アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

11月27日(日)のアメコミONLYイベントTEAM-UP 16にサークル参加します

アメコミ向上委員会は、11月27日(日)に開催されるアメコミONLYイベント TEAM-UP 16にサークル参加します。

ジャック・カービーファンタスティック・フォー紹介本の3冊目を出す予定だったのですが、アメコマー菅野は11月12日に新型コロナを発症し、そのため原稿完成・編集・入稿が間に合わず、無念ですが新刊発行を断念しました。

アメコマー菅野は回復しておりますが当日は昼過ぎまで仕事になってしまいましたので、14時過ぎに入場すると思います。それまでの売り子をサークル「恐竜と電波塔」のラジアクさんにお願いしております。

当日頒布予定のペーパー、同人誌を告知します。

 

フリーペーパー『1978年のスタン・リー&ジャック・カービー THE SILVER SURFER』

【本イベント限定】

:新刊が発行できませんでしたので、1978年にスタン・リーとジャック・カービーが出した計100ページのコミック『THE SILVER SURFER』の紹介無料ペーパーを頒布します! カービーのサーファーが最高なのはみんな知ってるさ!

 

あの伝説の、グレート・ダークネス・サーガの話をしよう

【3月のオンラインイベントHEROES UNIVERSE ONLINE 4での新刊】

:ポール・レーヴィッツとキース・ギフェンによる、DCの少年少女未来スーパーヒーローチーム「リージョン・オブ・スーパーヒーローズ」の伝説のストーリー『グレート・ダークネス・サーガ』の紹介本です!

 

出でよ、ザ・デーモン エトリガン!!

ジャック・カービーが'72年からDCで創作した、悪魔が主人公のコミックTHE DEMONの紹介本です!

 

ティーブ・ガーバーの隠れた名作A. BIZARRO

:1999年のA. BIZARROミニシリーズの紹介本です! ヴィランではない新ビザロのヘンテコ大冒険! スティーブ・ガーバー先生の魅力をお伝えしたく!

 

OPD通信SPECIAL 1 〜サベッジ・ドラゴン #1-75全訳〜

SEVENS YEARS OF A FIERCE FIGHT

【委託】

:サークル「びこうず・さあくる」のDDさんによる、SAVAGE DRAGONの#75までの翻訳というたいへんな労作です。アメコマー菅野は巻末に寄稿しています。

 

たとえ赤狩り人とよばれても

【委託】

:サークル「恐竜と電波塔」のラジアクさんからの委託です。'50年代に一時期復活したキャプテン・アメリカについての愛あふれる紹介同人誌です!

ラジアクさんも新たにペーパーを作られるとの事です。

 

当日はよろしくお願いします!

2022年夏のコミックマーケット参加を断念します

アメコミ向上委員会は2022年夏のコミックマーケットにスペース当選しておりましたが、新型コロナの感染状況を鑑み、今回は参加を断念することにしました。本当に残念で断腸の思いです。楽しみにしてくださっていた方、申し訳ありません。

大阪旅行日記

 2022年7月10-11日、大阪に行ってまいりました。

 大阪は西心斎橋になる海外漫画カフェバーCROSSOVER様より、ジャック・カービートークイベントをやらないかと依頼が来まして。私のようなプロでも何でもないただのカービー好きのおっさんにそんな舞台をいただけるとはと驚きつつお受けしまして。元々は映画『エターナルズ』に合わせた企画でしたので、'70年代後半のカービーのマーベル連載コミックを紹介するジャック・カービー最後のマーベルユニバースと題して準備しました。

 出発前数日かけて荷造り。大判コミックを入れるために鞄を新調し、ショートボックスにアメコミ原書と同人誌を詰め込みまくり。予定していたものの8割しか入りませんでしたが。

 10日(日)朝。困ったことに雨が降り出したのであわててショートボックスを袋で包んだり。新幹線で友人のイドバンバラくんと合流。駅弁で朝食、「深川めし」からハゼがなくなっていて残念。シンカンセンスゴイカタイアイスを食べながら、隣のイドバンバラくんに次々とカービーのコミックを渡して読ませたり。移動中からすでに楽しい!

 新大阪駅到着→地下鉄でなんば駅へ移動。スパイダーマンが出迎え。ピコレッテという蛇腹カメラで撮ってみる。

 タブレット持ってるイドバンバラくんのナビで街を移動。開店前にアメコミ屋の位置を確認しつつ、GON BURGERにてダブルバーガーセットで昼食。がっしりとした肉で美味い。

 アメコミ屋ComicsZoneでアメコミを漁る。特にDCのコミックが充実していて買い物が楽しい! キース・ギフェン期のジャスティス・リーグが結構ありましたのでお近くの方は是非。イドバンバラくんも原書持ってるゴッサム・セントラルの日本語版などを買ってました。会計に行ったら、店主さんに顔を知られていて話しかけられびっくり! 新刊同人誌を献本して退出。移動してCROSSOVER様の位置を確認し、蛇腹カメラ「ベッサII」で写真を撮る(写真の左側奥のエレベーターで5階まで行き6階までは階段です)。

 ひとまずホテルにチェックインし、シャワーしたりマシンマンTシャツに着替えたり不用な荷物を出したりしたあと、店へ。店の前で店主の徳永ラウェイさんと会い、店内へ。前の店舗より広くなり、店のそこら中に貴重なコミックがわんさと置いてあって驚愕する。この日喋る予定のコミックはこちらも持参していたのだが、ここにかなり置いてあるので8割ぐらいは必要なかった! ここは凄い店だ!!

 最初のお客さんが来店したが、それが何と元カプコンシェーキー秋友さん(アメコミ翻訳家の秋友克也さん)であるのに驚愕。'90年代のアメコミシーンを牽引した方がまさか聞きに来てくださるとは! 秋友さんがカプコン社内でアメコミ布教用に製作した自主翻訳誌の現物を拝見したり。岐阜からアメコミ友達のHumanflyさんが来てくれて、挨拶。席が埋まるぐらいお客さんが来てくれて感謝。イベント開始。

 プロジェクターで壁に大写しになったジャック・カービーの絵は大迫力で、そのままずっと見ていたいほど。3時間も自分の好きなコミックを好きなように話せるという幸せ!! 店の許可を得て合間で同人誌頒布をさせていただいたが、思っていた以上に買っていただいて嬉しく。やや早口で喋ってしまった事もあって、最後に時間が少し余ってしまったが、皆様の協力があってなんとか終了。べらぼうに楽しい! 参加してくださった方々がどなたも真剣に聞いてくださって、挨拶に来てくださったり話をしてくださったりと好奇心旺盛で、みなさま素晴らしいファンでした。参加していただいた皆様、本当にありがとう御座いました。

 イベント後、大学の同期で同人サークル『アメコミ向上委員会』の名付け親のMくんが来ているのを発見。わざわざありがとう! 片付けをしつつ、色々な方と話をしたり、イドバンバラくんが差し入れしてくれたたこ焼き食べたり、ロックマンのグラフィックを担当された方からロックマンゼロが切った敵の断面にカービーディティーを入れたという凄い話を聞いたり、もう完全に楽しいしか無いイベントでした!

 閉店後、ホテルに戻り、コンビニで買ったロックアイスをぐい呑みに入れて、鹿児島のアメコミファン時雨さんからいただいた限定品の芋焼酎黒伊佐錦新酒無濾過」を注いで打ち上げをする。

 11日(月)。5時起床。散歩に出て、写真撮ったりキン肉マンの最新話を読んだり。風呂に入り、朝食たべる。テレビで『科学忍者隊ガッチャマン』第86話「ギャラクターの買占め作戦」をやっていたので見る。ギャラクターが人工甘味料を買占めていてそれを追うのだがみみずくの竜が敵に捕らえられてしまい当然助けようとなるかと思いきやリーダーの大鷲の健が「このまま泳がせて追跡すれば敵本部を知る千載一遇の機会」と非情な決定。みみずくの竜は途中で自力脱出して結局助かるのだが、作戦意図を知って自分の命がかかっていたにもかかわらず失敗させてしまったのを健に謝る。タツノコプロ作品によく見られる「大人レベルの考え方が提示され肯定される」展開を堪能。

 CROSSOVER前でHumanflyさんと合流し、3人で海遊館へ。大水槽でジンベイザメの餌やりが見られたり、ナマコが2種類見られたりテヅルモヅルが見られたりと大満足。友人の南部の帝王さんから情報をもらった自由軒のカレーで昼食。

 Humanflyさんと別れ、万博記念公園へ。太陽の塔を見ながら『キン肉マンII世』のマッスル・スパーク地の修行の話をしたり。大阪万博の展示や解説を見たり。新大阪駅に移動し、土産を買って帰宅。素晴らしい旅行でした!

大阪の海外コミック カフェバー CROSSOVER様にてトークイベントをさせていただきます!

大阪 西心斎橋にある海外コミック カフェバー CROSSOVER様にて、7月10日(日)の16時より、「ジャック・カービー最後のマーベルユニバース」と題したトークイベントをさせていただきます!

