1966年 JULY
(1話目)
Script: Edmond Hamilton
Pencils: Curt Swan
西暦2966年の未来で活躍するスーパーマンの子孫は、超頭脳ミュータント「ムート」を相手に戦っていた。立体映像通信ウルトラニュースでムートは本日メトロポリスに超兵器を使用すると勧告し自分を支配者と認めよと脅迫する。クラー・ケン・T5477は上着を脱ぎスーパーマンの姿となって飛び立つ。
スーパーマンはムートを発見するが、敵は精神波で河辺の崖を蒸発させて津波を引き起こした。スーパーマン2966はクリプトナイトの影響を受けないが、海水が弱点なのだ。だが彼は津波に飲まれようとしている子供たちを発見し救出へ向かう。しかし、その子供たちはアンドロイドだった。ムートの罠だったのだ。スーパーマンは海水に没し、動けなくなってしまう。スーパーマンを始末したムートは、惑星連邦が戦争を禁止した時に兵器を封印した保管庫から武器を奪うため動き出す。
動けないスーパーマンだがスーパービジョンの透視能力で子供アンドロイドの回路を調べ、プログラムを変更することに成功。子供たちはスーパーマンを陸に引き上げた。スーパーマンは子供たちをウルサットという惑星に連れていく。ここは住民がペストで全滅しアンドロイドだけが生活している星だ。ここなら再び悪用されることもないだろう。そこで、地球のアトランティスからテレパシーで連絡が入った。ムートの海底基地が発見されたという。
地球へ戻ったスーパーマンはX線ビジョンでムート基地を透視しようとするが、外壁に鉛が使われていて透視できない。海に入れないスーパーマンだがこんな時のために用意しておいた巨大なリールと釣り針を運び、基地を釣り上げようとする。だが、基地の外装にはスクリューがついており、高速回転して巨大な水竜巻を作り出した。スーパーマンを捕えるための罠だったのだ。

しかしそれもスーパーマンの計算のうち。彼は腰に、水が当たると起動するジェット装置をつけていたのだ。水竜巻から脱出し、スーパーマンはアトランティス人たちに釣り針をムート基地にひっかけてくれと頼む。釣り針につながった鎖をリールが巻き上げ、基地を海上に釣り上げることに成功する。基地の外壁にパンチで穴を開けると、中にいたムートの部下が、2番目の罠まではうまく突破したが3番目の罠に落ちるぞと嘲る。
ムートの部下を刑務所に入れたあと、スーパーマンはウルトラニュースのレポーター クラー・ケン・T5477の姿に戻り、ムートの記録を調べる。ある宇宙船がワープし別次元に入った時にムートは誕生し超能力を得ていたが、そこに弱点もあると推察するクラー。そこへ、クラーの同僚の女性レポーター ライラ3916が来て、ウルトラニュースにムートが出ていると告げる。見に行くと、ムートがメトロポリスに宣戦布告していた。
見終わったあと、クラーは同僚たちにスーパーマンを探そうと言って外へとび出し、スーパーマンの姿になった飛び立った。すぐにX線ビジョンで雲の中にいるムートを発見。敵は奪った大きな武器を持って飛んでいる。雲の中に突入するが、ムートは精神波で雲を海水に変えてしまった。体が動かないスーパーマンは落下していくが、腰のジェットが再び起動し脱出することができた。しかしその間にムートは武器をメトロポリスに発射、ビームが照射された。飛び去るムート。スーパーマンはそれが、拡大光線だと気づく。メトロポリス市民の体が拡大されていき、乗り物や部屋を突き破って大きくなっていく。このままでは破滅だ!
しかしスーパーマンは超高速で拡大光線をキャンセルする光線砲を博物館から取ってきて、街に照射した。元の大きさに戻る市民たち。街は救われた。スーパーマンは望遠ビジョンでムートの宇宙船を発見し超高速で追跡する。ムートは宇宙で最も強力なヘリウム爆弾を発射したが、スーパーマンには通じない。
爆弾には海水が積められていてスーパーマンをまたも水で覆うが、スーパーマンは腰のジェットで脱出。ムートは宇宙船から外に飛び出し逃走する。スーパーマンは宇宙船を宇宙まで放り投げ、ムートが南極にいるのを発見。巨大な氷の中に誘い込み、ジェットで脱出できないほどの大量の海水に変えるつもりなのだ。
スーパーマンは岩を握力で錬成して引き延ばし長い金属の棒に変え、空気を吸い込んで雷雲を引き寄せた。罠を見破られたムートはスーパーマンが立っている足元の氷を海水に変えようと近づいてきたが、雷が金属棒に落ち、その電気がムートを彼が生まれた別次元に送ってしまうのだった。
本コミックは前半/後半で別の話が掲載されている。前半のライターは『キャプテン・フューチャー』『スターウルフ』で有名なエドモンド・ハミルトン。コミックライターとしてのハミルトンは、基本設定を少しずらしてバリエーションを作るのが上手い印象があるのだが、本作も未来のスーパーマンと時間をずらしての話になっている。アートは長年スーパーマンのアーティストを担当し有名になるカート・スワン。
未来のスーパーマンであるクラー・ケン・T5477は、SUPERMAN #181 (NOV '65)でレオ・ドーフマンが作ったキャラクターだ。クリプトナイトではなく海水が弱点なのだが、ちゃんと対策して装備を用意しており、巨大リールと釣り針を持ち出すのが面白い。
