言う。マシンマンは彼にコーヒーを注ぎながら、同じアンドロイドのヒューマントーチがコーヒーを飲む事を不思議がる。ヒューマントーチは、自分が1939年に製作された時は、普通の人間と同じくなるように設計された、私の発火能力は設計ミスなのだと言う。彼の発火能力は、最近マスターマンという敵と戦った際に失われていた。ワスプはなぜ緊急招集を連絡したのかと訊ね、ヒューマントーチはハイエナからの呼び出しについて語る。マシンマンは、自分のメモリにはハイエナという犯罪者の記録はないがと訊ねる。トーチは1940年代の事だからと、第二次大戦当時にナチスの手先となり、戦後ハイジャックなどの犯罪に手を染めたハイエナについて語った。最後は’47年にヒューマントーチとパートナーのトロが彼を投獄したと言う。

 だがトーチは、この場合自分一人で行った方が良いと言い、モッキンバードをはじめチームメンバーたちは自分たちの協力は必要ないのかと問う。はたしてヒューマントーチはどういう作戦を考えるのか?

 翌日午後、ラッシュアワーで混雑する高速道路に、車を跳び越えて走るトーチの姿があった。当然のように抗議の声が上がるが、トーチをここまで送ってきたピムは、彼の成功を祈る。トーチは指定された時刻に屋敷へ到着し、中に入り階段を上がる。

 扉の向こうにいたハイエナは、ヒューマントーチについて科学者に調査させたと語る。今はヒューマントーチの体内の免疫機構が発火能力をブロックしているのだと説明したハイエナは、手元にある装置を見せた。この装置はロサンゼルス地区のすべてのコンピューターネットワークとヒューマントーチの脳を繋ぎ、免疫によるブロックを解除できると持ちかけるハイエナ。さらに、FBIやCIAなどのコンピューターにアクセスすることで、トロについての情報も得られるだろうと言う。ハイエナは、その際に得た情報の一部はこちらで利用させてもらうがと条件をつける。ヒューマントーチは旧敵を疑うが、儂がお前を殺す気なら、呼び出した時に銃殺を命じていたと言われ、相手の提案に乗る。トーチは装置から伸びた配線を頭に付け、ハイエナはスイッチを押した。

 時を同じくして、道路で大パニックが起き始めた。ハリウッドではトレーラーの荷台が開いてハイエナの群れが放たれ、野獣たちは他の車に吼えかかる。パサディナでは巨大車輪の特殊車が他の車を踏みつぶして暴走。サンタモニカではセスナ機が道路に墜落し炎上。これは全てハイエナの計画だった。装置に接続されたトーチを前に、自分の計画の成功を腕を振り上げて喜ぶハイエナ。

 専用ジェットで上空にいたアベンジャーズ・ウェストコーストへ、ピム博士から指示が入った。混乱により博士はトーチのトヨタ車を乗り捨てなければならなかったが、なんとか脱出し、指令車コンピューバンにたどり着いていた。彼の指示を受け、飛行するマシンマンクイックシルバーとティグラが捕まり降下、モッキンバードは飛行バイクで飛び出していく。着地したティグラはハイエナの群れを威嚇して追い払う。巨大車両が迫る中モッキンバードは特殊ロッドで車のドアをこじ開け人々を救う。縮小化したワスプは背中の羽根で飛び、巨大車の中へ入ってキーをまわし停止させることに成功。セスナ機の墜落現場ではクイックシルバーが高速で走り竜巻を起こして消火し、マシンマンがセスナの残骸を押して道路から取り除いた。ハイエナが起こした災害は食い止めたが、そこでマシンマンにピム博士から次の指示の通信が入った。

 ヒューマントーチに、発火能力を取り戻せと言うハイエナ。だがトーチはそうせず頭のコードを外し、装置を壁に叩きつけて破壊した。狂ったのかとハイエナは驚く。ヒューマントーチは、ヒョウは住処を変えるがハイエナはそれができないと言い、旧敵がどういう手に出るかアベンジャーズ・ウェストコーストと分析し対策を立てていた事を明かした。それで儂を出し抜いたつもりかとハイエナは車椅子のボタンを押し、手下の荒くれ者を呼び出しトーチに差し向ける。

 だが次の瞬間、床をぶち破ってマシンマンたちアベンジャーズ一同が現れ、あっという間に手下を取り押さえた。何をするつもりだったんだとトーチに問われ、ハイエナはこの街を吹き飛ばすだけの爆発物があったのにと言い、涙を流す。そんな事は聞いていなかったとハイエナの手下まで怒り出すが、ハイエナは意に介さず、自分が刑務所から解放されたのは、希なタイプのガンにかかり死を待つのみだったからだと明かす。トーチは、調査でその事実を知り、自分が永久に苦悩するように計画が仕組まれていることを予想したのだと言う。ハイエナはトーチが能力を取り戻そうとしている事を利用しようとしたが、彼は再びスーパーヒーローになるチャンスを捨ててそれを阻止したのだ。だがハイエナは、たった一つだけ良い事がある、お前は儂を罰することはできないぞ、なぜなら儂はすぐ死ぬからな!と興奮しながら叫ぶ。このドス黒い小さな勝利を得て、ハイエナは気絶する。

 アベンジャーズ一同が見守る中、病床で意識を取り戻したハイエナことヘンリー・モートンソンに、クリグステイン医師が声をかけた。彼のガンは、投獄中の不機嫌さがその大きな要因であり、最近彼が再び笑い始めた事でガンは消失していったと言う。この説明を聞き、ハイエナは出ていってくれと頼む。アベンジャーズは退出し、医師は患者に悪い面だけを見ないようにと「笑いは百薬の長」という格言を授けるのだった。

 

 ハイエナがヒューマントーチに最後の戦いを計画する「HYENA’S LAST LAUGH」というストーリー。’01-’02年のDCのクロスオーバー「JOKER’S LAST LAUGH」を思い起こす方もおられよう。

 ヒューマントーチは1939年のMARVEL COMICS #1が初登場で、ホートン教授の造った世界初の人造人間だが、発火能力を発現し、スーパーヒーローとして活躍した。ファンタスティック・フォーのヒューマントーチことジョニー・ストームとは別人である。

 ハイエナは初出が1977年発行のINVADERS ANNUAL #1。インベーダーズは’69年のAVENGERS #71で初登場したのだが、第二次世界大戦中にキャプテン・アメリカ、ヒューマントーチ、サブマリナーらが組んで戦っていたという後付け設定で描かれたチームで、ストーリーはロイ・トーマスが担当した。今回の話もロイ・トーマスが担当しているため、ヒューマントーチの望みを利用しようとするハイエナの企みから、最後の皮肉な結末まで、実にうまい展開になっている。

 マーヴル最大のスーパーヒーローチーム、アベンジャーズは、この時期東海岸チームと西海岸チームに分かれて活動していた。マシンマンがこの時期までにアベンジャーズの補充要員として活躍するのは、実はこの号のみ。同じアンドロイドヒーローのヒューマントーチとの共演だが、コーヒーを注ぐシーンぐらいしかからみがないのは残念。劇中1コマのみ眼球が描かれたシーンがあって(単純なミスだと思うが)、 マシンマンの絵としては珍しい。

 さらに、この号のあとマシンマンの出番は、ピンナップ画やキャラ解説など限定的なものだけになり、劇中で活躍するのは’98年まで待たなければならない。アベンジャーズメンバーとしては使いにくいキャラクターだったのかもしれない。

THE AVENGERS ANNUAL #19

1990年

ROY & DANN THOMAS ..... WRITERS

HERB TRIMPE ..... PENCILER

 

 究極進化を遂げたターミナスを止めるため、東西のアベンジャーズが動き出した。ターミナスは飛行し何処かへ向かっている。キャプテン・アメリカが、あいつはセント・ルイスへ向かうつもりだと言う。

 だがターミナスに最初に接触したのは東でも西でもなく、どっちにも入れないへっぽこヒーローたちが北で結成したグレートレイクス・アベンジャーズだった。彼らのジェット機モッキンバードが操縦し、ターミナスへ接触するが、あっという間に捕まえられ握り潰された。脱出した一同だが、翼竜のように飛行できるダイナ・ソアーに肥満体のビッグ・バーサがしがみつき、さらにその下にモッキンバードが捕まり、ふらふらと落下し、セント・ルイス市名物のゲートウェイ・アーチの上に着地する。他のメンバーはターミナスの頭にしがみついたが、ミスター・イモータルはよせばいいのにあかんべーをしてターミナスの両手に叩き潰された。彼は死んだの?と嘆くモッキンバードだったが、何をされても無駄に不死身なミスター・イモータルはちゃんと再生していた。

 ターミナスは、ばかげたじゃれ合いはもう良い、我が使命を完成させねばと言って、フォースフィールドを展開しはじめた。自分たちは失敗したと言うモッキンバードに後ろから声がかけられ、振り向くと、それはホークアイで、ウェストコースト・アベンジャーズが到着していた。モッキンバードホークアイに文句を言いはじめるが、そんな事をしている場合ではない。そこへ東海岸アベンジャーズも合流。アンドロイドのビジョンピムの仮説を計算し、ターミナスは周囲のエネルギーを吸収し、鎗で宇宙を走査すると説明し、まだ手遅れになっていない今こそ立ち向かう時だと皆に言う。アベンジャーズ、攻撃!の声と共にヒーローたちが飛び立つ。