'70年代後半のCAPTAIN AMERICAETERNALS2001: A SPACE ODYSSEYBLACK PANTHERMACHINE MANDEVIL DINOSAURがどれだけ面白いか!、全力で話をさせていただきます!

よろしくお願いします!

3月26日(土)HEROES UNIVERSE ONLINE 4にサークル参加します!

アメコミ向上委員会は、3月26日(土)に開催される、アメコミ系オンリー同人誌オンラインイベント HEROES UNIVERSE ONLINE 4にサークル参加します!

オンラインにある会場でアバターを使って動きまわり同人誌が買えるというイベントです。参加申し込みについてはイベントのホームページを参照ください。

私は当日は仕事ですので、夜から自分のスペースにいると思います。ご来店お待ちしております。

当日頒布予定の同人誌を告知します。

 

あの伝説の、グレート・ダークネス・サーガの話をしよう

【新刊】

:DCの少年少女未来スーパーヒーローチーム「リージョン・オブ・スーパーヒーローズ」の伝説のストーリー『グレート・ダークネス・サーガ』の紹介本です!

 

ジョン・バーンのDC/MARVELクロスオーバー ダークサイドVSギャラクタス:ザ・ハンガー バットマンキャプテン・アメリカ

【12月のコミックマーケット99での新刊】

ジョン・バーン先生によるDC/MARVELクロスオーバー「DARKSEID VS. GALACTUS: THE HUNGER」「Batman/Captain America」の紹介本です! バーンらしいマニアックな世界が堪能できる楽しい作品です!

イベント延期告知

あけましておめでとう御座います。

2021の冬コミでアメコミ向上委員会の本を入手していただいた皆様、ありがとう御座います。

 

2022年1月23日に予定されていた、大阪のアメコミカフェバーCROSSOVER様でのアメコミトークイベント『ジャック・カービー最後のマーベル・ユニバース』ですが、新型コロナ感染増加を鑑み、お店と相談の上、延期させていただく事となりました。

再度予定が立ちましたら告知させていただきますのでよろしくお願いします。

イベント告知

【イベントその1】

 アメコマー菅野のアメコミ同人誌サークル「アメコミ向上委員会」は、2021年12月30日(木)に開催されます「コミックマーケット99」にサークルスペースをいただきました。スペースは「東地区 フ-27b」です。御参加の皆様におかれましては感染症対策にお気を付けいただきイベントを楽しんでいただければと存じます。残念ながらアメコマー菅野は仕事のため不参加ですが、友人に売り子を頼んでおりますのでよろしくお願いします。

 頒布予定の同人誌は以下の通りです。

 

ジョン・バーンのDC/MARVELクロスオーバー ダークサイドVSギャラクタス:ザ・ハンガー バットマン/キャプテン・アメリカ

【新刊】

ジョン・バーン先生によるDC/MARVELクロスオーバー「DARKSEID VS. GALACTUS: THE HUNGER」「Batman/Captain America」の紹介本です! バーンらしいマニアックな世界が堪能できる楽しい作品です!

 

出でよ、ザ・デーモン エトリガン!

コミケでは初売り 2020年のHEROES UNIVERSE ONLINE βでの新刊】

ジャック・カービー先生が創作したTHE DEMON #1-16(ファーストシリーズ全話)の紹介本です! 悪魔エトリガンが様々な怪事件に挑む!

 

ティーブ・ガーバーの隠れた名作A. BIZARRO

【既刊】

:1999年のA. BIZARROミニシリーズの紹介本です! 新たなビザロは普通人がベースのへんてこクローン! スティーブ・ガーバー先生の魅力をお伝えしたく!

 

【イベントその2】

 大阪の西心斎橋にある海外漫画カフェバー『CROSSOVER』様にて、2022年1月23日(日)の16時からトークイベントをさせていただくことになりました。

 「ジャック・カービー最後のマーベル・ユニバース」と題して、'70年代後半にジャック・カービーがマーベルでかいたCAPTAIN AMERICAETERNALS2001: A SPACE ODYSSEYBLACK PANTHERMACHINE MANDEVIL DINOSAURについて話させていただきます。よろしくお願いします!

EARTH X #X

2000年 JUN

JIM KRUEGER : story and script

ALEX ROSS : story, cover and character design

JOHN PAUL LEON : pencils

 

 X-51アーロン・スタックの父、アベル・スタックは息子に、我々はどのような死を選ぶかが重要だと言っていた。それがアイデンティティになるのだと。トニー・スタークはまさにそのように死んでいた。旧友の亡骸を抱えるキャプテン・アメリカ

 地球では多数のセレスシャルズを相手にギャラクタスが対峙していた。X-51は、セレスシャルズが惑星に自分たちの種を植え付けてきた事、それを守るためにその惑星の生物を改造し惑星を守らせることで種を保護させていた事、ウォッチャーはセレスシャルズに協力し種の成長を見守っていた事を語っていく。だが、セレスシャルズの宇宙規模の計画を阻止しようとする存在が一人だけいた。ギャラクタスだ。だがギャラクタスはリード・リチャーズが星に変え消滅したはずだ。ならば、ここにいるギャラクタスは誰なのか。

 月面では、マンウルフに変身してしまったジョン・ジェイムソンがリード・リチャーズたちに襲いかかろうとしていた。リードは必死にジェイムソンに呼びかけようとするが、X-51は話が通じていないぞと言う。ウアトゥも、お前にできる事は何もないぞリチャーズ、お前たちはマンウルフ同様獣にすぎないのだと言う。

 地上でギャラクタスは巨大な装置を持ち出していた。X-51はそれを見ながら、ギャラクタスはなぜ呼びかけに答えたのかと考える。セレスシャルズがギャラクタスに先制攻撃を行うが、巨大なバリアがそれを阻んでいる。

 海中からサブマリナーことネイモアが飛び立った。彼は太古の時代にセレスシャルズがアトランティスを海に沈めた事を知っていたのだ。アトランティス軍を率い、怒りを込めてセレスシャルズと戦うネイモア。だが海底軍の力もセレスシャルズにはまったく通じない。次々と落とされていく海獣たち。X-51はそれを見ながら、ネイモアは自分が負けると判っている、だがどのように最後の時間を使うかを選んだのだ、父さんは正しかったと考える。

 マンウルフはリードに噛みつき、リードは着けていたドクター・ドゥームガントレットで助かる。X-51はモノリスを展開しジョンを地球へ送った。地上の太陽が出ている側なら月光は当たらずジョンは元に戻るはずだ。ジョンの妻クリスはX-51に、地球が破滅するって言ってたじゃないと抗議。リードは彼女に、我々は成すべきことをしているのだと答える。

 ギャラクタスの使いであるシルバーサーファーシャラ・バルがセレスシャルズと戦っていた。だがシャラ・バルは粉砕され、サーファーは打ち落とされてしまう。ギャラクタスはシャラ・バルの破片を手で受けとめる。ギャラクタスには慈悲深い面があるとリードはX-51に語る。ギャラクタスの持つ装置は完成し、彼はそれをセレスシャルズの一体に向けた。

 強烈な閃光が放たれ、太陽かと思うほど巨大な光球となり、セレスシャルズの一体が真っ二つに吹き飛ぶ。はじめて巨神セレスシャルズが破壊された瞬間だ。X-51は、リードがギャラクタスを星に変えたとしたら、いまいるあれは誰なんだと訊ねる。リードは、彼が以前の事を憶えているか判らない、もし憶えていないならば、彼が勝っても負けても地球は破滅すると言う。リードは、セレスシャルズに植えられた変異種子はいったん発芽したあとも変異を続けて、最終的には変身能力を獲得するようになる、それはセレスシャルズに反抗しないための最終安全装置なのだと説明する。ギャラクタスは装置を使いセレスシャルズを破壊していく。セレスシャルズはギャラクタスに反撃を打ち込む。

 ギャラクタスの体が揺らぎ、装置は吹き飛び、ギャラクタスの巨体は海に倒れた。リードとX-51は、ソーたちアスガルド神族が、異星でセレスシャルズの種子を開花させ変身能力が発現し、地球の民衆の思う通りに変身してしまうことでセレスシャルズへの反撃を封じられていた種族なのだと気付く。そのアスガルド神族が飛来し、セレスシャルズに攻撃を開始した。神々は、ロキの行動から自分たちの正体を悟り、セレスシャルズに逆襲に来たのだ。だが神々の力もセレスシャルズには通じない。沢山の神々が落とされ海に没していく。一方、ネイモアがシルバーサーファーを海面まで運びあげていた。なぜ助けてくれたというサーファーに、妻を失い、正気を失うのがどんなものか余も知っているからだと答える。海面から再びシルバーサーファーが飛び立っていく。家族への思いを胸に戦い続ける彼らを見て、リードはラトヴェリアへ行くとアーロンに言う。メデューサが彼女の息子を見つける手助けをしなければ、と。

 インヒューマンズのところへ現れたリードは、ブラックボルトメデューサの息子がブリテンのところにいると言い、共に英国へ出向く。メデューサは自在に操ることのできる髪をブリテン王に巻きつけ、息子は何処と迫る。ブリテン王が育てていたブラックナイトがインヒューマンズの王子だった。抱きしめ、息子が被っている兜を取るメデューサ

