アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

MACHINE MAN Vol.2 #3

1984年 DEC

TOM DEFALCO : SCRIPT

HERB TRIMPE : BREAKDOWNS

 

 警備艇を奪い脱出したハッスルは、艇に装備された機関砲を撃ち、追っ手の警備艇と戦う。この警備艇には何らかの発信装置が組み込まれているだろうと疑うハッスル。敵の警備艇を撃墜しながら、ママBことサンセット・ベインの尋問が手ぬるかったことに疑問を持つ。後ろから追撃を受けるが、森の中に飛び込んでやり過ごし、逆襲。最後の追っ手を撃ち落とし、逃走を続ける。

 もちろんその模様はサンセット・ベインたちに監視されていた。マッドサイエンティストドクター・サイクローブは、ハッスルの拷問の際に彼女の耳に衛星通信によるモニター装置を仕込んだと言う。ミッドナイト・レッカーズの連中などどうでもいい、マシンマンこそ真の問題だと文句を言うブリックマンは、コップに酒を注ごうとするが、手が震えてこぼしそうになる。ブリックマンから 酒を取り上げたアーノ・スタークは、自分に酒を注ぐ。自分はオリジナルのアイアンマンが死んだ後にアーマーを買い取ったと語るこの男は、ミッドナイト・レッカーズの伝説的な砦であるサンクチュアリと、マシンマンの発見が目前という祝いとして、ドクター・サイクローブと乾杯する。彼らの向こうに女性ロボットのジョキャスタがたたずんでいた。昔マシンマンを愛したことのある彼女だが、今はそれを胸に秘めるのだった。

 カナダ北部の森で捕らえられたブレインたちは、網に入れられたまま飛行バイクに引かれて運ばれていた。マシンマンジージーうるさいと文句を言うスイフト。それは僕が付けた機能妨害バッジのせいだと答えるブレイン。スリックは飛行バイクの男に、あんたたちもレッカーズじゃねえのかと訊ねる。バイクの男は、俺たちはそうだがお前らがベイントロニクスの奴らじゃないと決まってないからなと答え、俺たちのリーダー、古株のレッカー自身が判断すると言う。雲の中を彼らは運ばれていき、空中に浮かぶ巨大な都市サンクチュアリーに着陸する。

 バイクの男ボーンズは、俺は古株のレッカーに報告するからこいつらを連れていけと仲間に言い、ブレインたちは一室に入れられた。ハッスルを見捨ててきたことについてブレインに当たるスイフト。悩むブレイン。一方シャワーを浴び顔のペイントを塗り直してくつろぐスリック。マシンマンは機能妨害バッジのせいでヘンテコな言動をしていたが、ブレインはバッジを外してやる。正気に戻り、私に何をしたんだとブレインにくってかかるマシンマン。自分の体は回路や鋼鉄で出来ているかもしれないが、人間と同じように感じ、感情があるんだぞと文句を言うマシンマン。詫びる一同。

 そこへ、こりゃパーティータイムだなと言いながら一人の男が部屋へ入ってきた。ここのリーダー、古株のレッカーであるこの男にマシンマンは見覚えがあった。ギアーズ・ガービン!と驚きの声を上げるマシンマン

 スターク・エンタープライゼス社では、ブリックマン大使がマシンマン復活の不安から飲んだくれていた。それをうっとおしそうに見るサンセット・ベイン。そこへジョキャスタが入ってきて、スターク氏の襲撃チームの準備が整いましたと報告。ベインはジョキャスタに、ブリックマン大使をお送りしてと命じる。

 サンクチュアリーではお祭り騒ぎが行われていた。パーティー会場でくつろぐスリック。バイクで彼らをここまで運んだモヒカンの男ボーンズが、さっきは悪かったと詫びを入れてきて、スリックも気にするなと返す。スイフトは踊りに誘われるが、ブレインの落ち込む姿を見て断る。