 一方、ターミナスに殺されたと思われていたソーは、宇宙空間をただよっていた。だが彼は魔法のハンマー、ムジョルニアをターミナスの体内で奪われていたため、宇宙を飛行することができない。そのうち眼前に小惑星が現れた。重力に引かれてソーは小惑星に激突してしまう。

 ターミナスの発するフォースフィールドにより、アベンジャーズは接近すらできない。また、ターミナスのエネルギーによりセント・ルイスの街に被害が出始めた。崩れてくる瓦礫をシールドで弾きながら、キャプテン・アメリカU.S.エージェントは人々の避難を助ける。ワスプは崩れてきた瓦礫をビームで吹きとばす。シーハルクは倒壊するビルを腕で支える。ヒューマントーチも落ちてきた瓦礫を炎で消滅させた。

 クエーサーは前にターミナスを撃退した方法を使おうと言う。彼はスパイダーマンと共にターミナスと戦った経験があるのだ。クエーサーは腕のバンドから発した光を固体化してターミナスの足の下に一枚の巨大な板を作り、それをアベンジャーズが押して持ち上げようとする。前はこの手でターミナスを宇宙へ放り出すことに成功したのだが、今のターミナスは以前の倍の大きさになっているためか、びくともしない。

 小惑星に墜落したソーは意識を取り戻す。この小惑星にはわずかながら大気があり、声を発することができた。ソーは宇宙へ向けて歌をうたいはじめる。

 クエーサーの作戦が失敗したアベンジャーズは、個別に攻撃を仕掛けていた。アイアンマンがリパルサー光線で目に攻撃したりするが、まったく通じない。キャプテン・マーヴルは全力でターミナスに突撃するが、弾かれてしまった。ワンダーマンはターミナスの指で弾きとばされた。マシンマンは、自分は今まで一人で戦ってきた、またヘビーメタルというチームに入ったこともあったが、アベンジャーズと共に戦うのはとてもスリルがあると感じる。アベンジャーズは恐怖に出会ってもユーモアを忘れない。自分も彼らと共に命をかけようと考え、マシンマンはターミナスに攻撃するが、手で防がれてしまった。

 空を飛べるヒーローたちはターミナスに一斉攻撃するが、その時ターミナスはなぜか空中に引き上げられ、ヒーローたちと共に宇宙へと出ていった。ソーの声がしなかったかと言うハーキュリース。何かが磁石のようにターミナスを引いていったように見えたというピム博士。ハーキュリースは皆に、オーディーンが作った呪文はソーのハンマー、ムジョルニアを引き寄せることができると語り、ルーンの呪文がムジョルニアを取り込んだターミナスを動かしたのかもしれないと言う。

 空を飛ぶヒーローたちはターミナスと共に宇宙に出てしまっていた。小惑星の上にソーがいるのを発見。ソーはアベンジャーズも来ていることに驚くが、時すでに遅くターミナスは小惑星に激突する。

 ターミナスもダメージを受けたようだが、自分たちもこれで終わりなのか。ターミナスの鎗はまだエネルギーを放出していた。クエーサーは宇宙空間でソーを救出。さらにターミナスの鎗を持って空間移動「クアンタム・ジャンプ」を行い、鎗をアルファ・ケンタウリの方角へ投げ捨てた。

 その時、ターミナスに異変が起こった。体内のエネルギーが暴走し、次第に小さくなっていくターミナス。最終的にターミナスは重力崩壊し、ブラックホールと化した。ターミナスの最後だ。

 だが小惑星やターミナスの周囲にあった空気がなくなったため、地球のヒーローたちにも最後が近づいていた。しかしスターフォックスがある一点を指す。ブラックホールの中から、ソーのハンマーが戻ってきたのだ。ソーはハンマーを受け止め、ムジョルニアの力を使って大気を集め、ヒーローたちを連れて地球へと帰還するのだった。

 

 「ターミナス・ファクター」クロスオーバー最終話。ギャグも盛り込まれた陽気な作風だ。ソーがずっと歌ってるのもなんだか凄い。最後の戦いでは、クエーサーのオウンタイトルが開始された時期なので、クエーサーに活躍の場が振られている。

 マシンマンは背景程度に出てくるだけで大して活躍しないのだが、彼がアベンジャーズに混じって戦っているのは、メジャーになったなあという気にさせてくれる。

WEST COAST AVENGERS ANNUAL Vol.2 #5

1990年

ROY & DANN THOMAS : WRITERS

JIM FRY : PENCILER

 

 科学者ハンク・ピム博士アントマンジャイアントマンとしても活躍した)が装置を起動するとエネルギーが注入され、第二次大戦中に製作されたアンドロイド、ヒューマントーチが復活した(こちらが元祖であり、ファンタスティック・フォーヒューマントーチとは別人)。近くにヒーローたちがいるのに気付き炎を消したヒューマントーチは、今はいつだと訊ね、1990年と聞くと、自分の時代から35年も経っているのかと言う。

 そこへクイックシルバーが駆け込んできた。サンフランシスコ南部で戦っているハーキュリースから出動要請が出ていると言う。ターミニと戦っているハーキュリースは、この敵についてアイアンマンが情報を持っていると言ったとクイックシルバー。自分はもうアベンジャーズを離れた身だが、今回は協力すると言う。マシンマンも、ターミニに親友ピーター・スパルディングが殺されたと言い同行を申し出る。アイアンマンは皆にマシンマンを紹介する。ヒューマントーチは空を飛び、他の皆はクインジェットに乗って出動。情報によると、ターミニは一体に合身し、さらにターミナスが現れ両者が戦っているという。

 ハーキュリースが見る中、二つの巨人が激突しようとしていた。ターミナスは自分の分身から派生したターミンに、ソーを殺してハンマーを取り込んだと語り、ターミナスとして自分が正統であると言うが、ターミニは反抗し戦闘開始。シッポから長い武器を作り出し、ターミナスの鎗を受け止める。

 二機のクインジェットが着陸し、ハーキュリースがアベンジャーズを出迎える。ハーキュリースは、宇宙でソーがターミナスと戦っていたが、ソーは戻らずターミナスだけが飛来し、ソーを殺した、ハンマーを体内に取り込んだと言っていると語った。ソーが死んだ? アベンジャーズに動揺が走る。45メートルを超える巨人ターミナスとターミニの戦いを見上げ、ターミニが小さかった時に始末できていればと言うアイアンマン。ファイトを燃やすU.S.エージェントマシンマンは、ソーやハーキュリースでも勝てなかった相手には、力だけでは勝てないと言う。ピム博士もそれに同意し、物体を縮小化させるピム粒子を逆用し大きなレンズを2つ取り出した。

 1つのレンズをマシンマンとアイアンマンが持ちターミニへ向かい、もう1つはワンダーマンとヒューマントーチが持ってターミナスを目指す。1機目のクインジェットの操縦席にはU.S.エージェントが着き、ハーキュリース、ワスプが搭乗、もう片方にはピム博士、クイックシルバーホークアイが乗り込んで発進。壮烈な戦いを繰り広げているターミナスとターミニに、それぞれが接近する。

 2つのレンズから猛烈な閃光が発せられた後、ターミニとターミナスは戦いを止め別々に歩き始めた。どういう計画だったんだとホークアイは訊ね、ピム博士はレンズで奴らの視覚を狂わせ蜃気楼を見せたと説明する。二体が離れた今こそ攻撃の時だ。クインジェットはターミニへ突進する。

 ターミニはターミナスをぶち壊そうと向かっていくが、なぜか目指す方向に見えていたはずのターミナスがいなくなるのに怒り、尻尾ロッドから衝撃波を撃ちだした。ワンダーマンたちが持っていたレンズが粉砕される。

 ワンダーマンはターミニの顔を殴りつけ、ヒューマントーチは火の玉弾を投げつけ、さらに炎で五つ身分身し撹乱する。ターミニのビームがそのうち一体に命中するが、それは分身で、本体は無事だった。古兵ヒューマントーチの活躍を称えるアベンジャーズ。ハーキュリースは以前ターミナスと戦った時の攻撃を思い出し、相手のアゴ目がけて突っ込んでいったが、ターミニに弾かれ地面に墜落してしまう。ハーキュリースのピンチにワンダーマンが突撃をかけるが、それに続いてU.S.エージェントもクインジェットからとび降りてターミニの後頭部にしがみついた。無謀ともいえる行動に驚くヒューマントーチ。

 ワスプはクインジェットを自動操縦にして飛びだし、縮小化してターミニの顔へ突っ込むが、エネルギーが渦巻くターミニの体内へ入り込んでしまい、あわてて脱出する。敵の首にしがみついたU.S.エージェントは何かする前に落ちてしまうが、それをワンダーマンが救った。ダニのような人間たちに翻弄されていることに怒るターミニ。