 アスガルド神族の攻撃の間にギャラクタスは再び立ち上がり、目から強力なビームを放ち、ビームは数体のセレスシャルズを貫通。その圧倒的な力を見て、セレスシャルズは宇宙へ去っていく。ギャラクタスも消耗したが、回復すれば地球を滅ぼしに戻ってくるとウアトゥは言う。

 自由の女神像の松明に立って、リードはギャラクタスに呼びかけ、もう一度顔を見せてくれと言う。鉄仮面を外したギャラクタスの素顔は、リードの息子フランクリン・リチャーズだった。驚くウアトゥ。ファンタスティック・フォーの息子として生まれ、最強の超能力を備えていたフランクリンは、アスガルド神族がそうだったように変身能力を獲得し、自分をギャラクタスと思いギャラクタスと化していたのだ。もしもギャラクタスが自分をフランクリンだと思い出せば、ギャラクタスは存在しなくなり、地球内部のセレスシャルズの種が発芽してしまう。リードはギャラクタスに、あなたは慈悲深くなったと聞いていると言い、助命を願う。ギャラクタスは、宇宙にフランクリンと呼ぶ声が聞こえたと疑問を持ち、リードはそうしてあなたの注意を引こうとしたのだと言い訳する。ギャラクタスはリードの願いを聞き、地球内部へエネルギーを撃ち込んだ。大地から光が天に向けて発射され、セレスシャルズの種子を引き出したギャラクタスは宇宙へと去っていく。彼が去ったあと、さらばだ息子よとつぶやくリード。

 月面ではX-51がウアトゥと対峙していた。私はおまえがなぜここにいるのか、なぜ観察をしているのか知っていると言うX-51。彼は地面に引かれているケーブルをたどって進んでいく。ウォッチャーはセレスシャルズの配下として、多くの世界を非干渉のまま監視してきた。その星の住人たちが滅ぶのを知っていながら。監視している人々が死ねば、ウォッチャーは自由を得るのだ。だがウォッチャーは良いことをする事もできたはずなのだ。おまえは悪など無いと言ったがウアトゥ、それは存在するぞ、おまえが悪なんだ。おまえは私たちを助け、素晴らしい事や名誉ある事を行うこともできたのに、自分の事しか考えなかったと言い、X-51はケーブルの先にあるウアトゥの弱り果てた本体に到達する。X-51はウアトゥに言う。「必要に直面しながら何もしないこと、それが悪だ。」

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 X-51はウアトゥに接続されたケーブルを引き抜く。ウアトゥはX-51に呼びかけるが、彼はその場を立ち去った。

 X-51は地球へ行き、リードに顛末を語った。彼は私の顔を奪ったと言うX-51に、きみの心の中までは奪えないよとリードは答える。リードは世界中に巨大トーチを建造し、大気中のテリジェンの霧を燃やし尽くす計画を進めていた。各国のヒーローたちがそれに協力していた。だがそれに反対する者もいた。自然の精霊の使いを自認するブラックパンサーだ。だが計画は順調に進んでいた。

 警官になっているルーク・ケイジは、ピーター・パーカーが犯罪との戦いに復帰した事を歓迎していた。警官になるのは断ったピーターは、メイに犯罪と戦う時のポイントを教えてやらないとねと答える。また、ミスターSという指導者となったスコット・サマーズは、新X-MENの訓練を続けていた。彼らの前からバイクで走り去るデアデビル

 リードのところへ、ロバの顔になった人物が息子を助けてくれた事に感謝を伝えに現れていた。彼は変異したJ・ジョナ・ジャイムソンだ。その息子ジョンは太陽エネルギーを発しマンウルフへの変身を止めるスーツをリードからもらっていた。巨大トーチの建設のため力をふるうザ・シングもいる。

 リードはそこで、天から光輝く男が舞い降りるのを見た。かつて死亡したヒーロー、キャプテン・マーヴルだ。マーヴルは夢のようにリードとだけ会話する。ロキに真実を伝え行動させるには、ソーを一時的に冥界へ送り地球から引き離す必要があったのだと彼は言う。そして、これから多くの事が起き、私は帰ってくる、だが彼らは歓迎しないだろうと語る。理解できないリードに、自分の復活を隠す方法が必要だと伝えたあと、彼は煙のように消えていた。リードは死後の世界にいるマーヴルに自分の妻スーについて訊ねる。彼女はきみを恋しく思っているよという声が聞こえた。

 X-51は月へ戻るという。誰かが点火を見ていた方がいいと言うX-51に、リードはウォッチャーと呼んだ方がいいかねと訊ねる。相手は、ウォッチャーは受動的すぎて悪い意味を持っていると答え、地球のために能動的に行動する者としてウォッチマンという名を提案するのだった。

 インヒューマンズがやってきた。サナギの状態になっていたルナが、ついに羽化する。蝶のような羽根を持って現れるルナ。彼女は結婚する相手、ブラックナイトに話しかけるが、ブラックボルトの息子である王子は返事を返さない。わからないわと当惑するルナに、同じ境遇であったメデューサは彼女の気持ちがよくわかり、抱きしめる。

 巨大トーチが完成し、キャプテン・アメリカが皆を前に演説していた。我々にはもちろん変化は必要だが、お互いが必要だという事を忘れてしまっていたと語るキャップ。何が必要なものなのかを見つけていこうと言い、彼は松明を点火する。巨大トーチが燃え上がる。

 キャプテン・アメリカの言葉は続く。我々は人間である事を思い出さなければならない。このトーチによりテリジェンの霧が消えれば、我々は元に戻る。天は我々に人間たれと言っている。もし他の星から襲来する者があれば、この我々の人間の炎(ヒューマン・トーチ)を見せてやろうと、彼は高らかに宣言するのだった。

 

 EARTH X最終話は、#13ではなく#X。全14回の壮大なマキシシリーズがひとまず終結した訳だが、続編としてUNIVERSE X、PARADISE Xが発表され、三部作として完結する。

 全人類が超人能力を持ち、逆にスーパーヒーローだった者がヒーロー性を失っている世界を組み立て、そこから立ち上がるという展開はよく練られており感動的で、とても楽しめる。一方で、この話はマーヴルの長い歴史を素材として構築されたオリジナルな展開をしており、アスガルド神族やセレスシャルズの設定など本来のマーヴルユニバースからは大きく変えられた部分もあるため、切り離して楽しむ必要がある。

 この#Xではセレスシャルズとの最終決戦が描かれ、様々な者が攻め手として登場し、これまで張られてきた伏線も収束していき、実に盛り上がる。

 冒頭から登場してきたX-51アーロン・スタックが、自分を束縛していたウォッチャーと対決するクライマックスは素晴らしい。最後にウォッチマンを名乗り、自分から活動を開始し、あとの二部でも活躍していく。

 このコミックが収録された合本は、

https://www.amazon.co.jp/dp/B00AAJQZ5A/

で購入できるので、是非!

EARTH X #12

2000年 APR

JIM KRUEGER : story and script

ALEX ROSS : story, cover and character design

JOHN PAUL LEON : pencils, ink assist

 

 ウアトゥリードに、ブラックボルトの敗北で全ては終わったと言うが、リードはブラックボルトの最後の叫びは助けを呼ぶためだったと明かす。そしてそれもトニー次第だと言う。ウォッチャーによりアイアンマンの来歴が語られる。リードは、アイアンマンが誕生する時、インセン教授という老人が時間稼ぎをしてくれた、そして今はトニー自身が老人だと言う。

 そして地球に、何体もの巨神セレスシャルズが降臨した。その異質で強大な姿を見上げるヒーローたち。ここでセレスシャルズに滅ぼされては、スカルとの戦いに勝った事など全てが無意味になる。

 トニー・スタークは巨大ロボの操縦席でリードに語りかける。リードが何らかの方法であの人物にコンタクトを取ったのだとしたら、それが到着するまでの時間セレスシャルズを食い止めねばならない。巨神と戦うスタークロボだが、セレスシャルズに比べるとあまりに小さい。スタークロボの手から、アイアンマンアーマーが弾丸のように発射され、セレスシャルズに撃ち込まれる。だがその攻撃も、巨大なバリアーに遮断されてしまう。

 アスガルドの宮殿では、ロキオーディンの前に謁見していた。これは全てうそっぱちなんだぞとロキは叫ぶ。彼はX-51から知らされた真実を明かす。自分たちは神ではない、人間の信仰に合わせて作られた人形でしかないんだと語るロキ。北欧の人々がソーを善で俺を悪だと信仰したから俺たちはそうなったのだと。だがオーディンやソーたちは彼の言葉を信じない。ロキはナイフを取り出し、自分の腹を刺す。

 月面ではX-51やジョン・ジェイムソンがリードのところへ戻ってきた。ウアトゥはジョンに指示し、ジョンはアルティメット・ニュリフィアーを取り出す。驚くリード。

 地球ではトニー・スタークの奮闘が続いていた。すでにスタークロボの右腕は吹き飛ばされ、トニーは特攻をかける。セレスシャルズの一体にもかすり傷一つ付けられないまま炎に包まれ落下していくスタークロボ。セレスシャルズの審判の指が下を向く。別れの言葉を交わすトニーとリード。大爆発が起こり、ロボが残骸と化し、コックピットから這い出たトニーの胸には金属片が刺さっており、倒れる。だが空を見たトニーは、自分が成功した事を知る。シルバーサーファーシャラ・バルが飛翔していた。という事は…。

 月面では、全てを消滅させる装置アルティメット・ニュリフィアーを持ったジョンがリードたちを脅していた。そこへ光が差し込み、ジョンはうめきながら装置を落とす。手を伸ばしてアルティメット・ニュリフィアーを掴むX-51。光を浴びたジョンは再びマンウルフに変身していた。そして、地球にはリードが呼んだ相手、ギャラクタスが降臨していた。

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 トニー・スタークの悲壮な最後の戦いが本当に凄い、感涙もの。アルティメット・ニュリフィアーの危機も防がれ、次回のエンディングに続いて行く。

 インセンYINSEN教授のスペルがこの号ではVINSENとなっている。単なる誤植と思われる。

 このコミックが収録された合本は、   

https://www.amazon.co.jp/dp/B00AAJQZ5A/

で購入できるので、是非!

