アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

MACHINE MAN #18

1980年 DEC

PERFIDIOUSLY PRODUCED BY TOM DEFALCO -- WHOSE WRITING IS JUSTLY SLURRED

STEVE DITKO -- AN ARTIST ABSURD!

 

 前号、マダム・メナスを倒したマシンマンだったが、メナスは本当に死んだのか疑問だった。彼は空を飛び、マダム・メナスの秘密基地へ向かう。基地の中ではマスクをしたマダム・メナスの部下たちが重要書類を焼き機械を壊して証拠隠滅をし、撤退の準備を進めていた。そこへ天井から手が伸びてきて、マスクの男を掴む。マシンマンの登場だ。手足を伸ばしマスクの男たちを蹴散らしていくマシンマン。マスクの男は音波ライフルを発射、マシンマンは足にダメージを受けるが手を伸ばしてライフルを握り潰した。相手は巨大な発電機の後ろに隠れて銃撃戦を続けようとするが、マシンマンは発電機ごと相手をぶっ飛ばした。ダメージを受けた左足をかばいながら、マシンマンは捕らえた男のマスクをはがし、胸ぐらを掴んで手を伸ばし高く差し上げ、マダム・メナスについて吐かせた。マダム・メナスは生きているが、どこかへ隠れていることしかこの男は知らなかった。マシンマンは男を投げ出し、基地を去っていく。別の隠れ家で、マシンマンの戦闘の様子をビデオに収めたマダム・メナス。マシンマンは音波攻撃に弱いと分析した彼女は、このロボットを自分の兵器商売の目玉商品にする野望を燃やすのだった。

 アーロン・スタックのアパートには、二人の男が訪ねてきていた。一人は精神科医ピーター・スパルディング、もう一人は町の機械工ギアーズ・ガービンだ。スパルディングはガービンに、僕のコーヒーテーブルに足を置かないでくれと言い、このささいな事で二人は言い合いを始めてしまう。育ちがまるで違うこの二人は気が合わないようだ。口論が激化しようとしたその時、窓からマシンマンが帰ってきて、二人を止めた。マシンマンの足の調子が悪いのを見てガービンは修理をする。スパルディングは子供じみた喧嘩をしてしまったことを恥じるのだった。

 あるホテルでは、マシンマンを人類の敵と喧伝するブリックマン上院議員の講演会が行われていた。彼はこの主張で上院議員になったが、最近ではその主張も人気を失い、彼は苦境にあった。部下は上院議員にもっと一般的な政策について語るべきだと進言するが、ブリックマンは聞く耳持たない。

 所は変わってカナダ。政府機関デパートメントHでは、エージェントKという諜報員が報告をしていた。最近活動を始めたカナダのスーパーヒーローチーム、アルファ・フライトが、カナダに現れた超人ハルクと戦ったこと。その戦いの前にハルクはアメリカでマシンマンと戦い、マシンマンが重力をキャンセルしてハルクを飛ばしたが(THE INCREDIBLE HULK #237)、これは故意にカナダを狙ったのではと結論するエージェントK。彼は大臣と相談し、アルファ・フライトをマシンマンに向けて派遣することが決定する。超スピード能力を持つノーススターオーロラの双子ヒーロー、獣人サスカッチの3人は任務を受け、車でアメリカ合衆国へ向かう。

 マダム・メナスは対マシンマン用に音波砲を用意。さらに相手を追いつけるため、デイリー・ビューグル新聞を利用したり、表の顔サンセット・ベインとしてパーティーでブリックマン上院議員接触したりと活動を重ねていく。その頃アーロン・スタックは、デルマー保険で仕事中。エディーがバトミントンの試合で賭けをやろうぜと誘ってくるが、もちろんアーロンは興味を示さない。だがパメラに声をかけて奇妙な気持ちを抱く。

 ニューヨークのホテルに到着したアルファ・フライトの3人。ラングコウスキイ博士は他の二人に腕時計型探知機を渡す。これはマシンマンが発している特有の波長を感知するものだ。さらに彼らは、マシンマンが普段はアーロン・スタックと名乗っていることも調べており、電話帳でアーロンの住所を調べる。こうして万全の準備を調えた3人は行動を開始する。

 翌朝、アーロンのアパートで、スパルディングがデイリー・プラネット新聞社の朝刊を見て驚いていた。それをマシンマンに知らせるスパルディングだが、マシンマンはそれがマダム・メナスの陰謀であることを疑っていた。考えがあると言って、窓から出て行くマシンマン