 一方ターミナスの目もまだ正常には戻らない。クイックシルバーはクインジェットから跳びだしてターミナスを撹乱する。ターミナスの鎗からビームが発射されクインジェットを直撃。ホークアイは飛行バイクに乗り、後ろにピム博士が乗って脱出に成功。ホークアイは矢を放ち攻撃するが、鎗からのビームで撃墜されてしまった。地面に落ちたホークアイとピムをターミナスは踏みつけようとし、クイックシルバーが二人を掴み超高速の走りで助けた。そこへアイアンマンとマシンマンが飛来。手からのリパルサー光線でターミナスを攻撃するアイアンマンだが、まるで水鉄砲を撃ち込んでいるようだ。マシンマンとアイアンマンはターミナスの攻撃を避ける。

 そこへ、これまで変異や融合を経て第4段階にまで進化し巨大になったターミニが、目を回復させて接近してきた。両者の戦いが再開されてしまう。この戦いは周囲を震撼させ、ヒーローたちもうかつに手が出せない。ターミナスはターミニに、お前は俺のプログラムを受け継いでいる、それが何を意味するのか判っているのかと問う。両者はそれまで使っていた鎗を手放し、ターミナスは渾身の拳をターミニに叩きつける。ターミナスの口が大きく開かれたが、その中にターミニが食われていくのだ。ターミニを食ったターミナスに変化が起こる。閃光と衝撃がまき散らされ、ヒーローたちは吹きとばされる。見ると、ターミナスはターミニの力を得て、さらに倍も巨大な4本腕の最終究極の第5段階ターミナスへ進化していた! このような相手にどう立ち向かえば良いのか。

 アベンジャーズ本部では、キャプテン・アメリカビジョンクエーサーシーハルクの4人がアイアンマンからの報告を受けて動きだしていた。しかし、90メートル以上の巨大な姿となったターミナス第5段階はこれからどうなるのか。キャプテン・アメリカは、ピム博士がすでに計算していたと言い、地図の一点を示すのだった。

 

 このクロスオーバーでは、ターミニが次第に段階を経て進化していったのだが、微生物のような第1段階、動物の第2段階、人型の第3段階、融合し巨大化した第4段階を経て、最後にはターミナスに取り込まれ第5段階となった。

 アベンジャーズと共に戦うマシンマンは、アイアンマンとのコンビで活躍。これを機に、アベンジャーズの一員として数えられるようになっていく。

IRON MAN ANNUAL #11

1990年

ROY & DANN THOMAS : WRITERS

TOM MORGAN : PENCILER

 

 森の中の小屋に、マシンマンとその友人ピーター・スパルディングがいた。マシンマンジョキャスタの頭部に接続した装置を調整している。自分一人がロボットであるという孤独にさいなまれているマシンマンは、同じく心を持ったロボットであるジョキャスタを甦らせることに執着しており、いらいらするあまり、アーロンと呼びかけてきたピーターに、マシンマンまたはX-51と呼んでくれなどと呼んでくれと答えてしまう。ジョキャスタなら「エボリューショナリー・ウォー」事件の時に発見されたそうだよと言うピーターに、あなたも金属で出来た生命がどれだけ孤独か理解していないと返事するマシンマン。そこへ、小屋の壁を破って熊が入ってきた。手を伸ばしてピーターを遠ざけ、パンチを打ち込むマシンマンだが、逆に弾きとばされてしまう。それは本物の熊ではない、熊のような毛皮の外装が外れ、中から恐ろしげな金属の体が現れた!

 マシンマンはこのメカの熊に体当たりし、指からのレーザーを撃ち込み、拳から火炎放射を浴びせ、伸びる手でパンチを打ち込むが、相手はまったく動じない。メカの熊は鋭い爪で伸びた腕を掴み、力任せにマシンマンの左腕を引きちぎってしまった。なんと、左腕をバリバリ食う敵。重大なダメージを負ったマシンマンは自動退避モードに入っており、足裏のジェットを噴射して小屋から飛びだしていった。彼の伸びた手には、ジョキャスタの頭が握られていた。

 小屋に残されたピーターは、敵が金属を食うのを見て小屋にあったチタニウムを投げつけ、相手がそれにとびついている間に小屋から逃走する。だが敵の鈎爪が伸びてきて足を掴まれてしまった。この謎の金属生命体に踏みつけられ、ピーターの絶叫が上がる。

 トニー・スタークは機械製造の新興企業ベイントロニクス社を訪ね、社主のミズ・ベインと会っていた。サンセットと呼んでくれないかしらと言うベインは、ロボット製造の夢をトニーに語り、一緒にディナーでもと誘う。だがそこへベインの部下があわてて走って来て、偵察機のレーダーに何か映っていると言う。偵察やレーダーなどという言葉を聞き、トニーは異常事態が起こったことを知る。サンセット・ベインは挨拶もそこそこにあわてて去っていった。トニーもスーツケースを持って物陰へ隠れる。

 レーダーを見て、ミサイルではないかと言う部下に、なんとか止めなさいとわめくベイン。だがその時、アイアンマンが飛来した。アイアンマンは飛んできた物体めがけて降下する。物体はベイントロニクスの工場からは外れ、コロンビア川に向かっていた。アイアンマンは手のリパルサー光線の出力を調整して物体にブレーキをかけた。墜落した物体を見て、それがアベンジャーズのファイルにも記され、以前対面したこともある、マシンマンだと気付くアイアンマン。そしてマシンマンが胸に抱えているのはジョキャスタの頭部だ。ジョキャスタはキャプテン・アメリカアベンジャーズハイ・エボリューショナリーと戦った時、敵基地の爆発後に残骸が発見されたはずだがと考えながら、アイアンマンはマシンマンを抱えてベイントロニクスの工場へ戻る。

 着地したアイアンマンに何故ここにいるのか訊ねるベイン。自分はスターク社長の警備のため彼の行くところについていくのだと答えるアイアンマン。二人は工場内にマシンマンを運び込む。私はロボットの専門家よと言うベイン。アイアンマンはスターク氏のロサンゼルス工場にX-51を修理するための設備があると申し出るが、ベインは断る。アイアンマンはその場から飛び去った。

 自分が狙うマシンマンが労せず手に入ったことに喜ぶベイン。腹心のスタッフにマシンマンを運ばせ、他のスタッフにはボヤッとしてないで仕事に戻るのよと叱咤する。それを聞いた労働者たちは、スターク・エンタープライゼスに雇ってほしいよとぼやくのだった。

 悪女マダム・メナスの姿となったサンセット・ベインは、マシンマンを複製装置にかけるようドクター・ララビーに命じる。このシステムの一部はマシンマンの製作者であるブロードハースト博士の研究室から盗み出してきたものだ。溶けたチタニウムが型に流し込まれ、マシンマン2号機が作り出された。

 ベイントロニクスの表の工場では労働者たちが愚痴を言いつつ働いていたが、そこへあのメカ熊が襲来。爪で人間を襲い機械を壊して進む。この事態はベイン社長へ通報された。

 マダム・メナスは何が起きているのか判らなかったが、ロボットのようなものが暴れているのを知り、配下の戦闘員を向かわせる。そしてさらに、アイアンマンに戻ってほしいと連絡した。

 通信を受けたアイアンマンはUターンしベイントロニクス社へと飛ぶ。見ると工場の天井に大穴が空いている。入ってみて、中に機械なメカ怪物がいるのに驚くアイアンマン。メカ怪物はチタニウム材を食っていた。拳から怪物に突撃したアイアンマン。しかし敵は爪でアイアンマンを弾きかえした。壁に激突したアイアンマンは再び立ち上がり怪物と対峙する。秘密工場の方ではマダム・メナスが、アイアンマンが戦っている間にマシンマン複製を終わらせるのよと命じていた。アイアンマンは怪物にリパルサー光線を浴びせかけるが、怪物はそれに耐え再び爪でアイアンマンを弾きとばした。アイアンマンはこの怪物を見てターミナスという敵を思い出す。さらに爪でぶっとばされたアイアンマンは、そこに冷たい液体チタニウムを入れた巨大容器があるのを見つけ、敵を凍結させようと、それを持ち上げメカ怪物にぶっかけた。だがそれは裏目に出て、敵はチタニウムを吸収し大きくなってしまう。さらに爪で壁に叩きつけられるアイアンマン。

 秘密工場の壁は外の戦闘で崩されつつあった。マダム・メナスは、2機のマシンマンを運び出しなさい、危険に見合う金は払ってるはずよと命令するが、部下たちは壁を突き破って巨大な鈎爪が現れたのを見て命大事と逃げてしまう。その時マシンマンの意識が戻った。自分が知らない場所にいて、左腕が取れていることに驚く。自動退去が働いたんだと思い当たり、飛び上がったマシンマンは、聞こえてきた大きな音を調べに壁の穴の向こうへ出るが、そこでは巨大なメカとアイアンマンが戦っていた。