EARTH X #11

2000年 MAR

JIM KRUEGER : story and script

ALEX ROSS : story, cover and character design

JOHN PAUL LEON : pencils, ink assist

 

 リード・リチャーズウアトゥに対峙し、セレスシャルズの変異種子が無かったとしたら我々がどんな姿になっていたか見ることのできる人間が地球にただ一人居ると言い、アリシア・マスターズの話を始める。アリシアは、醜い小男であるヴィランパペットマスターの養女として育ち、また、醜い岩石男ザ・シングの妻となった。それは、アリシアの能力が、突然変異をしなかった場合の相手の姿を見ることだったからかもしれないとリードは推察する。

 アリシアは、シルバーサーファーことノリン・ラッドにも同じように清い心をもって接した。ノリン・ラッドの体内にもセレスシャルズが植えた変異種子があったのだろう。そのシルバーサーファーが仕えていたギャラクタスは、ノリンの母星ゼン・ラと地球の両方に襲来している。それらの星は、星の中にセレスシャルズの種を宿している。ギャラクタスは、セレスシャルズの種を破壊するのが目的だったのだ。星を喰らう魔神と恐れられていたギャラクタスは、宇宙にセレスシャルズが増えるのを防いでいたのだ。衝撃の事実をウアトゥに伝えたリードは、しかし、自分がかつて宇宙を救おうとしてギャラクタスを星に変えてしまったと明かす。私は知らずしてセレスシャルズのための道を拓いてしまったと後悔するリード。

 ニューヨークでは、キャプテン・アメリカの軍勢をも倒したスカルが、この星は俺の星だ、惑星スカルだと演説していた。ビジョンはそれをモニターで見るが、トニー・スタークは動かない。また、自堕落な生活をしていたウルヴァリンの元から、一緒に暮らしていたジーが去る。その時彼女は、自分がジーンではなくマデリーンだった事を明かす。

 路地裏で倒れていたキャプテン・アメリカは、ピーター・パーカーに助けられていた。中年男となっているピーターだが、店で売られていたコスチュームを着て再びスパイダーマンのマスクを被り、娘を救うため動き出す。キャップはスパイダーマンと共にザ・シングを訪ね、スカルを混乱させる事が勝利の鍵だと説明。アリシアの作った粘土細工のヒーロー像なら、魂がないためスカルには操れないと言い、作戦を話す。

 一方、月面には巨神セレスシャルズが何体も着陸していた。ブラックボルトは単身セレスシャルズに立ち向かうが、弾きとばされる。力の差は歴然だ。X-51は戦いの余波を受けたジョンの妻と子を救う。リードはウアトゥに、ブラックボルトの目的を語る。ブラックボルトはセレスシャルズと戦いに来たのではない、助けを呼ぶために来たのだ。セレスシャルズの強力すぎる攻撃で吹き飛ばされたブラックボルトは、その能力で、ある者を呼ぶ声を発し、強大な声は宇宙へ飛んでいく。

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 地球ではヒーローたちのリベンジが始まっていた。アリシアの能力が作りだしたヒーローたちの動く粘土人形が攻め込み、それが操れないのに焦るスカル。スパイダーマンが身を躍らせて戦う。また、先ほどは温存されていたX-MENデアデビルも参戦。ザ・シングも奮戦していたが、スカルに操られてしまう。

 スカルの背後から、キャプテン・アメリカの粘土人形が近づき、組み付いた。いや、それは粘土人形ではない、本物だ! キャップはスカルの首に手をかける。戦いの終わりが来たのだ。

 モニターでそれを見ていたトニー・スタークは旧友を祝福する。そこへ、リード・リチャーズから通信が入った。セレスシャルズについて伝えるリード。トニーはビジョンにアイアン・アベンジャーズの設計図を託し、退出させる。

 リード・リチャーズは、自分にとってトニー・スタークが憧れのヒーローだったと最後の言葉をかける。トニーの巨大な工場が変形しはじめ、地下に隠されていた巨大ロボットが立ち上がる。セレスシャルズに対抗するため、いま、巨大スタークロボが飛び立っていく。「時間稼ぎは、この億万長者に任せておけ」

 

 EARTH Xのヒーローたちは皆、大なり小なり以前の栄光から堕し、みすぼらしい姿をさらしているが、ついにピーター・パーカーとトニー・スタークが立ち上がる姿が見られる回。特にスターク発進シーンは、いままで彼がほとんど動かなかったのが緊急事態の備えのためだったと判り、この号のクライマックスに位置づけられていて本当に格好いい。

 マデリーン・プライヤーはジーン・グレイのクローン。一時期はサイクロプスことスコット・サマーズと結婚し、ケーブルが産まれた。

 月面に並ぶセレスシャルズの異様で無敵な姿も圧巻で、ジョン・ポール・レオンの絵が冴える。

 このコミックが収録された合本は、  

https://www.amazon.co.jp/dp/B00AAJQZ5A/

で購入できるので、是非!

EARTH X #10

2000年 JAN

JIM KRUEGER : story and script

ALEX ROSS : story, cover, character design and art assist

JOHN PAUL LEON : pencils, ink assist

 

 ジョン・ジェイムソンウアトゥと会話し、X-51を止める方法はないかと訊ねる。ウアトゥは、かつてギャラクタス襲来の際に持ち出されたアルティメット・ニュリフィアーについて話し、それでX-51を脅せばいいと答える。だがウアトゥは何か隠しているようだ。

 X-51の来歴が語られる。ウアトゥは、X-51はロボットであり感情のように見えるのは電気信号に過ぎず人間ではないことを強調する。そして、X-51はこれから突然変異した人類の目的を消し去ろうとしているのだと語る。

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 ザ・シングことベン・グリムは、地球の危機を知り、妻アリシアと子共たちをインヒューマンズのところへ避難させることにする。

 キャプテン・アメリカワカンダ国を訪れ、かつて自分がブラックパンサーに預けたコズミックキューブスカルとの戦いで使うため返してくれと言うが、パンサーは、あの時きみはたとえきみ自身が来て頼んでもコズミックキューブを渡してはならないと言ったはずだと答え、拒絶する。

 X-51がモノリスのゲートを開き、リードとベンはベンの家族を連れてインヒューマンズのいるラトヴェリアドゥーム城へと現れる。リードはメデューサから、テリジェンの霧を撒いたのはブラックボルトだったことを聞く。リードはブラックボルトに対面し、地球の人々とインヒューマンの世界のために、重要な何事かを頼む。女王メデューサは夫の側に寄り、リードの頼みを聞いてあげてと言い、夫の素顔を見て彼の真意を知る。

 X-51は、スカルに対抗するには精神が分離しているため操ることができないハルクの力が必要だと言い、ハルク発見のためにロキに協力させようと提案。リードにはロキが協力するとは思えなかったが、X-51は、ロキがそのような行動を取ろうとする理由を教えれば協力するようになると考えていた。

 スカルの陣営に変化が起こっていた。スカルが操っていたヴィランウィザードが、突然勝手に行動し始めたのだ。アイアンメイデンは、ウィザードの気が狂ったためだ、狂った者はコントロールできないと言う。スカルはウィザードを射殺させ、これ以上誰も狂うなよと命じる。スパイダーズマンはアイアンメイデンに、美人の姿でいる幻覚を見せてやり、それを機にアイアンメイデンはスカルに反逆する。アイアンメイデンを殴り、スカルは取り乱す。俺がいない方がいいと思ってるのか?、お前たちが動けるのは俺のおかげなんだぞと言ってスカルはアイアンメイデンに倒れるよう命じた。俺は神だと言うスカル。そこへ、キャプテン・アメリカが世界中から集めた加勢と共に登場した。「それなら、私はニーチェだ」

