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GUARDIANS OF THE GALAXY #1

1990年 JUN

JIM VALENTINO : WRITER / ARTIST

 

 マルチバースの一つである西暦3017年すなわち31世紀の未来。ブレッドソー星系の惑星コーグにて、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーは大苦戦中だった。地中から突如、多数の砲塔を備えた要塞が出現し、砲撃で吹き飛ばされてしまった!

 スターホークは空を飛びブラストを放ち、仲間たちにもまず手近の砲塔を潰すよう指示する。彼はアルクトゥールス星系から来たミュータントで、光の力を操り、アレータという女性と体を共有している。

 頭部が燃えているニッキは水星コロニーの生き残りの少女で、素早い身のこなしで腕のビームガンを撃ち込み砲塔を破壊した。彼女はチームの航宙士かつ武器技術者だ。

 巨漢チャーリー27木星コロニー最後の生き残りの軍人で、木星の重力に耐えられるよう遺伝子改良が行われた人種で、怪力を活かし要塞の一部を引き千切る。チームのパイロット兼戦略家だ。

 結晶体の体を持つマルチネックス冥王星コロニー唯一の生存者で、右手からの熱線で撃ち砲塔を爆発させる。彼はチームの科学者でリーダーも務めている。

 大きなトサカが特徴のヨンドゥケンタウルス第4惑星コロニーの生き残りの弓矢使いで、放ったヤカ・アローを口笛で操ることができる。

 そして、20世紀の宇宙飛行士が空間跳躍実験の末に未来で蘇ったバンス・アストロ少佐は、肉体保持のための特殊スーツで身を固めており、念動力に目覚めている。彼は20世紀にいたヒーロー、ベンジャミン・J・グリム(ザ・シング)の言葉を引用して「ブチのめす時間だぜ!」と叫び、念動力で要塞を吹き飛ばした!

 勝利したガーディアンズだが、マルチネックスは要塞がこの星の外から持ち込まれたものであり敵の厄介さを指摘する。その通り、装置の一部はまだ動いており、宇宙へ信号を送っていた。近くの宙域にいた宇宙船でそれを受信したテーザーフェイスという異星人は、体に黄金のアーマーと武器を装備しており、要塞を打破した相手を抹殺するため行動を開始する。

 戦闘を終え、コーグ星の住民たちに話を聞こうとするガーディアンズ。だが何故か住民は異様におびえており、刺激しないように声をかけたヨンドゥから母親は子供を庇おうというそぶりを見せ、挙げ句に短剣を持った男が襲いかかってきた。相手を傷つけないよう巴投げでかわしたが、批難されてしまう。

 マルチネックスは衛星軌道上の宇宙船「自由の女神号」に戻ることにしヨンドゥも同行する。胸のマークを押し、二人は宇宙船に転送される。地上に残った者は捜索を続けるが、スターホークは仲間から離れ、男性の姿から女性アレータへと変身した。

 宇宙船内のヨンドゥの部屋に入るマルチネックス。ヨンドゥは炎を起こしてその前に正座して彼の種族に伝わる呪術を使い、炎の中にこれまでの彼らの歩みを映し出させた。ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーは、最初はヨンドゥ、マルチネックス、チャーリー27にバンス・アストロを加えた4人のチームで、未来の太陽系を征服したバドゥーン人に抵抗するため結成されたこと。過去の伝説のヒーローであるキャプテン・アメリカとザ・シングがタイムスリップして協力したこと。20世紀に行き、スーパーヒーローチーム「ディフェンダーズ」と共に戦い、未来に戻りスターホークがチームに入ったこと。バドゥーンを敗走させ、ニッキがチームに入ったこと。スターホークとアレータの関係を知り二人の子供達の死に立ち会ったこと。20世紀の伝説のヒーロー雷神ソーや多くのヒーローと共に超神となったコーバックと戦ったこと。スパイダーマンと出会ったり、アダム・ウォーロックを復活させようとしたりし、子供時代のバンスと出会ったことで歴史が変わり、その時代のバンスはマーベルボーイと名乗ってニューウォーリアーズに入ったこと。未来に戻り、歴史書からキャプテン・アメリカの盾がこの時代に残されていると知ったこと。これまで起こった事件を振り返った二人は、再び惑星上に戻る。

 マルチネックスとヨンドゥが転移すると、バンスたち3人に加えてアレータも合流してきた。敵味方ともキャプテン・アメリカの盾を探索しているが手がかりがない。そこへ突如、テーザーフェイスが転移してきた! 右手の大砲でバンスを吹き飛ばす。チャーリー27が突進して殴り飛ばすが、敵は素早く体勢を立て直し逆襲した。ヨンドゥは矢を放ち口笛で軌道を変えて翻弄、その隙にニッキがビームガンをくらわせる。テーザーフェイスの大砲を宙返りでかわしたニッキだが、敵は左手の銃でヨンドゥを倒した。その間に立ち上がるチャーリー27。マルチネックスはアレータに、スターホークに変身するよう頼む。チャーリー27のタックルが敵に炸裂。その間にスターホークの変身が完了し、上空からビームを撃ち込み追撃する。チャーリー27は羽交い締めにしたが、敵は『テーザーフェイス』の名の由来である顔面からのビームを発射しスターホークを撃墜した! が、マルチネックスが左手からの冷凍光線でテーザーフェイスの顔を凍らせ、さらにバンス・アストロの念動力が炸裂して撃破に成功した!

 テーザーフェイスが撃破されたことを宇宙のどこかで察知している者がいた。宇宙戦艦に乗った敵は動き出す。

 倒れたテーザーフェイスを取り囲むガーディアンズ。バンス・アストロはこの敵が身につけたアーマーを見て、20世紀の伝説のヒーロー、アイアンマンの技術ではないかと推察する。そこに声をかけてくる者があった。身構えるガーディアンズ。彼らの前に、十数人のアーマー姿の異星人軍団「ザ・スターク」が出現した!

 

 ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーは元々、1969年1月号のMARVEL SUPER-HEROES #18に初登場した未来スーパーヒーローチームであり、様々なタイトルやクロスオーバーに少しずつ登場して発展したあと、1990年にようやくオウンタイトルを獲得した。この第1号では、チームメンバーの紹介やこれまでの歴史をおさらいしたあと、独自のストーリーを開始している。

 後にスターロードをリーダーとした現代のチームが同じチーム名を名乗ったためややこしいが、こちらがオリジナルのガーディアンズ。バラエティ豊かなメンバーと、過去との繋がりが匂わされる設定や敵が魅力である。