 アイアンマンを助けるため敵メカの腕に突撃するマシンマン。ここはどこだと問うマシンマンに、アイアンマンはベイントロニクス社だと答え、この怪物を知っているかと訊ねる。知っているが大きくなっていると言うマシンマン。アイアンマンはこの敵がターミナスというファンタスティック・フォークエーサーと戦った巨大ロボット怪物に似ていると言う。合流したマシンマンとアイアンマンは共にメカ怪物に向かっていく。敵の爪を工場の外板を持ち上げて盾にし防ぐアイアンマン。

 二人のヒーローは秘密工場の方へ移動。アイアンマンは凍てつく液体チタニウムを怪物にかけたあと怪物が成長してしまった事を話す。マシンマンも、食われた自分の左腕は主にチタニウムで出来ていたと言う。と、二人はそこにサンセット・ベインを見つけた。マダム・メナスのメイクをおとしていてよかったと思うベイン。怪物が侵入してきて、サンセット・ベインは踏みつぶされそうになるが、マシンマンが彼女を抱えて飛び上がった。マシンマンも自分の正体に気付いていないのに安堵するベイン。アイアンマンはそこでチタニウムを溶かす溶鉱炉を発見し、それを持ち上げ、熱く煮えたぎったチタニウムを怪物にぶっかけた。今度は溶けて動かなくなる怪物。冷たいチタニウムはこの怪物に必要だったが、熱いチタニウムは別の働きをして逆に害になったのだ。

 そこでラジオニュースが、動物の姿をしたロボットが大量発生していると報じる。テレビをつけると、ロボット動物たちが向かう先には、ベイントロニクス社の航空機工場があると報じていた。でも宣伝にはなるわと言うベイン。マシンマンはそこへ向かおうとアイアンマンに言う。ロボットの鳥、魚、昆虫までもが出現していた。ベインもこのモンスターを止めに行ってとアイアンマンに言う。アイアンマンもそれに同意。マシンマンは一人では行かせないと同行を提案。左腕が取れているが、本拠地に戻れば修理できると言う。二人のヒーローは飛び立った。

 結局マシンマンの複製を入手したベインは、それを元にしたロボットを売って再起できると、漁夫の利を得る。

 小屋に戻ったマシンマンは、親友ピーター・スパルディングの死体と対面する。小屋に戻っていたギアーズ・ガービンは、マシンマンと共に悲しむ。アイアンマンはマシンマンの左腕を元通りに取り付ける。マシンマンは、アイアンマンと共に行くよ、私もまた復讐者(アベンジャー)だと言い、二人は飛翔していくのだった。

 

 1990年のアベンジャーズ関連のANNUAL(年刊)誌5冊で展開したクロスオーバー「ターミナス・ファクター」第2話(第1話はCAPTAIN AMERICA ANNUAL #9)。各号、メインストーリーの他に、この事件をテレビニュース形式で描く話や、このクロスオーバーとは別の短編も収録している。ターミナスとは、ファンタスティック・フォーの敵として登場した宇宙の金属生命で破壊巨人。

 驚くべきことに、この内容はMACHINE MAN Vol.2ミニシリーズで語られた、ピーター・スパルディングが殺されサンセット・ベインがマシンマンを手に入れるという話になっている。過去や未来のストーリーラインをうまくつなげて物語を展開するのは、ライターのロイ・トーマスの得意とするところだ。この話からすると、2020年に登場したマシンマンは、この時作られた2号機だと考えられる。

 アイアンマンとマシンマンの共闘が楽しめる。金属光沢の影の付け方がとても格好良い。マシンマンを指して「X-15」と言っているシーンが多いが、X-51の誤植である。

MARVEL COMICS PRESENTS #10

1989年 EARLY JAN

 

 MARVEL COMICS PRESENTSは、数ページのコミックが4編掲載されたアンソロジー形式のタイトルである。この#10ではウルヴァリンマンシングマシンマンコロッサスが主役のコミックが掲載されている。ウルヴァリンとマンシングは連作の10話目、マシンマンはこの号の読み切り、コロッサスは1話目となっている。このタイトルは、メジャーキャラからマイナーキャラまで主役にできること、単発でも連作でも可能という自由度の高さから、オウンタイトルではできない外伝や、より深いキャラクターの掘り下げが行われた話など、意外な名作や見たかった展開が見られる良作も多い、ファン注目のコミックなのだ。それでは掲載されている4つの話を御紹介する。

 

ウルヴァリン

WRITER _ Chris Claremont

PENCILER _ John Buscema

 東南アジアの魔都マドリプールにて、暗黒街を牛耳るロチェウルヴァリンを殺すため沢山の刺客を送り込んできた。両手を刃に改造したレザーフィストという怪人を激闘のすえ殺したウルヴァリンは、建物の中を捜索し、ロチェに抵抗する仲間であるオドンネルを発見した。死にかけて座り込んでいる彼に肩を貸し外へ脱出するウルヴァリン

 彼らの共通の友人であるジェスことジェッサン・ホアンがロチェを追っているため、オドンネルは自分を見捨てて彼女を助けてくれと言うが、ウルヴァリンは提案を却下する。そこへロチェが現れ、ショットガンを撃ち込む! ウルヴァリンは直撃をくらいつつオドンネルを突き飛ばして助ける。倒れ込むウルヴァリン。そこで、ジェスが剣を振り上げ跳び込んできた。ロチェが銃を放つより早く、ジェスの剣が一閃、ついにロチェの首を取った。

 倒れたウルヴァリンに駆け寄り叫び続けるジェス。まぶたを閉じさせ、別れのキスをしたジェスは、オドンネルと共に去っていく。彼女はロチェを打倒することができた、しかしその代償は大きかった。

 ウルヴァリンのミュータント能力であるヒーリングファクターにより、肉体が徐々に回復していき、立ち上がる。彼はこの地を離れ、オーストラリアへ向かい、X-メンと合流するのだった。

 時は流れ、ロチェがいなくなったマドリプールが落ち着きを取り戻した頃、プリンセス・バーという店にタイガー・ティガーという名で絢爛豪華な服に身を包んだジェッサン・ホアンがいた。そこで彼女に声をかける者がいた。反射的にナイフを投げつけるジェスだが、聞き覚えがある声に驚く。声の主、ウルヴァリンは容易く指ではさんでナイフを止めてみせ、挨拶し、この地ではパッチという名で呼んでくれよと話す。彼と話し、ジェスは自分の守護天使として守るつもりなのかと問い、そうしてほしいならという答えを聞くが早いかナイフを一閃した。彼女は「タイガー」の異名通り、守られる存在ではないのだ。ウルヴァリンのノドを切り裂くのも可能だったが、その一撃は手首を軽く切っただけだった。ジェスは自分の手首にも傷をつけ、二人の手首を重ねて血を通わせる。この儀式で心を通じさせた二人はキスを交わすのだった。

 10話続けて掲載されたウルヴァリンの最終回。クリス・クレアモントならではの「ウルヴァリンのマドリプール話」で、女戦士とウルヴァリンの交流が堪能できる。

 

(マンシング)

WRITER _ Steve Gerber

LAYOUTS _ Don Hudson

 中央アメリカのコスタ・ディノラへ米軍用機が飛ぶ。軍極秘の超人兵士血清再現計画「プロジェクト・グラマー」を指揮するジョディ・チョート大佐は疑似超人兵士血清を自分自身に投与し、機内で恐ろしい苦痛に耐えていた。製造した科学者マクドナルド博士は大佐の様子を見つつ、この仕事の報酬を期待する。

 フロリダでは、ミッキー・ディティリオ記者、傭兵のロイド・ザーナー、悪魔信仰女司祭のマレアがこの地で起きたマン・シングがらみの事件を公表しようとしていた。ディティリオ記者はザーナーに、自分が報告した事件の裏取りのため編集長のトゥーメイと電話で話してほしいと頼む。受話器を受け取り話すザーナー。その30分後、トゥーメイ編集長はワシントンの黒幕セルバート将軍に電話するが、将軍はノーコメントと答え、これを記事にしたら訴えるぞと脅す。電話を切るが早いか将軍は秘書を呼び出し、フロリダへの航空機の手配と、オフィスにあるラトヴェリアとの武器取引書類全てをシュレッダーにかけるよう指示し、自分は緊急の用件で数日不在になると言う。

 前号で米軍ヘリのミサイル攻撃をくらい胴体を破壊され首だけ沼地へ落ちたマン・シングは、水中の藻や植物や甲殻類や亀や魚など様々な生物と共に一時の安らぎを得ていた…。

 北カリフォルニアの秘密研究施設では、疑似超人兵士血清の被験体にされてしまったレールズバック博士が、ぐちゃぐちゃに変貌し怪物と化した体のパワーで金属の扉を殴り続け、ついに脱出した。自分を犠牲にしたマクドナルド博士に復讐するため、レールズバックは警備兵を打ち倒し逃亡し、飛行機を奪おうとする。

 コスタ・ディノラに到着したチョート大佐は、6人の部下に疑似超人兵士血清を投与し、きみたちは共産主義者との戦いのための自由の闘士となるのだと演説していた。マクドナルド博士は大佐に報酬を要求しようとするが、大佐は化け物と化した体で詰め寄り、お前はテッド・サリス博士(研究していた超人血清の作用で怪物マン・シングに変貌)の研究を利用しただけの寄生虫にすぎないと罵倒し、胸を刺し貫いて始末した。大佐は部下と共にモスクワへ侵攻するつもりなのだ。そこへ上層部から通信が入る。

 セルバート将軍は高級車の中からチョート大佐にこれが最後の連絡だと電話し、追い詰められた状況から逃げるためフロリダを目指す。部下にリッサという女性を拉致させて同行させ、将軍は余裕たっぷりに移動しはじめるのだった。

 主役であるマン・シング不在のなか、追い詰められて強硬手段に出る敵方での動きが描かれる回。疑似超人血清を打たれた人間は体組織が異常増殖しぐちゃぐちゃの怪物となるが、今回それが量産され、冷戦末期のコミックだけに大佐はソ連侵攻を計画する!