 キャプテン・アメリカたちの攻撃が始まるが、スカルは誰も動かさず、反撃させない。何故と問うアイアンメイデンに、俺は必要ないんだろと拗ねたような事を言うスカルは、このまま相手に殺されたくなければ俺に謝れと迫る。このままでは反撃せずにやられてしまうとアイアンメイデンは謝罪し、スカルは反撃を命じた。相棒だったレッドウイングに組み付かれるキャップ。

 そこでモノリスのゲートが開き、ハルクが加勢に入った。また、スカルは自分が操っている者たちの能力を把握している訳ではなかった。コロッサスネイモアをたやすく倒すことができたが、ネイモアは自分に必要な水分をスカルが与えていないのだと話す。

 ハルクがスカルに襲いかかり、ハルクを操れないことにスカルは驚く。だがまだスカルは敗れたわけではない。ベノムとなったメイ・パーカーにキスさせるスカル。娘の姿を見て、ピーター・パーカーは動き出す。コロッサスはネイモアを海へ返した。スカル軍のアイアンメイデンはブルースを捕らえ、スカルに差し出す。ブルース少年はハルクの精神であり、彼を操ればハルクも操れるのだ。突進したキャプテン・アメリカはスパイダーズマンの幻覚の糸を浴び、バッキーの幻影に苦しむが、再びスカルに飛びかかる。

 月面でウアトゥは、この世界の終末は予見されていたとジョンに言う。だがそこへX-51がリード・リチャーズを連れて戻ってきた。リードはウアトゥを失明させた人物を知っていると言う。ウアトゥは、それはクリー人だと推察していた。クリー人はウォッチャーがセレスシャルズと同盟しているのを知っていたからなと言うウアトゥにだが、リードはそれを否定する。ウォッチャーに知られず近づく事が出来るのは、ここに住んだことのある者だけだというリードの言葉に、ブラックボルトの事かと答えるウアトゥ。ブラックボルトはウォッチャーとセレスシャルズを阻止するために行動したのだ。そして今、月面に飛来したブラックボルトは、再び地球圏に来訪したセレスシャルズに向かって飛んでいく。

 

 これまで各号の冒頭でマーヴルの主要ヒーローについて来歴が語られてきたが、本号はマシンマンの歴史の紹介である。このマキシシリーズでは重要な役割を振られているとはいえ、飛び抜けて有名なわけではないキャラクターだけに、他のヒーローと肩を並べているようで嬉しい。

 コズミックキューブは、持ち手の願いを叶える力を持つ宝具で、1966年のTALES OF SUSPENSE #79のキャプテン・アメリカの話の中で初登場した超エネルギー物質。

 インヒューマンズの王ブラックボルトの能力は衝撃波を発する声だが、あまりにも強力すぎるために彼は一言も言葉を発せない。その能力が使われるのは、最後の手段である。

 アイアンメイデンやスパイダーズマンはEARTH Xオリジナルのキャラクターだが、スカル軍で存在感を見せている。

 キャプテン・アメリカの登場は実に印象的で、彼の復活を見て胸躍る。

 このコミックが収録された合本は、 

https://www.amazon.co.jp/dp/B00AAJQZ5A/

で購入できるので、是非!

EARTH X #9

1999年 DEC

JIM KRUEGER : story and script

ALEX ROSS : story, cover and character design

JOHN PAUL LEON : pencils, inking assist

 

 裏切られたウォッチャーX-51に呼びかけるが、X-51はもうサタンの盲導犬にはならないぞと言い、返事をしない。ジョン・ジェイムソンに私はアーロン・スタックだと自己紹介し、父は偉大な人間であり、私にもそうなるようにと願っていたと言う。あなたは人間ではなくロボットだろうというジョンの言葉を聞いて、X-51はなぜウアトゥが自分の顔を奪ったのか悟る。呼びかけるウアトゥに、今は私がウォッチャーだと答えたX-51は、ジョンにセレスシャルズの計画について話し始める。

 セレスシャルズは人類の遺伝子にミュータントの種子を植え付けた。一方インヒューマンズクリー帝国の作ったテリジェンの霧により能力が発現されたという違いがある。インヒューマンズの歴史が語られる。クリー帝国にインヒューマンにされた人々は、クリーに反逆し、人類との交渉を断ってアッティラという都に隠れ住んだ。インヒューマンズの王ブラックボルトの弟マキシマスは狂気により反逆。インヒューマンズ王家の一員クリスタルは、ミュータントのクイックシルバーと結婚、ルナという女の子が産まれた。また、ブラックボルトと女王メデューサの息子も産まれたが、王子はその能力を恐れたインヒューマンズの評議会により幽閉される。その後、インヒューマンズの王家は宇宙へと旅立ち、地球には王子が残された。X-51は、テリジェンの霧による全人類のインヒューマンズ化はむしろ人類の命を救っていた事に気付く。

 X-51はセレスシャルズの秘密をリード・リチャーズに伝えるため地球へ行くと言い、ウォッチャーの知識を利用してモノリスのゲートを開く。そのとき、ジョンは自分が月の光を受けマンウルフに変身しないのに気付く。彼が観測した巨大な物体、セレスシャルズが接近し、太陽を隠してしまっていたのだ。

 地球では、英国を訪れたキャプテン・アメリカが、ブリテン王となったキャプテン・ブリテンに会い、スカルとの戦いでの助力を頼んでいた。だがブリテン王は祖国の守りを理由に協力を渋る。彼の背後には、かつて英国で活躍したミュータントチーム、エクスカリバーが石と化していた。グレイガーゴイルの能力で石化された時、キャプテン・ブリテンガーゴイルを切り殺してしまい、石化が解けなくなってしまったのだ。そのあと聖剣エクスカリバーを手に入れたブリテンだが、この剣で皆を切れば呪いが解けるのか、ただ殺してしまうだけなのか、自信はなく、試せないでいた。また、ブリテン王は彼が後継者として育てた騎士ブラックナイトも出陣させないと言う。だがキャプテン・アメリカは粘り強く説得する。

 一方アメリカでは、執務室に踏み込まれたノーマン・オズボーン大統領が、スカル配下の幻覚師スパイダーズマンのクモ糸を浴びせられ、自分が殺したグエン・ステーシーを見て驚く。人間の仮面が外されるとノーマンの顔はかつて仮面だったグリーンゴブリンそのものになっており、動揺したノーマンは窓を破って落下する。

 リード・リチャーズの前にモノリスが出現し、X-51が姿を現した。X-51は自分が新しいウォッチャーだとリードに言う。そして目を望遠鏡のように伸ばし、リードに覗かせる。異様な画像を見て驚くリード。X-51は、人類とは抗体なのだと説明する。

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 ザ・シングことベン・グリムはテレビを見ていたが、スカルが映され、大統領が死に自分が取って替わると宣言する。トニー・スタークの前にビジョンが現れ、アイアン・アベンジャーズがスクラップと化したことを報告する。

 ラトヴェリアでは、ルナの顔にできた吹き出物が全身へと広がっていた。怖がるルナに、メデューサはインヒューマンになる変化が起きているのだと言う。ブラックボルトと部屋で二人きりになったメデューサは、テリジェンの霧を解放したのがマキシマスではなくブラックボルトだったと推察した。だが物言わぬ王は返事をしない。

 X-51はリードに、セレスシャルズの計画とは人類を超人化して、体内にある抗体が病原菌から体を守るのと同じ、惑星の中に植えられたセレスシャルズの種を守る事だったと明かす。衝撃を受けるリード。人類はセレスシャルズの増殖に利用されるために創られたのだ。そして、そのセレスシャルズが地球へと迫っていた。

 

 物語の謎が明かされる第9話。父の言葉通りに、人間として自分の意志で行動するX-51がとても格好いい。

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EARTH X #8

1999年 NOV

JIM KRUEGER : story and script

ALEX ROSS : story, cover, character design and ink assist

JOHN PAUL LEON : pencils and ink assist

 

 ウォッチャーX-51が人格回路を削除した事に満足し、セレスシャルズがこの宇宙で何をしているのかという情報のダウンロードを許可する。

 そして、スパイダーマンの来歴について語り始める。公開実験を見に行ったピーター・パーカー少年は放射能グモに噛まれ超能力が発現したが、自分の不注意から叔父を殺された後の彼の人生は、責任感に束縛されるようになった。彼は恋人グエン・ステーシーグリーンゴブリンことノーマン・オズボーンに殺される。そのノーマンは今やアメリカ合衆国大統領となっている。ピーターはメリージェーン・ワトソンと結婚する。ウォッチャーは、責任感や罪悪感というものは、セレスシャルズの計画のための安全装置となっていると指摘するが、安全装置とは何のためかと質問したX-51に好奇心が残っているのに気付く。X-51は実は人格回路を削除してはいなかった。

 X-51はウォッチャーをあざむいていたのだ。あなたは善悪など無いと言った、ならば何が悪いというんだとウォッチャーに反論するX-51。そこへジョン・ジェイムソンが入ってきた。地球に警告が必要なんだというジョンの言葉に振り向くX-51。

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 キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースは、スカルに対抗するため旧友トニー・スタークを訪ねていた。トニーは体をアーマーで覆って変異物質の影響を遮断しており、今や地球で唯一の普通の人間であった。アイアン・アベンジャーズを操作する司令室で機械に囲まれているトニーはスティーブに、細菌に汚染されてしまう、出ていけと怒鳴る。人間を操る力を振るうスカルがニューヨークに侵攻している事を伝え、手を貸してくれと頼むスティーブ。アイアン・アベンジャーズが動いているはずだと答えるトニーだが、彼のロボットたちの応答がない。

 アイアン・アベンジャーズはすでにスカルの軍団に倒されてしまっていた。胸に赤いパニッシャーマークのような髑髏の服を着た少年スカルの指示で、彼の軍団は寄生生物ヒドラも倒していく。警官となったルーク・ケイジが対抗しようとするが、部下の警官たちも操られ、同士討ちで射殺されてしまった。

 ピーター・パーカーの娘メイは寄生生物を着てベノムとなりスカルと戦おうとしていたが、弱気な中年となったピーターは娘を止めようとする。

 リード・リチャーズセレブロを使い人類を走査した結果、全人類は自分のビブラニウムのためミュータント化したわけではなく、インヒューマンズになっているという事実を知る。

 その頃、ラトヴェリアにいるインヒューマンズたちは、ルナの顔に吹き出物ができているのを知る。ルナはインヒューマンズ化しているとカーナックは語る。この変化は、ブラックボルトの弟マキシマスが地球の大気にテリジェンの霧を散布した結果なのか?