 マシンマンとガービンは二人きりでテラスに出て話す。これまで何があったのかと訊ねるマシンマンガービンは、もう40年ぐらい前の話だと言って語り始めた。ガービンのガレージにはそれまで通り、マシンマンピーター・スパルディングが出入りしていた。彼らはジョキャスタの電子頭脳を再起動させようと取り組んでいた。ある日ガービンがガレージに戻ってみると、煙が上がっており、マシンマンとジョキャスタは連れ去られて、スパルディングが死んでいた。ガービンは言う、俺は奴を生意気で気弱な野郎だと思ってた、だが違っていた、ガレージには争った跡があった、ピーターは必死の抵抗の末殺されたんだ、と。それから数年して、サンセット・ベインがベイントロニクス社を起こしロボット産業を独占して社会を牛耳るようになった。あの女がマシンマンを手に入れたのは明白だったと物語るギアーズ・ガービン。彼はそれからミッドナイト・レッカーズを組織し、この再会を待っていたのだった。長い間、絶望せずに。

 サンクチュアリーにさらに来訪者があった。その顔を見て、ブレインは驚き慌てて駆け寄る。それはハッスルだった。再会する二人。

 だがそこへ敵襲の警報が鳴り響く。浮遊要塞サンクチュアリーを目がけ、アイアンマン2020ことアーノ・スタークと、その配下の飛行スクーターに乗ったアイアン・ボット兵団が襲来していた。なんでここが発見されたんだ、どんなスキャナーでも撹乱する雲に隠されているのにと驚きつつも、飛行バイクで迎撃に出る一同。だがアイアンマン2020は指からのレーザーでたやすく1機目を撃墜する。

 スリックはボーンズと共に飛行バイクで出撃。ハッスルも、なぜここが発見された?、私は奴らをまいたのにと考えながら、飛行バイクを無理矢理借りて発進していく。マシンマンはガービンに彼らを止めろと言うが、レッカーズはこの時のために組織されたのだ。ガービン自身も飛行バイクに乗り飛びだしていく。

 アイアンマン2020は配下の部隊を前進させる。サンクチュアリーに上陸した敵兵を、スイフトが得意の跳び蹴りで倒す。アイアンマン2020はマシンマンを発見し、腰に装備していた投擲武器を投げつける。三方にカーブした刃がついたその武器は、マシンマンの背中に突き刺さる。倒れたマシンマンに突進し、アイアンマン2020は拳を叩きつける。だがマシンマンもバックブローでアイアンマン2020をぶっとばした。アイアンマン2020は指からのレーザーを、続いて胸からのユニビームをマシンマンに浴びせた。マシンマンは指のマグナム弾で天井を撃ち、瓦礫を落とす。だがマシンマン2020は電磁フォース・フィールドで防御してしまった。

 アイアン・ボットはサンクチュアリーに上陸し、壁を銃で破り内部を爆破しはじめた。サンクチュアリーから煙が上がり、次第に落ち始める。揺れる床。スイフトは倒れ、何が起きたのと驚く。反重力ジェネレーターがやられたんだ、制御コンピューターを調整し体勢を立て直さなければ、皆が地面に叩きつけられて死ぬと、ブレインは内部へ駆け込む。

 アイアンマン2020の指レーザーをくらいながらもマシンマンは戦い続ける。マシンマンの右腕が発射され、腕が伸びてアイアンマン2020に巻き付き、アンチ・マグネティック・ヌル・フィールドを形成。このアーマーはそれに対抗できると言うアイアンマン2020だが、この反磁力無効化フィールドを中和するにはエネルギーをフルに使う必要があり、一時的に無力化される。

 その間にマシンマンサンクチュアリー内部へ急ぐ。ブレインがなんとかコンピューターを調整しようとしていたが、手が付けられない状態になっていた。マシンマンは指をコネクターに接続し、サンクチュアリーのコンピューター・コアに直接リンクして制御しようとする。エネルギーのバックラッシュが起こり、コネクターから火花が散り、しかもそれがどんどん強くなっていく。マシンマンは倒れたが、なんとかコンピューターは復旧し、サンクチュアリーは再び姿勢を回復した。一時退避しようと言うガービンに、マシンマンはサンセット・ベインへの逆襲するのだと反論。今度はこちらの番だ!

 

 ギアーズ・ガービン再登場! 未来でミッドナイト・レッカーズを設立し指導者となっているという格好いい役回りだ。一方、マシンマンの創作者ジャック・カービーマシンマンの友人として登場させたピーター・スパルディングは死んだことにされている。ひどいよデファルコ先生。アイアンマン2020とマシンマンの対決は一進一退で手に汗握る。