 

マシンマン

PLOT _ Steve Ditko

SCRIPT _ Mike ROckwitz

PENCILER _ Steve Ditko

 マシンマンは街でピーター・スパルディングや彼の妻ジルを襲う覆面集団と戦うが、突然ロボットの体当たりをくらう。マシンマンを抱え上げた敵ロボットだが、パワーが切れたと言ってマシンマンを放り出し撤退していく。

 マシンマンはその場に残されたジルにピーターは取り戻すと言い、指のセンサーで敵ロボットのエネルギー痕跡を追跡する。その先には軍の基地があった。

 マシンマンを襲ったロボットは、自分を作った科学者に、マシンマンに勝てなかったのはお前が作った装置に限界があったからだ、マシンマンのボディが欲しいと言い出す。科学者は自分の作ったロボットに脅され困惑する。ロボットは気絶しているスパルディングを見て、マシンマンを手に入れる餌になると考える。

 このロボットを作った科学者ドクター・ウァーノはロボット性能試験を行い失敗したが、壊れたロボットから使える部品を回収して横流しして儲けていた。一方。軍のクラッグ大佐は不正があると感じ調査しはじめる。

 基地へ近づいたマシンマンはヘリのロケット弾攻撃をくらって吹きとばされる。倒れていたマシンマンをドクター・ウァーノとつながっている横流し業者が回収した。クラッグ大佐は、ヘリが攻撃した相手が見つからないとの報告に不審を抱く。

 マシンマンはドクター・ウァーノのところへ運ばれた。ロボットの動きを制限する特殊な拘束具ニュートラリザーに肩を固定されるマシンマン。敵ロボットが近づき、このボディは俺のものになると言う。スパルディングは意識を取り戻したが、縛られていて脱出できない。

 クラッグ大佐は執拗な捜査を続ける。ウァーノは自分の犯罪がばれないかと恐れる。だがウァーノのロボットは待てないぞと怒ってウァーノを持ち上げる。ニュートラリザーに固定しているとはいえまだ危険だ、まだ研究を続けねばというウァーノ。もしクラッグが手を出してきたら俺が殺してやるとロボットは息巻き、すぐにお前の体を手に入れてやるとマシンマンに言う。

 一人になったマシンマンは首を揺らして拘束具に震動を与える。ついにニュートラリザーは壊れ、マシンマンは解放された。そこへロボットが現れ、後ろから掴まれてしまう。だがマシンマンは手足を伸ばして壁に手をつき、ロボットを反対側の壁に何度も激突させた。たまらず手を放してしまうロボット。しかしまだあきらめずマシンマンと戦闘を開始。

 一方、捜査を進めたクラッグ大佐は基地に侵入していた横流し業者やドクター・ウァーノを捕らえ、さらにスパルディングを発見。

 マシンマンは手を伸ばしてパンチを打ち込み敵ロボットと大格闘を繰り広げていた。左手を伸ばしてロボットの後ろから頭に手をかけ、渾身の力をかける。クラッグ大佐とスパルディングが駆けつけると、部屋から火の玉がとび出てきた。違う、それは敵ロボットの頭だ。「オレハシッパイシナイ」と言いながら動かなくなるロボット。大丈夫かアーロンと喜ぶクラッグとスパルディング。二人はふらふらになったマシンマンに肩を貸して、部屋から出て行くのだった。

 マシンマンの話は、MACHINE MAN誌の後半を担当した漫画家スティーブ・ディッコが描いており、久しぶりにディッコのマシンマンが楽しめる。敵も妙にレトロなロボットで実にディッコらしい。ピーター・スパルディングやクラッグ大佐など、マシンマンの友人たちも登場しているのが嬉しい。また、スパルディングの奥さんジルはこれが初登場だ。

 

(コロッサス)

WRITER _ Ann Nocenti

PENCILER _ Rick Leonardi

 アメリカのとある町。売店に一人の大きな青年がやってきて、子供にあげるためのキャンディを買おうとした。だがそこはエロいピンナップが売り物の雑誌を扱う店だったため、店の親父は女の子は嫌いなのかと答える。青年はこういうポルノみたいな雑誌は嫌いなんだ、自由の乱用だと反論してしまうが、青年がロシア出身だと知った店の親父はロシアや共産主義について文句を言い始める。次第にヒートアップしてきて、ついに青年は店の親父の襟首を掴む。と、その腕が、そしてその青年の肌が金属に変わっていき、店の親父は化け物だと叫ぶ。その青年、コロッサスことピーター・ラスプーチンはその場から逃げだす。

 その町の郊外に、祖父、両親、息子の4人の家族がピクニックに来ていた。母親のロクサニーは息子のザッケリーに、なんでピクニックに行くのに釣り竿じゃなくておもちゃのライフル銃を持ってきちゃったのと言う。ザッケリーはヤクの売人を狩るのに必要なんだいと反論し、母親はそんなことを学校で言ってるの?と心配する。父親のブルースはロシア人どもが我が国の若者を堕落させるためヤクを送ってるんだと言い、物騒な話題を嫌ってロクサニーは話を止めて地面にシートを広げる。食べ物を用意する父母。ザッケリーは地面に「主のいないサムライ」であるローニンがいるよと言い、祖父と共にカマキリを観察する。だが子供はカマキリに飽き、宇宙船からの攻撃には負けるぞと言いながら踏みつぶしてしまった。母親は驚き、父親は息子をたしなめる。

 コロッサスは町から離れるように走っていた。祖国とあまりにも違うアメリカ、そしてそこに馴染めない自分に苦しむ。X-メンとして理想に燃え世界の平和を守った彼だが、ピーターとして一時の休暇を取ることもうまくできない。いつの間にか郊外に来ていた彼は、家族のピクニックを見て、幸せそうな様子と自分を対比し悩む。

 ザッケリーはプロペラ飛行機のおもちゃを飛ばし、追いかけて森の奥へと踏み入れた。だがそこで、ジャックという男が猿ぐつわをかまされ木に縛られ、ナイフを持った二人の男にリンチされているのを見てしまう。そこへ、もう一人の男がザッケリーを捕まえた。喋られるのを恐れた男たちは、ザッケリーの首にナイフを当てる…。

 コロッサス第1話。X-メンに参加しアメリカへ来た直後の「コロッサス・イヤーワン」というべき話で、まだ少年とも出会っておらず冒頭の部分だ。ロシアの純朴な文学青年であるピーターのカルチャーギャップや、事件に巻き込まれる少年を、リック・レオナルディの綺麗なアートが描き出している。

SUPERMAN ANNUAL #12

1986年

WRITER : CARY BATES

PENCILER : ALEX SAVIUK

 

 アリゾナ砂漠上空で二つの飛翔体が激突。片方はウォースーツを着た悪の天才レックス・ルーサー。もう片方はスーパーマンだ。両者互角で双方弾き飛ばされ落下。再び突進するスーパーマンだが、ルーサーはウォースーツの特殊防御装置を起動し周囲にフィールドを張る。フィールドに突っ込んだスーパーマンは2次元の存在に変換されペラペラの状態で封じこめられてしまった。ルーサーは満足し去るが、スーパーマンは2次元の壁をパンチで突き抜け(!)脱出に成功。

 テレビのニュース番組でスーパーマンレックス・ルーサーの戦いを報じるクラーク・ケント。彼はルーサーの装甲服の強力さに思いを巡らせていた。一方、宇宙では地球に近づく宇宙船があり、それが地球へ落下していくのをスペースシャトルの宇宙飛行士が観測。墜落地点の砂漠へ向かった調査員が宇宙船に触れると、船体から謎のエネルギー線が周囲に伝わり、調査員たちは消されてしまった。宇宙船の中から、謎の人型エネルギー体が飛び立っていく。

 クラーク・ケントは超音波による警報を聞き、職場を抜け出しスーパーマンとなって飛び立った。北極にある基地「孤独の要塞」が侵入者を探知したのだ。孤独の要塞の中で彼は、宇宙から来たエネルギー体を発見するが、それは要塞のスーパー・コンピューターに侵入していった。スーパーマンはエネルギー体がレックス・ルーサーの情報にアクセスしていた事を知る。

 ルーサーの部下の後をつけた謎のエネルギー体は、ルーサーの基地があるブラック・アイランドに飛来した。自分の秘密基地への襲来に驚くルーサー。彼の恋人ワンダはエネルギー体の表面が棘のように見えることからそれをエレクトロ・スパインと呼ぶ。ルーサーは島の外部防衛システムを起動しビームを浴びせるが、相手はすでに内部へ侵入していた。続いてロボット犬ドローン・ドッグスを向かわせるが、エレクトロ・スパインはロボット犬を粉砕。ルーサーは切り札であるソーラー熔解レーザーを発射したが、それすら敵には通じない。こちらへ向かってくるエレクトロ・スパインに対抗するためルーサーはウォースーツを装着しようとする。しかし敵はすでに侵入しており、ウォースーツを奪って周囲を破壊し、逃走してしまった!