 ロキと結んだクレアは、ソーブルースを死の世界へ封じた。だが冥界にいるドクター・ストレンジが二人を送り返す。ソーのハンマーの一撃がクレアの防御魔法を砕く。クレアはロキに助けを求めるが、偽りの神ロキは姿を消していた。自暴自棄になったクレアの魔法で館は吹き飛ぶ。それをながめるロキ。

 キャプテン・アメリカはロシアへ出向き、皇帝となったコロッサスに謁見し、助力を乞う。そこへニック・フューリーそっくりの身代わりロボットが襲来。コロッサスはそれを撃破し、キャップに手を貸すと答える。

 父親ピーターを振りきったベノムことメイ・パーカーは、スカルの部下アイアンメイデンと交戦し撃破するが、スカルはメイをも操ってしまう。その様子を見ていたピーターは、無力感からその場を立ち去る。スカルは部下を引き連れ、ノーマン・オズボーン大統領の前に現れた。

 

 いよいよX-51の活躍が始まるEARTH X第8話。言われるままに人間性を捨てたと見せかけて、ウォッチャーが隠していたセレスシャルズの秘密を手に入れる展開はグッと来る。

 X-51と接触したジョン・ジェイムソンは、ピーター・パーカーが働いていたデイリー・ビューグル新聞社のJ・ジョナ・ジェイムソンの息子の宇宙飛行士で、月の光で狼に変身するマンウルフだ。

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ACTION COMICS #329

1965年 OCT

 (1話目)

SCRIPT: EDMOND HAMILTON

PENCILS: AL PLASTINO

 

 メトロポリスの街に突如、剣を持った甲冑騎士が現れた! 驚く街の人々。甲冑騎士は走ってきたトラックを片手で止めて持ち上げる怪力を見せ、銀行を襲う。鋼鉄の壁や金庫をスパスパ切り開き押し入っていく甲冑騎士。

 騒ぎを超聴力で聞き、スーパーマンが駆けつけた。X線ビジョンで正体を視ようとするが、甲冑は鉛でシールドされていて視ることができない。甲冑騎士は剣を振り下ろし、それがスーパーマンのコスチュームをかすめ、切り裂いた。だの古い剣に見えるものが自分を殺傷できる威力を持つことに驚くスーパーマン。さらに、甲冑騎士のパンチがスーパーマンにヒットし吹っ飛ばし、壁にめり込ませた。この騎士はスーパーマンより強いぞ!と驚く人々。甲冑騎士は現金の入った鞄を持ち去る。スーパーマンは壁が崩れて建物が倒壊しないよう支えていて、甲冑騎士を取り逃がしてしまった。思わぬ強敵にショックを受けるスーパーマン。甲冑騎士を追った人々は、騎士がその剣で高速道路の高架の柱や河川の橋などを容易く切り裂くのを見て仰天する。

 ラジオでそれを聞いたスーパーマンは飛び立ち甲冑騎士を探す。自分のスーパーパワーをも上回るこの相手はどうしてそんな力を持っているのだろう? スーパーマンは荒野の線路で甲冑騎士が列車の後端をそのパワーで引き、止めているのを発見した。X線ビジョンで見ると、列車の最後尾には金塊が積まれている。列車の先端を引いて対抗するスーパーマンだが、彼の怪力をもってしてもぴくりとも動かない! 最後尾の車両の接続部が壊れ、甲冑騎士は列車の壁を剣でチーズにようにくり抜く。スーパーマンはそこへ近づき、剣を避け、後ろから組み付いた。この位置ならば剣が届かない。相手の兜を取って正体を明かそうとするスーパーマンだが、逆に頭を掴まれ怪力でぶん投げられてしまった!

 スーパーマンはなんと、郊外からメトロポリスの街中まで飛ばされてしまった。空からスーパーマンが落ちてくるのに驚き、甲冑騎士に負けたことに失望する街の人々。スーパーマンは人々に激突する前になんとか空中でブレーキをかけて止まるが、人々はスーパーマンを批判するのだった。スーパーマンは街の周囲を超視力で観察したが甲冑騎士は見つからない、また、郊外の丘の一部は鉛の鉱石があるようで透視できなかった。スーパーマンを心配して友人のジミー・オルセンが声をかけるが、スーパーマンは一人にしてくれと言い、北極にある基地孤独の要塞へ向かう。そして、甲冑騎士を止めるため強い決意を胸に、スーパーマンは再びメトロポリスへ戻るのだった。

 右手に剣、そして左手にはクリプトン星の旗を模した色とりどりの盾を持つという、普段はみられない完全武装のスーパーマンは、波止場で甲冑騎士と対峙する。この対決にかけるスーパーマンのただならぬ様子に驚く街の人々。甲冑騎士はスーパーマンの挑戦を返り討ちにし細切れにしてやろうと、初めて言葉を発した。甲冑騎士の最初の一撃でスーパーマンの剣は折られてしまう! あっという間に武器を失ったスーパーマンは、甲冑騎士に組み付き共に海へ落下! ロイス・レーンジミー・オルセンはスーパーマンが浮上してくるのを待っていたが、上がってきたのは甲冑騎士の方だった! 驚くメトロポリス市民。

 スーパーマンを倒した甲冑騎士は颯爽と引きあげ、鉛の鉱石がある丘まで歩いてきた。そこには洞窟があり、奥には秘密研究所があった! 中にいたジョン・スマッテンという科学者は、テレビニュースでスーパーマンの遺体が発見されていないと聞き、自分の計画は成功した、このロボットはスーパーマンを殺した!と喜ぶ。 スマッテンは自分がいかにスーパーマンを憎み、そして殺したか、テープレコーダーに吹き込み始める。

 スーパーマンがまだ少年でスーパーボーイとして活躍していた頃、ジョン・スマッテンは少年院にいた。スーパーボーイは施設の壁に仕掛けられた爆弾をX線ビジョンで発見し、犯人がスマッテンであることを見破ってしまった。その後、大人になったスマッテンは小さいカニ型ロボットを使って宝石を盗む犯罪を行うが、それもスーパーマンに暴かれてしまう。投獄されたスマッテンは逆恨みからスーパーマンへの復讐を誓う。クリプトン人に勝つには、クリプトン星が爆発した時に宇宙へ爆散した弱点物質クリプトナイトが必要だ。

 刑務所から出たあと、スマッテンはスーパーマン対策のため鉛鉱石があり透視できない場所に秘密研究所を作り、特殊なレーダーでクリプトン星からの飛来物を追跡した。その結果、墜落してきた金属を調べ、それが地球のどんな金属よりも硬いのを知る。この破片の中から箱が発見され、中には手紙が入っていた。もちろんクリプトン語で読めないのだが、スマッテンはスーパーマンがクリプトン語をメトロポリス大学の資料に提供しているのを知っていた。解読すると、それはハブ・ルルというクリプトン人科学者の記録だった。

 過去のクリプトン星にて、ハブ・ルルは新型発電機を製作していた。そこへ、高名な物理学者ジョー・エルが訪ねてくる。ジョー・エルには、後にスーパーマンとなる幼児カル・エルがついてきていた。ジョー・エルは新型発電機の危険性を指摘し中止するよう警告するが、ハブ・ルルは研究室へ招き、新金属クリプティウムを見せて、発電機の安全性を主張する。クリプティウムは恐るべき硬度を持っており、バーナー状のデ・コヘーラー光線でのみ加工することができる、と実演してみせるハブ・ルル。ジョー・エルはまだ危険だと思っていたが、引き下がった。ジョー・エルの不安は当たり、ハブ・ルルの新型発電機は大爆発を起こし、クリプティウムやハブ・ルルの記録は宇宙へ吹き飛ばされ、最終的に地球へ墜落したのだった。