 アパートの外ではラングコウスキイ博士が腕時計の反応を見てマシンマンを追う。マシンマンは再びマダム・メナスの基地へ出向き、腕を伸ばして中に置かれていた追跡球体デバイスを入手した。それを分析し、逆にマダム・メナスを探査しようとするマシンマン。建物の屋根の上にマシンマンを発見したラングコウスキイ博士は、獣人サスカッチに変身し、マシンマンが乗る建物を怪力で壊し、マシンマンは落下。マシンマンも手足を伸ばして反撃。両者の戦いが続く。

 その頃、カナダのエージェントKは、合衆国側からマシンマンを追いつめるような圧力がかかっていることを知り疑問に思う。しかしすでにサスカッチマシンマンの戦いは始まっているのだ。マシンマンは伸ばした両手からフィールドを展開してサスカッチを宙に浮かせ捕らえようとする。だがサスカッチは掴んだ地面を怪力で引き剥がしマシンマンの足場を壊して体勢を崩させることで脱出。なぜハルクをカナダへやったのだと言うサスカッチマシンマンは驚くが、相手の背後に腕を伸ばして首に巻き付け、サスカッチを海へ投げ込んだ。さらに、街灯に手を突っ込み反対の腕でサスカッチを掴み感電させた。だがマシンマンサスカッチを見殺しにせず海から引き上げ、助ける。そして、この戦いの原因となったマダム・メナスを止めるために行動を開始した。

 マシンマンはマダム・メナスの部下を倒し、敵の本部へ侵入した。何人ものマスクの男が現れ、マシンマンは戦う。一方エージェントKはアメリカ合衆国の政府施設に潜入し、カナダへ圧力をかけた証拠を探っていた。メナスの部下はヌンチャクを持ち出してマシンマンに迫るが、マシンマンは天井を崩したり手を伸ばして奇襲したりして相手を倒していく。ここでマダム・メナスは音波砲を発射を命じた。背後から音波をくらい、マシンマンの体の機能は停止してしまい、床に転がって身動きが取れない。

 だがそこで意外な助けが入った。アルファ・フライトのノーススターとオーロラは超スピードでマスクの男たちを倒していく。サスカッチは壁をぶち破って登場。マシンマンが悪ではないと知ったサスカッチは、仲間と共に助けに来たのだ。先ほどまで戦っていたサスカッチが味方してくれたことに驚くマシンマン。マダム・メナスも奴等を倒せとマイクで命じる。動けないマシンマンだが自分も戦うため、首だけを切り離して反重力で飛び、音波砲へ特攻した。爆発が起こり音波砲は潰れたが、マシンマンの顔の左半分がケロイドのように溶けてしまった!

 ボディに戻ったマシンマンは、父の作ってくれた大事な顔が壊れたことで狂乱状態となり、悪鬼のような勢いでマダム・メナスの部下たちを相手に暴れまくる。オーロラとノーススターは二人の力を合わせて強烈な光線をマシンマンに放って目をくらまし動きを止めようとするが、目以外に指にもフィンガー・センサーのあるマシンマンには目くらましは通じず、ノーススターが殴り倒されてしまう。サスカッチマシンマンに駆け寄るが、暴れ狂うマシンマンサスカッチをも殴り倒してしまった。とどめをさそうとするマシンマンは、オーロラの制止の声を聞きぎりぎりのところで自分を取り戻す。自分は何と言うことをしてしまったのか。自分はブリックマンの言うように脅威なのか。自分を恥じたマシンマンは、体をドリルのように高速回転させてその場から去っていった。起き上がったサスカッチらは、別行動のエージェントKが成功したかどうかと考える。

 そのエージェントKは、ついにカナダへの圧力はブリックマン上院議員マシンマンとの戦いにカナダを引っ張り出すため画策していた証拠文書を発見していた。アルファ・フライトはカナダへ帰還。マダム・メナスはマシンマンへの野望をあきらめない。エージェントKの得た情報が公開されたことでブリックマンは窮地に立たされるが、しかしこの男も自分の信念を曲げずに再び返り咲くぞと闘志を燃やす。ガービンとスパルディングはアパートで待つが、マシンマンは帰ってこない。彼は醜く変わった顔のまま、夜の街をさまよい歩く。マシンマンの明日はどっちだ!?

 

 マダム・メナスと久々登場のブリックマン上院議員の野望が同調し、カナダへ圧力がかかったことで、カナダ政府のスーパーヒーローチーム、アルファ・フライトとマシンマンの共演が実現。アルファ・フライトは'79年にUNCANNY X-MEN #120にて登場したばかりの新規ヒーローチームであり、この時期まだ独自タイトルが創刊される前だった。カナダ政府のヒーローとして、諜報員と連動して行動しているのが特徴的で面白い。

 次号#19は、MACHINE MAN誌ファーストシリーズの最終回となる。

 このコミックが収録された合本は

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