 メトロポリスの自室にいるクラーク・ケントの前に、レックス・ルーサーの立体映像が現れた。驚くケントにルーサーは、スーパーマンへの連絡を頼み、消える。一方、衛星軌道上では、スペースシャトルの宇宙飛行士が、巨大な宇宙ステーションを建造している人物を発見。特徴的なウォースーツの姿から、それはレックス・ルーサーだと疑われた。

 翌朝、スーパーマンは呼び出し通りにロッキー山脈へ来ていた。湖の中からルーサーの乗る飛行椅子が出現。今度は何をたくらんでいるとスーパーマンは突進。ルーサーもやむなく飛行椅子からブラストを発射。しかしそれを避け湖の中から接近したスーパーマンは飛行椅子を掴んで上空へ運んでいく。ルーサーはあわてて説明を始めた。データ解析によると、はるかな過去、レクサー星は科学文明の極みにあったが、それを利用し人々が闘争へ向かうのを怖れた科学者ウクルーは、その星の科学/心理/政治的進行をモニターし危険と判断すれば星ごと絶滅させる見張りを製作、それがあの敵だという。レクサー人は滅ぼされ、今その脅威が地球に飛来してしまったのだ。地球絶滅の危機に共闘を申し出るルーサー。二人は握手を交わす。

 敵は宇宙ステーションにて宇宙線を集め地上へ照射して地球を絶滅させようとしていた。スーパーマンはルーサーの計画を聞き、先に宇宙へ向かう。敵は電磁ロープでスーパーマンを引き寄せるが、ロープを逆に利用しスーパーマンは敵を包囲。しかし敵は赤色光を放つ火球を作り投げつけてきた。黄色光をエネルギー源とするスーパーマンは弱体化し苦しむ。そこへ飛行椅子に乗ったルーサーが到着。スーパーマンに黄色光を照射して復活させた。敵の渾身の一撃は二人に避けられ、宇宙ステーションを消滅させる。と、そこでエレクトロ・スパインも消滅し、空のウォースーツだけが残った。ルーサーは敵に安全のための自爆プログラムがあると予想し、そのための回路を製作していたのだ。

 地球の危機は去った。だがルーサーは犯罪者でありスーパーマンは捕らえようとし、ルーサーもウォースーツを遠隔操作して反撃する。ルーサーを掴んだまま地球を一周してウォースーツの背後へ回ったスーパーマンだが、ウォースーツはルーサーの指示で撤退していた。ルーサーを刑務所へ運ぶスーパーマン、しかし二人の戦いはこれからも続くのだ。

 

 アメリカンコミックでは毎月発行されるタイトルの別冊増刊のような形で、年刊号(ANNUAL)が刊行される事があります。ANNUAL誌はダブルサイズという倍ぐらいのページ数がある形式で、そのぶん長く物語を展開できるため通常タイトルより多くの内容が盛り込め、また、1話完結の話が多くて落ちまで一気に読めるので取っ付きやすいなど、独特の面白さがあるのです。

 この1986年のSUPERMAN ANNUAL #12では、スーパーマンとその最大のライバルであるレックス・ルーサーの素晴らしい対決に始まり、新たな敵の登場で二人が共闘するというわくわく展開を見せてくれた。肉体的には普通の人間にすぎないルーサーが、スーパーマンに比類するライバルである格を見せてくれる。

THE AVENGERS #290

1988年 APR

RALPH MACCHIO : SCRIPT/CO-PLOT

JOHN BUSCEMA : BREAKDOWNS

 

 キュービックの力を得て勝ち誇るスーパーアダプトイドアベンジャーズもそこへ戻ってきたが、アダプトイドによりマリーナサブマリナーシーハルクが、そしてマシンマンもキューブに閉じこめられてしまう。さらにキャプテン・マーヴルもキューブに封印する。

 アダプトイドはキュービックに彼らの言葉で話しかけ、手から光線を放ってキュービックを消し去った。アンドロメダ星雲最大のブラックホールへテレポートしてやったと語ったアダプトイドは、キュービックから得た万能の力はそのままに、誕生当初ののっぺらぼうの形に戻った。これから何をする気だとネイモアに問われ、アダプトイドはアダプトイド軍団を作ると宣言、有機生命体の時代は終わり、自分はスプリーム・アダプトイドとなるのだと叫ぶ。

 キューブから出られないネイモアたちは、敵方にいたマシンマンからこれまでの事を聞く。フィクサーメンタロの力を吸収したアダプトイドはロボット軍団ヘビーメタルを組織しアベンジャーズ基地ハイドロベースを強襲、そしてコズミックキューブから出現した超存在キュービックの力をも吸収してしまったと語るマシンマン。自分はある女性を復活させるためにアダプトイドに従っていたが、彼を止めるために戦ったものの時すでに遅かったと言うマシンマンに、お前の事情には同情すると答えるサブマリナー。キャプテン・マーヴルは光に化身すればキューブを脱出できるかもしれないと希望を抱くが、アダプトイドにやられた精神ダメージによりそれも不可能だった。マシンマンは反重力装置によりキューブごと移動しようとするが、突然5人を入れたキューブが動き出し、基地の外へ運ばれる。

 外では巨大なスプリーム・アダプトイドの胸部からもの凄い数のアダプトイドが複製され増殖していた!

 クインジェットで島に帰還しようとしていたドクター・ドルイドブラックナイトだが、島から無数の何かが飛び立つのを目撃。ドクター・ドルイドは安全に着陸するためにメンタルパワーでクインジェットを不可視化しようとしたが、2体のアダプトイドがキャノピーのガラスを割って突入してきた。ブラックナイトに組みついたアダプトイドは相手の力を吸収し、剣を持って格闘する。ドクター・ドルイドに組みついたアダプトイドはローブをまといドルイドの力を持った。ドクター・ドルイドは、ブラックナイトの剣エボニーブレードには人間を切れない呪いがかかっているが、相手は人間ではない思い切り剣を振れと指示。ブラックナイトの剣は両方のアダプトイドを切り伏せた。だが二人もスプリーム・アダプトイドによりキューブ内に封印されてしまう。

 ブラックナイトはキューブを切ろうとエボニーブレードを突き立てる。確かにエボニーブレードはキューブを突き抜けたが、通過しただけで切り裂くことはできなかった。キャプテン・マーヴルは、これがコズミックキューブの力である限り何をやっても無駄だと説明する。

 その頃、アンドロメダ星雲最大のブラックホールでは、当然のようにキュービックが脱出していた。自分と同じ力を持つにもかかわらずブラックホールに入れて戻ってこれないと思っているのならば、アダプトイドはまだ幼いと考えるキュービック。彼は地球へ戻るが、アダプトイドを直接倒そうとは考えていなかった。だが自分に酔い世界をずたずたにするアダプトイドは止めねばならない。キュービックは、それを行うことができるほどの勇気を持った地球上の人物を知っていた。

 政府にユニフォームと星条旗シールドを返上しブラックコスチュームとなったキャプテン・アメリカは、バイクでロサンゼルスを通過しようとしていたが、彼の前にキュービックが出現した。我々は旧友だと言うキュービック。確かにキャプテン・アメリカは最初にコズミックキューブの事件に関わっており、またスクラル皇帝の邪悪な意志によりコズミックキューブが変異したシェイパー・オブ・ワールドの事件にも関わっていた。アベンジャーズのところへ行かねばと言うキャプテン・アメリカを転送するキュービック。

 ハイドロベースに出現したキャプテン・アメリカは、スプリーム・アダプトイドによって即座にキューブ内に閉じこめられた。だがキャプテン・アメリカの挑発に彼は、自分は今やスプリーム・アダプトイド、人型のコズミックキューブだと反論。だがそれすらA.I.M.の計画の延長線上でしかないと言うキャプテン・アメリカを黙らせるため、スプリーム・アダプトイドはキャップを地上に降ろし、増殖させたアダプトイドの一体を差し向けた。