超頭脳ミュータントのムートは、エドモンド・ハミルトンが前号ACTION COMICS #338から登場させたヴィランだが、スーパーマンの腰のジェット噴射で何度も脱出され、冒頭「レックス・ルーサーより手強い」と煽り文句がついているのに反して間抜けな悪役なのが笑える。
書かれた当時から千年後の未来を舞台にしているが、現代と違うのは立体映像テレビとアンドロイドぐらいなのが微笑ましい。
(2話目)
Script: Jim Shooter
Pencils: Jim Mooney
ある日スーパーマンが従妹のスーパーガールことリンダ・リー・ダンバースを訪ね、自分を含めジャスティス・リーグ・オブ・アメリカが任務で地球を離れるので地球で何かあったら頼むと託される。リンダはスタンホープ大学の授業で実験をしていたが、女の勘で何か起こるのを察する。その通り、地球に再びコンピューター人間ブレイニアックが迫りつつあった。スーパーマンへの逆襲に燃える彼は、ロボットを使って特殊な装備を宇宙船内に組み立てさせる。
大学にいるリンダはラジオでメトロポリスに空飛ぶ円盤襲来のニュースを聞き、ぐあいが悪いと言って授業を抜け出しスーパーガールとなって飛び立ち、メトロポリスへ到着する。ブレイニアックはスピーカーミサイルを発射してスーパーマンを誘き出そうと放送する。メトロポリス市民はスーパーマンとジャスティス・リーグが任務で宇宙へ行っていることからもうお終いだと不安に思う。スーパーガールはブレイニアック円盤へ突撃するが、フォースシールドに激突して落下してしまう。スーパーマンが出てこないことをいぶかしむブレイニアック。
スーパーガールは再び飛び立ち、円盤を掴んでぐるぐる回して降参させようとするが、コンピューター人間であるブレイニアックはめまいをおこさないのだ。円盤から放たれた電撃で撃たれるスーパーガール。効果はないが、街を撃たれる訳にはいかないため、スーパーガールは全ての攻撃を受け止めなければならないのだ。なぜスーパーマンは出て来ずスーパーガールを差し向けているのか、奴はチキンになったのかと怒るブレイニアック。
ブレイニアックは電撃を止め、信号弾を発射。空に「スーパーマン、メトロポリスを破壊するぞ。ブレイニアックより」と文字が浮かぶ。続いてミサイルが発射された。スーパーガールはミサイルを受け止め投げ返すが通じない。ヒートビジョンを撃ち込むが反射され無効化されてしまった。
ブレイニアックはタイムトラベル光線で太陽が赤色巨星となる遠い未来へスーパーガールを送ろうとする。きわどいところで避けたスーパーガールは水中へ逃れた。予想通り、光線は水中までは届かない。水中から円盤に近づき、息と吹いて雷雲を円盤に向けて飛ばすスーパーガール。
雷を受けてブレイニアックの円盤が揺さぶられる。スーパーマンの前にスーパーガールを始末すべきだと標的を変えたブレイニアックは、まずフォースシールドの出力を上げて雷雲を吹き飛ばし、強力光線で相手を一瞬気絶させ、切り札のクリプトナイト・ケージを撃ち出した。
ケージに捕えられたスーパーガール。ケージはグリーン・クリプトナイト製で、スーパーガールは弱っていく。ブレイニアックはオミクロン光線を撃ち込み、さらにクリプトナイトガスを吹き出させてスーパーガールを苦しめる。絶対絶命!
だがそこで、円盤内に警報が響いた。はるか彼方の宇宙にいるスーパーマンを探知したのだ。まだかなりの距離があるが、今すぐフルパワーでフォースシールドを使いスーパーガールを始末しなければ、スーパーマンはここに来てしまうだろう。レバーを引き、スーパーガールを捕らえたケージにエネルギーを集中する。スーパーガールを消滅させ、スーパーマンに備えエネルギーを補充させるため小惑星に戻ろうとするブレイニアック。
しかしその時、円盤の外壁を突き破ってスーパーガールが突入してきた! 驚くブレイニアックに、クリプトナイト・ケージはスーパーマン用に設計されていたため檻の間隔が広く、小柄なスーパーガールは檻の間をすり抜けて脱出し、フォースシールドのエネルギーを使い果たした円盤に突撃できたと説明する。スーパーガールに追い詰められたブレイニアックだが、タイムトラベルガンを自分に撃ち込み時間を超えて逃走に成功する。
円盤を太陽に投げ込み、クリプトナイト・ケージが再び使われないよう始末するスーパーガール。スーパーマンが戻ってきて、ブレイニアックに打ち勝った従妹を褒め称える。お祝いをしなくちゃと言うスーパーマンに彼女は、リンダ・リー・ダンバースには大学で教科書が待ってるからと答えて辞退するのだった。
スーパーマンの宿敵ブレイニアックにスーパーガールが単身立ち向かう回。スピーカー付きミサイルやアルファベットを空中に出す信号弾など、ブレイニアックの自己顕示欲が凄い。スーパーガールが絶対絶命のピンチにおちいるスリルと、「檻がスーパーマンサイズだったので抜け出られた」という間抜けさ、タイムトラベルガンを逃走に使う機転と、見どころたっぷりである。