 それを手に入れたジョン・スマッテンはデ・コヘーラー光線でクリプティウムを加工し、ロボットの甲冑と剣にしたのだった。目的はスーパーマンへの復讐だったので、銀行強盗や金塊強盗のような派手な事件を起こし、ついに殺害に成功した。

 と、そこまでスマッテンがテープに吹き込んだとき、甲冑騎士が兜や甲冑を取り、中からスーパーマンが現れた! 驚くスマッテン。スーパーマンは、顕微鏡ビジョンで甲冑騎士の金属がクリプティウムであることを見抜いており、スーパー記憶力で幼児だった頃ハブ・ルルに会った時の知識から、デ・コヘーラー光線装置を作成、わざと負けたふりをして海中へ落ち、甲冑を切断して中に潜んだのだった。そして、ロボットを操っている犯人はスーパーマン死亡のニュースを聞くだろうと考え、超聴力でスマッテンの秘密研究所を発見したのだった。

 事件は解決した。孤独の要塞にクリプティウムの剣を持ち帰ったスーパーマンは、いつかこの威力が必要となる事件が起こるのだろうかと考えるのだった。

 本号は前半/後半で別の話が掲載されている。前半のライターは『キャプテン・フューチャー』『スターウルフ』で有名なエドモンド・ハミルトン。「スーパーマンより強い甲冑騎士」→「スーパーマンの焦りと無謀な対決の後の死」→「過去の展開を重ねて説明」→「からの逆転」という、少ないページ数(12ページ弱)にもかかわらず凝った話作りが楽しめる。「武装したスーパーマン」という、普段は見られないものを見せてくれるサービス精神がハミルトンらしいところだと思う。作中では「スーパーマンに対抗できる金属クリプティウム」に主眼が置かれているが、スーパーマンをぶん投げることができるロボットを作れるジョン・スマッテンがなかなか凄い。アートはブレイニアックやスーパーガールを初めて描いた大御所アル・プラスチーノ。

 

(2話目)

SCRIPT: LEO DORFMAN

PENCILS: JIM MOONEY

 

 スタンホープ大学の学生リンダ・リー・ダンバースは実はスーパーガールの仮の姿。リンダは同級生のディック・マルバーンに誘われ、夜のドライブのあと、ファンタスタという女性奇術師のステージショーが見られるクラブへ行くことに。二人でソーダを飲んだあといよいよステージが始まるというときテーブルのソーダや水などが片付けられてしまった。炎の壺から登場するファンタスタだが、リンダは内心トリックだろうと考える。続いてファンタスタは自分の首だけをクッションの上に乗せて飛ばせてみせた。喜ぶディックに、仕掛けがあるのよと答えるリンダ。

 それを聞いたファンタスタはリンダを次のマジックの協力者に指名する。失言を悔やみつつリンダは立ち上がり、言われるままにキャビネットの中へ入った。扉を閉め、ファンタスタは胸から下げたメダルに触れて、あの女の子を消しますと言う。再び扉を開くと中は空だった。喝采を浴びるファンタスタ。ステージのあとディックはリンダがどこへ行ったのか聞きにいくが、ショーのあと目まいがするといって出ていったと言われ納得して帰る。

 だがリンダは驚くべきことに見知らぬ宇宙船の中にいた! 地球にはいない鳥のような生き物がいる。そこにファンタスタも現れた。どんな力を使ったのか問うリンダ。異様な鳥グノモはファンタスタの肩にとまる。ファンタスタはリンダをスーパーガールの姿にしますと言い、胸から下げたメダルに触れると、その言葉通りリンダはスーパーガールになった。驚くスーパーガール。

 ファンタスタはステージショーがスーパーガール捕獲のための罠だったと話し、外宇宙のゴッサ宙域を支配する悪の宇宙犯罪者組織に入ろうとして入団テストとしてスーパーガール捕獲を命じられたことを明かす。この宇宙船はありえないスピードで航行しており、スーパーガールすら見たことのない星域を飛んでいるのだった。と、突然警報が鳴り、ファンタスタはあわてて宇宙船のボタンを押し操作し進路を変えようとする。スーパーガールは進路に水の小惑星があってそれを避けたことを見抜いた。

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 落ち着いたファンタスタにスーパーガールは自分を捕虜にしておけると思わないでよと言う。だがファンタスタは自信満々に、暴力は不必要なのよ、逃げ出してもあなたは必ず戻ってくるわと言い、宇宙船のハッチからスーパーガールを外に解放してみせた。宇宙を飛ぶスーパーガールだが、全く知らない星域ではどこへ向かっていいか判らず、宇宙船に戻る他なかった。

 戻ってきたスーパーガールに勝ち誇るファンタスタだが、スーパーガールは無策で戻った訳ではなかった。宇宙で拾った水を含む隕石をスーパーガールのパワーで絞って水滴を落とす。とたんに警報が鳴りだす。ステージショーの前、先程の宇宙船の進路などから、ファンタスタは水を弱点としているとの推理は当たり、スーパーガールはファンタスタのメダルを奪うことに成功した。

 ファンタスタは失敗したことを認め、罰を受けなければならないと言う。彼女が入りたかった悪の組織は入団テストに際してエネルギー惑星サイクロンにいる鳥を同行させ、失敗した者は鳥の足からの電流を受けて自殺すると決められているというのだ。グノモの足を掴み電流によって原子分解されるファンタスタ。

 一人残されたスーパーガール。地球に戻る方法は無い。そこでスーパーガールは、無機物だったため消滅しなかったファンタスタの服を着て、リンダに変装するときのカツラを加工し、ファンタスタに変装した。グノモは彼女の肩にとまる。ゴッサ宙域への帰還ボタンを押すと宇宙船は疾走していき、棘々のある異様な星に到着した。星の表面ハッチが開き、中へと宇宙船が自動的に着陸する。星の内部が巨大な基地になっているようだ。

 宇宙船から降りたスーパーガールは、ここでは自分の超能力がまったく使えないことに気付き驚く。そこで、宇宙船が着陸した床が降下を始め、悪の犯罪組織の入り口で停止した。候補生ファンタスタが帰還したと思い、中へ通される。

 中には悪の組織の幹部たちが勢揃いしていた。ここで、入団テストが成功したか首領格のキロン議長に報告するのだ。スーパーガールより前にバールという異星人が報告しており、彼はトーク銀河の守護者マイティ・サルマンを殺してコスチュームを持ち帰ったと報告する。二つの試練を終えたことで、バールは悪の組織に入団が認められた。この組織では入団テストで倒したヒーローのコスチュームを着るのがしきたりであり、バールはマイティ・サルマンのコスチューム姿で円卓に加わった。新メンバーを祝う悪人たち。

 次の候補者ヴィンタンは、紫惑星の独裁者ドラング・ザ・デストロイヤーを連れ帰ることが入団テストだった。ドラングはこの悪の組織がぬるすぎると言って入ることを拒否し敵対しているのだ。ヴィンタンはドラングに敗北し、自分に対抗しても無駄だというメッセージを伝えるため送り返されてしまったと話す。ヴィンタンが連れていた鳥はドラングに殺されていたため、キロンは第2のチャンスをやると言って別の鳥をヴィンタンに与えた。だがファンタスタの時と同じく、鳥はヴィンタンを消滅させてしまう。

 ファンタスタの番がきた。ファンタスタに化けたスーパーガールは、スーパーガールを生死にかかわらず連れてこいというテストだったが、クリプトナイトで殺し肉体が消滅してしまったと報告し、マントを差し出す。キロン議長はスーパーガールほど強力なヒロインを倒すのは難しく嘘をついているかもしれないと言い、その真偽を確かめるため「メカノ・スレイブ」というロボットに渡す。メカノ・スレイブはマントを掴み、回転ノコギリになっている歯で切り裂こうするが、逆に歯が砕けてしまった。確かに本物のスーパーガールのマントだと認められ、しきたりに従ってファンタスタはスーパーガールのコスチューム姿となる。実は本人が自分のコスチュームを着ているだけなのだが。

 しかしキロン議長は、二つ目の試練をクリアしなければならないと言い、先程のヴィンタンが失敗した紫惑星のドラング・ザ・デストロイヤーを連れてこいと命じる。驚くスーパーガール。キロンはドラングをこの星域最強の犯罪者だと説明し、コンピューターに入力されている「傷つけれれない鋼鉄の体」「目からビーム」「口からサイクロン」「透明化」などの超能力が表示される。スーパーガールの能力と同等かそれ以上の力を持つ相手に、力を失ったいまどうやって対抗すればよいのか?

 と、そこへ、ドラングの姿が映像にように現れた! コンピューターが表示しなかった「遠距離投影」能力だ。ドラングはこの能力で悪の組織の計画を知っており、投影された映像も目からビームを発射し破壊力を見せつけた。恐るべき相手だ。

 ドラングが去ったあと、キロン議長は予定通りファンタスタに任務を果たすよう命じる。そしてファンタスタに帰還したときのものとは別の宇宙船を与えた。ドラングを恐れて逃げ出すのを防ぐため、この宇宙船の目的地は紫惑星に固定されていると語るキロン。他にどうしようもないため出発するスーパーガール。

 失敗すれば鳥に消滅させられる。帰還方法がわからず行く先も固定されている。能力が無くなっている。ドラングの能力は強大だ。スーパーマンの助けを借りたいが方法がない。唯一、ファンタスタの持っていたメダルがあるが、使い方は不明。どうすればよいのか判らない、圧倒的絶望のなか、宇宙船は紫惑星に接近した。そこへ、ドラングが映像を送ってきた。すでに相手はこちらの事を知っており奇襲も不可能。果たしてどうなる?

