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IRON MAN #168

1983年 MAR

DENNY O'NEIL : WRITER

LUKE McDONNELL : PENCILER

 

 マシンマンは手足を伸ばしたままタクシーから降り、スターク・インターナショナル社アンソニー・スタークを訪ねる。突然変なロボットに来訪され警備員たちは驚くが、誰もスターク社長がどこにいるのか知らなかった。

 スターク・インターナショナル社の物理学研究室では、試作した機械のテストに立ち会うスターク氏を研究員が待っていたが、そのスタークは酒びたりで個人研究室に籠もっていた。妙なロボットが訪ねてきておりますと通信が入り、スタークはゲートの警備員にろれつが回らない声で、そのロボットに私は興味がないと言えと指示。だがマシンマンは、自分で会いにいくよと、金網を飛び越え中に入っていく。スタークは警報を聞きロボットが侵入したことを知る。朦朧とした状態でシャワーを浴びるスタークだが、服を着たままだったのでかえって気持ち悪い。アイアンマンアーマーを装着しようとするが、腕アーマーをとり落としてしまい、自分は病気だとうずくまって嘆く。

 マシンマンは足を伸ばして3階の窓ガラスを叩き、中にいるスタークの秘書ミセス・アーボガストを驚かせる。窓から中へ入ったマシンマンが、スターク氏かもしくはそのボディーガードのアイアンマンと会いたい、もしアイアンマンが私の同類なら…と言いかけたところで、その場にアイアンマンが現れた。マシンマンは友好的に話しかけるが、アイアンマンはステインの回し者かと突進し、壁を壊してしまう。回路がうまく作動せずよろめいているぞと思うマシンマン。アイアンマンは再度マシンマンにタックルを敢行、二人は窓ガラスを破って外へ落ちるが、マシンマンは空中でうまく体をかわして着地。

 アイアンマンはマシンマンの右腕をもぎ取り後ろへ放り投げるが、マシンマンは腕をコントロールしてブーメランのようにアイアンマンの後頭部へぶつけ、右腕をつけ直す。ならばとアイアンマンは街灯を引き抜いて殴りつけようとするが、うまく手が振れず街灯が外にいた社員に振り下ろされる。マシンマンは手を伸ばして社員たちを救った。アイアンマンのプログラムは故障しているのか、殻は私を殺そうとしていると疑ったマシンマンは、空を飛んでアイアンマンに突進。

 スコットランド郊外の飛行場では、ステインの部下がスタークの飛行機を見張っていた。そこへ、掃除用具を運んで黒人の男が近づいてくる。ステインのスパイは銃を抜こうとするが、この男ジム・ローデスはホウキでスパイたちを叩きのめし気絶させ、銃を拾って飛行機に乗り離陸する。

 マシンマンとアイアンマンは空中で激突していた。スターク・インターナショナル社の警備主任マーチネリーはそれを見守る他ない。マシンマンは伸びるパンチをアイアンマンに打ち込む。アイアンマンは反撃しようとするが、マシンマンは手を伸ばして建物を掴み素早くその場から退避、建物の中へ入る。アイアンマンはそれを追うが、また建物の壁をぶち壊してしまった。マシンマンは伸ばした手でアイアンマンに触れ10万ボルトの電流を流し止めようとするが、アイアンマンのアーマーはそれを吸収する能力があるのだ。アイアンマンは手強いと感じたマシンマンは、その場にあった発電機を投げつけ、電気が消えて真っ暗な中を赤外線アイをいかして走り去る。

 隣の研究室では研究員たちが、4年の歳月と8千万ドルの費用をかけてようやく完成した装置のテストにスターク社長がいつまで待っても現れないことに気をもんでいた。そこへマシンマンが入ってきて部屋を通過し走り去り、その後からアイアンマンが突っ込んできて研究員にぶつかって気絶させ、せっかく作った試作装置にもぶちあたって粉砕してしまう。

 再び外へ出た両者は空中戦となる。アイアンマンは両手のリパルサー・レイを発射したが、マシンマンは電磁フィールドを展開して防ぐ。マシンマンは手を伸ばしてアイアンマンの頭を掴み、指から電磁波を発射してアイアンマンのシステムを止めようとする。この攻撃でアイアンマンは落下していくが、ここでマシンマンはアイアンマンが自分のようなロボットではなく人間であることに気付く。人を殺すわけにはいかないとあわててマシンマンは腕を伸ばし、地面に激突寸前にアイアンマンを止めた。アイアンマンが自分の同類ではないと知ったマシンマンはその場を跳び去る。

 起き上がったアイアンマンにマーチネリーが駆け寄ったが、アイアンマンは返事もそこそこに歩き去る。また、研究員を殴り装置を破壊したことで責められるが、簡単に謝っただけで去ってしまう。個人研究室へ戻ったスタークはヘルメットを脱ぎ、ぼろぼろな自分に頭を抱える。そこへ秘書から電話があり、オフィスはメチャクチャ、研究室は壊され、そのうえ銀行からの客が会わせろと言ってますと伝えられる。スタークは、そのどれも相手にしている暇はない、車をまわしてくれと答えた。髭を剃りアーマーを脱いでスーツに着替えた彼は、他人の話を聞かず車で外出してしまった。

 街へ出たスタークは、酒を飲むためにペントハウスで一泊する。翌日そこを出たスタークにドアマンが話しかけるが、スタークはもう何もかもどうでもよくなっていた。

 

 この時期のIRON MANでは主人公のスタークがヒーローと社長業の重圧からアルコール依存の末期になっており、ボロボロの状態である。この話のすぐ後の#173にてスターク・インターナショナルはオバディア・ステインに乗っ取られ、スタークはすべてを失ってスラム街に堕ちる。

 この号で再登場したジム・ローデスは次号#169でスタークと再会し、まともに活動できないスタークに代わってアイアンマンアーマーをつけて活躍していく。

 そんな時期なだけにこの号のスタークの行動はめちゃくちゃで、まわりに迷惑かけまくりだし、マシンマンとの対決もやみくもに突っ込んで物を壊すばかりだ。一方マシンマンもアイアンマンをロボットだと思って訊ねてくるというちょっと間抜けな展開(ジョキャスタと出会ったことで同胞を求めようという気になったのか?)だが、アイアンマンに対抗するのにこれまで登場した能力をいろいろ披露してくれるのは嬉しいところだ。ここでアイアンマンと初対決したマシンマンだが、両者の対決は翌年、別の形で再登場することになる。

 このコミックが収録された合本は

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