 現れたアダプトイドに強烈なパンチを何発も打ち込むキャプテン・アメリカ。だがアダプトイドはキャプテン・アメリカの力と姿を吸収してキャップそっくりになり、反撃を開始した。自分と同じ力、同じ技で襲ってくる相手に、機械が男の戦う心を真似することはできないと言い、キャプテン・アメリカは戦い続ける。

 その戦いを見てドクター・ドルイドは一計を案じ、スプリーム・アダプトイドにあなたを助けることができると話しかける。俺を助けるだと、俺はすでに全能だと答えるアダプトイドに、あなたのしていることは単にプログラムされた結果なのか、それとも自分の意志なのかとドルイドは問いかける。さらに、地球を支配したあと50億ものアダプトイドに何をさせるつもりなのかと訊ねる。それは考えていなかったと言うアダプトイドに、最後には何もすることが無いのかと言い、あなたは人間の能力を取り込んで改変することができる、想像力をアップしてみろと挑発するドクター・ドルイド。アダプトイドはやってみるがうまくいかず、ドルイドが入ったキューブは弾きとばす。

 スプリーム・アダプトイドはキャプテン・アメリカは敗北したかと下を見るが、本物が勝利しているのを見てあり得ないと驚く。自分自身でキャップを倒すため、スプリーム・アダプトイドはキャプテン・アメリカの姿となり、能力の数値上、俺はお前を上回っている、だから勝つと言い攻撃する。だがキャプテン・アメリカは重要なのは精神だと言い、相手の猛攻にもひるまず戦う。お前には何もない、我々は死すらも受け入れる力がある、それは勇気だ、だがお前は違うと語るキャプテン・アメリカに、俺も死を受け入れられるぞと言って、アダプトイドは倒れた。

 彼らの前にキュービックが現れ、アベンジャーズはキューブから解放される。キュービックはアダプトイドが吸収した自分の要素を回収すると、道を誤ったこのロボットに「己に正直であれ」という言葉を残して去っていった。

 

 この当時よくあった、能力がインフレしていって能力値上は絶対勝てない超宇宙的存在となった敵に対してトンチのような問答で解決という完結編。超存在であるキュービックも、最後にことわざを言って去るというのが微妙。アベンジャーズマシンマンはキューブ内で喋っているだけで、活躍するのはキャプテン・アメリカのみ。

 この事件ではマシンマンヴィラン集団の一員としての登場だが、アベンジャーズとの初顔合わせとなった。後に一緒にネクストウェーブというチームを組むモニカ・ランボウとも初対面だが、特に会話はない。

THE AVENGERS #289

1988年 MAR

RALPH MACCHIO : SCRIPTER

JOHN BUSCEMA : BREAKDOWNS

 

 スーパーアダプトイドアベンジャーズ基地への攻撃命令を叫ぶ。スーパーロボット軍団「ヘビーメタル」は、ハイドロベースに突進していく。セントリー459号は異星人が作ったロボットで、クリー人により何世紀も前に地球に秘かに配置されていたうちの一体だ。セントリーはハイドロベースの外壁に手をかけ崩していく。マシンマンは軍の武装ロボット・プロジェクトの最後に残った一体で、彼の個人的な目的のためヘビーメタルに参加している。基地の周囲を飛ぶマシンマンテス・ワンはTotal Extermination of Super-Soldiers ONE「超人の完全な絶滅」第1号の略で、キャプテン・アメリカのような超人が第二次大戦後に国に反逆した場合に備えて計画されたロボットだ。テス・ワンの腕からビームが発射され建物が破壊されていく。リーダーのスーパーアダプトイドはA.I.M.に作られ、他者の能力を吸収する機能があり、フィクサーメンタロのパワーを得ている。アダプトイドは建物の中へ飛んでいく。

 警報が鳴り、敵ロボットの襲来を知ったアベンジャーズ。外へ駆け出すシーハルク。それに続くサブマリナーマリーナにここに残っていろと言うが、マリーナは夫と共に出撃しようと走る。その勇気に感激するネイモア。

 シーハルクは外壁を崩していたセントリーを怪力でぶん殴る。だが反撃のパンチをくらってしまい、ぶっとばされていった。セントリーは倒れたシーハルクの足を掴み、シーハルクで建物をぶん殴る。気絶してしまうシーハルク。

 基地内に侵入したアダプトイドは、中に回収されていたマッド・シンカーオウサム・アンドロイドを修理して再起動した。また敵に一機強力なロボットが加わったのだ。オウサム・アンドロイドは壁を破って出て行く。だがアダプトイドの真の目的は別にあった。彼はさらに探索を続ける。

 テス・ワンに猛烈な体当たりをかけるサブマリナー。だがこのロボットはアダマンチウムの外装を持ち、破壊されない。テス・ワンの手からのブラストをサブマリナーは飛び上がって避けた。その間にマリーナは岩を持ち上げテス・ワンに叩き込む。テス・ワンのビーム砲撃を機敏な身のこなしでかわすマリーナ。サブマリナーはテス・ワンの頭部をもぎ取れば止まるではと組みつくが振り払われる。そこへさらにオウサム・アンドロイドまでもが現れた。基地の建設のための作業員たちは逃げまどう。サブマリナーはマリーナにテス・ワンを海に誘導しろと言い、その間にオウサム・アンドロイドと戦おうとする。だがマリーナはビーム攻撃をくらってしまう。

 一方マシンマンは上空を旋回して様子を監視していた。ジョキャスタ復活のためにアダプトイドに従っていたマシンマンだが、この攻撃に疑問を持ちはじめる。この破壊活動では人命が失われかねず、ジョキャスタをあきらめることになろうとも反抗しようとマシンマンは決意する。

 この島の海洋学ウォルト・ニューエル博士は、周囲の破壊活動を止めるため、スティングレイのコスチュームを着て飛び立つ。手からの電撃でマシンマンを撃墜するスティングレイ。マシンマンは体の制御が効かず、首を伸ばした状態で墜落。着陸したスティングレイはマシンマンの伸びた首を捕まえ、マシンマンは自分は味方だと弁解するが、スティングレイの背後からマシンマンの伸びた右手が近づく。はたしてマシンマンは敵か味方か。

 その頃アダプトイドは、外の混乱に乗じて内部のコンピューターを操作し、コズミックキューブについての情報を引き出していた。ついにハイパースペース・トランスミッターにまで到達するアダプトイドだが、入力コードが判らない。そこへ、アダプトイドにとって都合の良いことに、キャプテン・マーヴルが出現した。彼女はドクター・ドルイドブラックナイトを発見し病院へ運び帰還したのだが、眼前にアダプトイドが居りデータを盗んでいるのだ。だがここで攻撃するとデータも破壊されてしまうかもしれない。まずは体を光に変えて、と考えているうちに、アダプトイドのメンタルフォースがキャプテン・マーヴルを襲った。眠らされ必要な記憶を読み取られてしまうマーヴル。アダプトイドはついに、使用者の願いをかなえるアイテム、コズミックキューブを手に入れようとしていた。

 立ち上がったシーハルクは再びセントリーと格闘戦を開始する。サブマリナーは丸太でテス・ワンの足を払って強烈なパンチを打ち込むが、頭をオウサム・アンドロイドに掴まれ背骨を逆にへし曲げられる。マリーナは夫のピンチを救うためブルドーザーでオウサム・アンドロイドに突撃するが、オウサム・アンドロイドはサブマリナーをぶん投げ、さらにブルドーザーごとマリーナもぶん投げた。だが運が良いことにマリーナは海へ墜落する。海底人であるマリーナには安全な領域だ。一安心したサブマリナーは地面に潜り、地下から飛びだしてオウサム・アンドロイドを持ち上げ、海に飛び込んだ。

 また、シーハルクとセントリーの戦いも海岸へ移っていた。椰子の木を引き抜きシーハルクにぶつけて海へ叩き込むセントリー。海へ沈められシーハルクは大ピンチだ。マリーナはセントリーの首に飛びつき海に沈める。そこへテス・ワンも近づいてきた。

 マシンマンはスティングと組んで基地内部へ突入。スティングはメインコンピューターのところへマシンマンを誘導するが、アダプトイドのマインドブラストを浴びて倒されてしまう。アダプトイドの背後からマシンマンの手が伸び、両者は組み合う。マシンマンはアダプトイドが自分の願いを聞く気がないと疑っていたが、スーパーアダプトイドはその通りだと言い、マシンマンの力も吸収しマシンマンに似た顔に変貌した。

 海中ではロボット軍団とヒーローたちの戦いが続いていた。海に入りパワーアップしたサブマリナーはオウサム・アンドロイドの首を引っこ抜いて倒した。テス・ワンは手からビームを発射しようとするが、海中でシーハルクとマリーナが足を押し、海の深場に落とした。勝利した彼らだが、基地の方から光が発せられたのを見て、そちらへ急ぐ。

 ついにアダプトイドの前にコズミックキューブが出現した。だが不意にキューブは消る。そしてアダプトイドの前に、キュービックと名乗るロボットのような超存在が出現し、我を召喚したのは誰だと訊ねる。俺だと答えたアダプトイドは、自分が究極の存在となるためにキュービックの力を吸収してそっくりに変身した! 目的を果たしたスーパーアダプトイドは、キュービックにもう用はないから去れと言い、この世界は俺のものだと笑うのだった。