 後半はスーパーガールが主役。「奇術師が実は本当に超能力を持つ」「相手は外宇宙の異星人で、これは悪の組織に入るテスト」「悪の組織のしきたりとは」「それを上回る強敵の存在」「能力を失いつつ強敵に対抗し脱出しなければならない」と、たった12ページ弱にもかかわらずいくつもの要素が展開していくのがとても楽しい。登場する悪の組織THE CIRCLE OF EVILが妙に存在感がありつつドラングにはてんで弱くて笑えてしまう。実はこの号では完結せず、次号に続くのだ。

EARTH X #0

1999年 MAR

JIM KRUEGER and ALEX ROSS : story

JIM KRUEGER : script

JOHN PAUL LEON : pencils

 

 彼の父は、人間の心とは出入り口のようなものだと言った。開くには鍵が要る。そして、出入り口は決して変わらないと。父は天才だった。父親の名はアベル・スタックといった。彼の息子はいま父親が使っていた家の寝室で横になっている。息子の名はアーロン・スタック。父はアーロンに、人とはどのように生きるのか教えてくれた。父は息子に顔と、作法と、表情を与えてくれた。だが目だけは違う。起き上がりアイマスクを外したアーロンの目は、人間のものではなかった。アイマスクを外してアーロンは、眼前にモノリスがあるのを見た。

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 何が起きているのか判らないアーロン。モノリスから呼びかけがあり、彼をX-51と呼ぶ。私の名前はアーロンだと、彼はナンバーで呼ばれるのを拒否する。だが人類の運命を知りたいかと問われ、彼はモノリスに触れる。

 すると突如、アーロンは光輝く地平に飛ばされ、人間そっくりの外装を消される。気付いた時、彼の姿は、メカニックの内装を透明な外装が覆うスケルトンボディに変わっていた。自分の変化に驚き、顔を返してくれと言うアーロン。

 歩いてみて彼は、眼前に地球を見る。そこは月面であった。月面の建物の中を進んだアーロンは、人間のものではない奇妙な建造物を発見する。彼の背後にはモノリスがあり、アーロンは吸い込まれるように中へと入った。

 アーロンは内部の奇妙な廊下を進んで、スクリーンに映った巨大な顔の人物と遭遇する。相手の名はウアトゥ。この世界を観察している異星人、ウォッチャーだ。ウォッチャーはX-51に、自分が彼をここに転移させたと言い、これまで観察してきた地球について教え始める。

 画面に恐竜の姿が見える。これは中生代の映像だ。ウォッチャーは、自分がセレスシャルズの地球への最初の来訪ファーストホストを目撃したと語る。恐竜はセレスシャルズに不適格と見なされ、絶滅させられたのだ。

 その結果、哺乳類の時代となり、猿人が出現した。人類の芽生えにはセレスシャルズの介入があったのだ。セレスシャルズは猿人を捕獲し、進化実験を施す。最初にできた種族デヴァイアンツは悪魔のような姿で攻撃的な性質を付加されており、間もなくセレスシャルズに反抗した。次に創られた種族エターナルズは神々しい姿をしており、人類を守護していく。エターナルズは高い山の上に都市を築き、そこへデヴァイアンツが襲来する。彼らの姿は後に人類に、神や悪魔の物語として伝えられる事になった。

 セレスシャルズとは別の宇宙種族も地球生命に介入した。スクラル人と対立する宇宙国家クリーは、自分たちの尖兵として利用するために、セレスシャルズが人類に植え込んだ変異種子を引き出し超人類インヒューマンズを造りだした。だがインヒューマンズもまた造り手に反抗し、クリーの手を逃れアッティラという都に隠れ住む。

 セレスシャルズは何度か地球を訪れその度に干渉した。二度目の来訪セカンドホストでは反逆するデヴァイアンツを抑えるため大陸を海に沈めた。これはアトランティスの伝説として伝えられる。多数の者が死ぬ光景を見せられたX-51は、セレスシャルズとは悪なのかと問うが、ウォッチャーは善悪とは人間が発明した概念に過ぎないと、客観的な視点を持つ事をX-51に指示する。

 さらにサードホストの際、人類は神話を発展させ、その後様々な時代を経て文明が発達していく。ついに地球最初の人造人間が製作され、それはヒューマントーチと呼ばれるヒーローとなった。第二次世界大戦が起こったが、それは人類の最も大きな前進を引き起こしたとウォッチャーは言う。人類に植えられたセレスシャルズの芽が芽生え、特殊な能力を持つ人間が現れ始めたのだ。キャプテン・アメリカサブマリナーはその能力を使いヒーローとして活動していく。アドルフ・ヒットラーは配下のレッドスカルと共に、優性人種のみを選別しようとした。さらに戦争終結のため作られた原子爆弾が新たな原子の時代を開き、人類や生物が変異していく。一時期は怪獣と化したものが多数現れたこともあった。

 原子の時代は、人類に秘められた変異種子を次々に芽生えさせた。ピーター・パーカー放射能を帯びたクモに噛まれスパイダーマンになったのも、リード・リチャーズたちが宇宙線を浴びファンタスティック・フォーになったのも、ガンマ線爆弾によりブルース・バナーハルクになったのも、放射性廃棄物を積んだトラックの事故でマット・マードックデアデビルになったのも、全てはその変異種子による変化だったのだ。

 ファンタスティック・フォーの一人ヒューマントーチによって行方不明だったサブマリナーが発見され、彼はキャプテン・アメリカ復活のきっかけとなり、数多くのヒーローたちが出現し、アベンジャーズが結成された。またヒーローは地球外からも現れた。クリー帝国を裏切ったキャプテン・マーヴルがその代表だ。ヒーローたちは、同じように人類の中から出現したヴィランたちと戦った。だが、星を滅ぼす宇宙魔神ギャラクタスの襲来は別だ。この時はウォッチャー自身がファンタスティック・フォーに手を貸し、ギャラクタスをも消滅させるアルティメット・ニュリフィアーについて伝えている。ウォッチャーは以前からギャラクタスを知っていたのだ。

 さらに、人類の中の変異種子はミュータントとして芽生え始める。チャールズ・エグゼビアプロフェッサーXとして彼らを集め、X-MENが結成された。インヒューマンズも再び外界で活動を始めた。また、人間により新たな人類の創造も行われた。彼はアダム・ウォーロックとなった。このように、フォースホストの頃には、セレスシャルズにより計画されたすべての進歩が行われていた。この時代はスーパーヒーローの時代であったのだ。

 話を終えて、ウアトゥはX-51に、自分の代わりにウォッチャーとなるように言う。何故だと問うX-51に、ウアトゥは自分が何者かの攻撃により盲目となった事を明かした。ウォッチャーは新たな目を必要としていたのだ。おまえにはその能力があるとウォッチャーは言い、X-51により新たに地球の観察が開始されていく。

 

 マーヴルユニバースを総括しながら未来の物語を展開するという壮大なマキシ・シリーズEARTH Xが開幕。この#0では、ウォッチャー、ウアトゥが自分の目としてマシンマンことX-51アーロン・スタックを入手・改造する展開が描かれている。

 アーロンを召喚するためモノリスが登場するのは、X-51が初めて登場したのが2001: SPACE ODYSSEYのコミックだった事を踏まえているため。アベル・スタックにより人間として育てられたアーロンが人間らしい判断にこだわるところが、このキャラクターを理解して主要人物に起用しているのを見て取れ、ファンとしては嬉しい。

 それに対して、世界の観察のみを行い非干渉を旨とする異星種族ウォッチャーは、非感情的で客観的な判断をすべきだと指摘し続けるのだが、ギャラクタス襲来の時をはじめとしてこれまでかなり人類に手を貸してきた彼を知るファンには、妙に冷酷に映る。

 物語は、ジャック・カービーが’76年に創作したTHE ETERNALSの中の、人類を創造したのは宇宙巨神セレスシャルズであるという設定を基盤に、これまでのマーヴルユニバースを包括して構築されているが、EARTH Xはあくまでマーヴルユニバースを再構成した別の物語であり、本来のユニバースから逸脱・設定改変された部分も多い。他のコミックでは通じない設定もあるので注意が必要である。

 X-51は新たなスケルトンボディに改造されてしまう。前年の’98年に新発売されたiMacがスケルトンボディであり、この時期の流行りのデザインだった。この姿でもこれまでと同じ機能があり、手や目を伸ばすおなじみのギミックが見られる。

 巻末にはマーヴルユニバースを創造したクリエイター、スタン・リー、ジャック・カービースティーブ・ディッコジョー・サイモン、カール・バーゴス、ビル・エベレットへの献辞が記されている。

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