アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

MACHINE MAN Vol.2 #2

1984年 NOV

TOM DEFALCO : SCRIPT

HERB TRIMPE : BREAKDOWNS

 

 2020年のマンハッタンのミッドタウンを、飛行機械で逃走するミッドナイト・レッカーズの4人組マシンマン。後ろからはベイントロニクスの追っ手、C-10ロボットが操る警備艇が迫る。これまでにない執拗な追撃に、自分たちが発掘したこのマシンマンというロボットとは何だろうかという疑問がよぎる。ハッスルは敵の警備艇を銃撃。マシンマンは腕を伸ばしてロボット兵が乗った警備艇を撃墜したり、スリックスイフトを掴んで空へ退避し自分たちの乗っていた飛行機械を警備艇にぶつけたり。追っ手を片付けた彼らは、地下鉄通路へ逃げ込む。

 ベイントロニクス社本部ではマダム・サンセット・ベインが、パトロール隊がマシンマンを発見しつつも取り逃がしたことに歯噛みしていた。ジョキャスタは彼を行かせてあげてと頼むが、サンセットはマシンマンが生きているとこちらが危ないと言い返す。彼女は30年前にマシンマンを封印していたのだ。そこへいきなり、今すぐ話があると怒鳴りながら、老人が部屋へ、マダム・ベインの秘書が止めるのも聞かずに入ってきた。マイルズ・ブリックマン大使だ。昔、マシンマン排除運動を仕掛けていたブリックマンは、マシンマンが再び現れたことを知り、慌てているのだ。取り乱すブリックマンに、マダム・ベインはエキスパートに任せてあると答え、テレビ電話のボタンを押し、ある男を呼び出す。アーノと呼ばれたこの男の正体は?

 一方、クイーンズまで逃げのびたブレインたち。マシンマンには帽子とコートを着せて変装させている。彼らはブルードニという男が経営するビデオゲーム店に逃げ込むが、奥にいた太った店主ブルードニはブレインたち「レッカーズ」が来るのを知っており、秘かにテーブル下のスイッチを入れる。それに気付いたハッスルは銃を抜き、カーテンの向こうへ発砲。

 カーテンの中からロボット兵の一体が倒れてきたが、他にも何体ものロボット兵が銃を持って出現、包囲されてしまう。マシンマンは指のマグナム弾を撃ち、スリックは置物を持ってロボット兵を押しつぶす。ブレインはロボット兵の一体に電子頭脳を狂わせる機能妨害バッジを張り付けた。狂ったロボットは別のロボット兵を破壊するが、次はブレインが襲われてしまう。危ういところでブレインは銃を取り出し、ロボット兵の頭部を吹き飛ばした。スイフトはとんぼ返りをしながら脚でロボット兵をすくい投げる。マシンマンはロボット兵の頭部を地面に押しつけ粉砕。ブルードニは、貴様らは終わりだ、ベイントロニクスが貴様らを捕らえるため資金をばらまいているぞと言いながら、隠し扉の向こうへ脱出。それを見たハッスルは皆に指示し、スイフトが、スリックが、マシンマンが通路へとび込む。ブレインはハッスルに声をかけるが、ハッスルはしんがりとして二丁拳銃でロボット兵を食い止めつつ、ブレインを通路の向こうへ蹴って先に行かせた。だが、ハッスル自身はロボット兵に捕らえられてしまう。

 通路の向こうは下水道。ブロードニは用意されていた脱出艇へ駆け込み発進させようとするが、マシンマンは腕を伸ばして、手にある冷却装置を使って脱出艇が浮かぶ周囲の水を凍らせて阻止。ブロードニをつまみ上げ、泳げるかと聞き、マシンマンは下水道の向こうへ放り出す。

 マシンマンはさっきとは逆に手から発熱して氷を溶かし脱出艇が使えるようにするが、ハッスルがいないのに気付く。僕たちが逃げるのを助けるため残ったと聞き、戻ろうとするマシンマンを、ブレインはもう追っ手がそこまで迫っていると言って止める。それでも戻ろうとするマシンマンに、ブレインは先ほどロボット兵にも使った機能妨害バッジを取り付け、動きを封じてマシンマンを脱出艇に乗せた。追いついてきたロボット兵が銃撃する中、間一髪脱出艇が発進し、下水道から飛び立った。彼らは「サンクチュアリ」へと向かう。

 捕らえられたハッスルはベイントロニクス社本部へ連行され、拘束され、マダム・ベインの尋問を受けていた。サンクチュアリーの位置を問われても口を割らないハッスル。マダム・ベインはマッド・ドクターに指示し、ドクターはハッスルの頭脳へレーザー光を撃ち込む。苦しむハッスル。ジョキャスタは殺すつもりなのですかと言う。その通りねと、マダム・ベインはロボット兵にハッスルを連行させる。ハッスルはロボット兵のピストルを奪って脱出、飛行機械を奪って飛び立った。だがそれは全てマダム・ベインに監視されていた。罠だったのだ。

 カナダ北方の森の中で脱出艇を降りたブレインたちレッカーズ。雪の中で、こっちでいいの?、わたしサンクチュアリーへ行ったことないと言うスイフトサンクチュアリーとは古株のレッカーの家なんだと言うスリック。一同は雪の中を進むが、踏み出した足がロープに触れて罠が作動し、網に閉じこめられ釣り上げられてしまった。周囲に槍や弓を持った集団が現れる。

 その頃、スターク・エンタープライゼス社では、ある男がマダム・ベインからマシンマンサンクチュアリーについて連絡を受けていた。手に足に、アーマーを装着しながら、マシンマンに会うのを楽しみにしているよと言うこの男アーノ・スタークは、ヘルメットを装着し、2020年のアイアンマンとなった!

 

 MACHINE MAN旧タイトルに登場したブリックマン上院議員が大使という肩書きになって登場。

 さらに、スターク家の血族アーノ・スターク、アイアンマン2020が登場する。この未来アイアンマンは、歯のようなモールドがあるマスクと、肩が歯車のようなアーマーが特徴で、このスタイルはその後IRON MAN #250に登場するアイアンマン2093(装着するのはアーノの孫アンドロス・スターク)まで受け継がれていくアイアンマンアーマーの最終進化形である。この強敵の登場で、次号以降の対決に期待がいやが上にも高まる。