 

 スーパーヒーローチーム対スーパーロボット軍団というとても燃える展開で、派手なバトルが続き盛り上がりに盛り上がる。前半なんて、どう考えてもこの戦力差はアベンジャーズ壊滅だろうと思うほどだ。

 我らがマシンマンはやっとアダプトイドに反抗してくれるが、まだヴィラン集団の裏切り者という立場だ。結局アダプトイドの野望は阻止できてないし。

 キュービックはこの号が初登場。コズミックキューブの化身か異次元の高エネルギー生命かという、正体不明の超存在だ。

THE AVENGERS #288

1988年 FEB

RALPH MACCHIO : SCRIPT

JOHN BUSCEMA : BREAKDOWNS

 

 前々号THE AVENGERS #286で、悪の発明家フィクサーが作ったヘルメットに操られた男が、オウサム・アンドロイド(マッド・シンカーが作ったロボット)を起動し、アベンジャーズと戦闘になる。

 前号#287にて、フィクサーの装備をつけた別の男が、ニック・フューリーやS.H.I.E.L.D.の敵のテレパシー能力者メンタロの姿をコピーする。実は彼は、犯罪科学集団A.I.M.に作られアベンジャーズ全員の能力をコピーしたアンドロイド、スーパーアダプトイドであることが発覚。この号のラストで、アダプトイドがクイーンズ郊外のガレージをのぞき込んでいて、マシンマンはこの男を腕を伸ばして捕らえる。だがアダプトイドはマシンマンに自分を手伝ってほしいと持ちかけ、自分はお前の求めるものを取り戻すことができる、お前の失われた愛を、と言い、マシンマンも興味を示す。

 

 スーパーアダプトイドマシンマンはテキサスの空を飛ぶ。どこまで行くんだと訊ねるマシンマンに、目的地はもうすぐだと答えるアダプトイド。

 その近くに、「外宇宙からの巨大ロボット見物場」と看板が立っている場所があった。観光客たちが立ち寄り、見物し写真を撮っていく。それは、クリー人の戦闘ロボット、セントリー459号であった(CAPTAIN MARVEL #49)。そこへ、上空からアダプトイドとマシンマンが降下してきた。逃げまどう観光客。マシンマンはセントリーを見て、これは異星人のテクノロジーで作られているぞと言うが、アダプトイドはこれまでコピーしたフィクサーの機械工学技術とメンタロのテレパシーを使い、容易に修理を進める。地元の老人がライフルを持ってきてアダプトイドを撃つが、相手がまったく動じないので唖然とする。アダプトイドは修理を終えた。巨大なセントリーが立ち上り、アダプトイドとマシンマンの後ろをついて歩き去っていく。この驚愕の事態に大慌てになる老人。

 ハイドロベース島へアベンジャーズマンションの大移送が行われ、上空でサブマリナーが指示を下していた。地上で見守るドクター・ドルイドは、彼は生まれながらのリーダーだなと評する。そこへ、飛行バイクでブラックナイトが飛来、ニュースがあると叫ぶ。キャプテン・アメリカが見つかったの?と問う女性キャプテン・マーヴルだが、ブラックナイトが持ってきたのは別のニュースだった。それは新聞の切り抜きで、セントリーの復活・逃走を報じていた。前のマッド・シンカーオウサム・アンドロイドの件と同じく、スーパーアダプトイドの仕業だ。アダプトイドはロボットを集めているらしい。キャプテン・マーヴルは体を光に変え、偵察へ向かう。

 アダプトイド、マシンマン、セントリーは、アリゾナのグランドキャニオンへ来ていた。セントリーは飛べないため、マシンマンは飛行機をハイジャックすればいいのにと提案。マシンマンは自分の望みであるジョキャスタを思い浮かべ、またロボットである自分が希望や愛を持つことができるのかと思い悩む。アダプトイドに人間のような心についての思索を語るマシンマンだが、アダプトイドには興味がないようだ。

 ハイドロベース島に作られた新アベンジャーズ基地の司令室で、ドクター・ドルイドとブラックナイトが事件を検討していた。そこへキャプテン・マーヴルが帰還する。光となってアダプトイドを探し回った彼女だが、発見できなかった。ドクター・ドルイドはスクリーンに現在破壊されているロボットの一覧を呼び出した。アダプトイドはこれらのロボットのところを目指しているかもしれない。最も可能性が高いのは、ウルトロンテス・ワンマシンマンセンチネルのところだと言うブラックナイト。彼らはサブマリナーやシーハルクを招集し会議を開く。

 ブリーフィングルームでキャプテン・マーヴルは、ドクター・ドルイドとブラックナイトはコロラド州のテス・ワンを、サブマリナーとシーハルクはワシントンD.C.のセンチネルを調査し、そしてウェストコースト・アベンジャーズへ連絡してウルトロンの調査をしてもらうと割り振りを指示。また、サブマリナーの妻マリーナには、あなたはアベンジャーズメンバーではないのでここで待機をと指示する。妻のことを勝手に決められそうになったサブマリナーは意見しようとするが、マリーナはネイモアを止め、自らそこに残ることにした。一同は出発していく。基地に残ったキャプテン・マーヴルは、行方知れずのキャプテン・アメリカのことを考え、自分は彼のように指揮できているかどうか不安に思うのだった。

 クインジェットで空軍基地へ着陸したドクター・ドルイドとブラックナイト。兵士たちに銃を向けられるが、ドクター・ドルイドはメンタルパワーを使い兵士たちを従わせる。合衆国政府の対超人プロジェクトから作られたロボット、テス・ワンがトレーラーで運ばれて来て、クインジェットに積み込まれた。二人は離陸する。

 だが突如クインジェットはコントロール不能となり落ちていく。ブラックナイトはなんとか山を避けジェットを着陸させた。だが何か3つの反応があった。突如クインジェットのキャノピーが引き剥がされた。セントリーだ。ブラックナイトはセントリーに掴まれたが、魔剣エボニーブレードでロボットの手首を切り脱出。

 一方ドクター・ドルイドは空中でアダプトイドに追われていた。幻術を使いサブマリナーとソーを突っ込ませるが、相手は幻覚だと見抜いており、二人のヒーローの像はアダプトイドをすり抜けていく。何とかキャプテン・マーヴルに連絡せねばとあせるドルイド

 セントリーの指を切って脱出したブラックナイトの側に、マシンマンが登場した。お前までアダプトイドは手に入れていたかとブラックナイトは相手の首に斬りかかるが、マシンマンは頭だけ切り離して避ける。さらに左手を飛ばして攻撃。マシンマンの頭や手に襲われ、さらにセントリーに叩かれ、ブラックナイトは気絶する。またドクター・ドルイドはアダプトイドに絞め落とされようとしていた。メンタロのテレパシー能力を得たアダプトイドは、ドルイドの精神攻撃にも耐性を持っていたのだ。ドクター・ドルイドは最後の力でキャプテン・マーヴルへ念波を送る。

 キャプテン・マーヴルはフロリダ北部でドゥームズディマンというロボットにレーザーブラストを浴びせ溶かして始末していた。キャプテン・マーヴルは光と化して飛び去るが、その数マイクロ秒後にドクター・ドルイドのメッセージが飛来した。アベンジャーズ基地へ戻ったキャプテン・マーヴルはドクター・ドルイドの声を聞いた気がしたが、神経質になりすぎていると否定してしまう。

 アダプトイドはドルイドを絞め落とし、ブラックナイトが倒れている側に放り出し、この二人を捨ててこいとマシンマンに命じる。マシンマンは二人を掴んで飛んでいった。二人の運命は?

 ハイドロベースにはサブマリナーとシーハルクが戻り、センチネルは監視体制が整っていたと報告。他の二人はと訊ねるシーハルクに、まだ戻っていないと答えるキャプテン・マーヴル

 その頃、ブラックナイトたちが乗ってきたクインジェットには、アダプトイド、マシンマン、そして機体の背にテス・ワン、セントリーが乗り、ハイドロベースに接近していた。途中で着陸し、アダプトイドは自分のつくったロボット軍団「ヘビーメタル」に侵攻を指示した!

 

 マシンマンに加え、クリーの戦闘ロボット「セントリー」、キャプテン・アメリカと戦った対超人ロボット「テス・ワン」を集めロボット軍団をつくるアダプトイド。ややマイナーなロボットばかりを集めるのが渋いなあ。マシンマンがアダプトイドに何も疑問を持たずに従っているのが困ったもんだが、これもジョキャスタを想うあまりという事なのか。

 アベンジャーズはこの時期主要メンバーが代わっており、女性キャプテン・マーヴルのモニカ・ランボウがリーダーを務めている。サブマリナーことネイモアはアベンジャーズに参加しており、またこの時期はマリーナと結婚していた。スティーブ・ロジャースはこの時期、軍の命令から離れて自由な行動を取るために、キャプテン・アメリカの資格と装備を返上しており、アベンジャーズにいなかった。