1977年 FEB
EDITED, WRITTEN AND DRAWN BY JACK KIRBY
古代の世界、大きな戦が行われていた。侵略する部族と防衛する部族が激突しているのだ。その中でも、仮面で顔を覆い石斧を振るい戦い続けるマラクという男が戦場を支配している。攻め手の大将格であるマラクは、狂戦士のような勇猛さで防衛する部族を次々と片付けていった。彼は、未来におけるアレクサンダー大王やナポレオンの通る道を拓いているのだ。戦闘は終わり、マラクたちは勝利する。その部落には死屍累々が広がっていた。その時、突如強襲してきた一撃がなんとマラク愛用の石斧を粉砕した! 自分の手には斧の柄しか残っていないことに驚くマラク。次にマラクは岩を持ち上げて叩きつけようとするが、岩も相手の武器に粉砕されてしまった。相手が持つのは、これまで見たこともないほどなめらかで硬い棒で、美しく輝いていた。相手は老人であり、老人の力で自分の武器が破壊されたのに驚いたマラクは、仮面を脱ぎ、老人に掴みかかって棒を奪った。棒の製法を訊ねるが、老人はマラクの脅しにも屈せず、石が語ってくれたと言うのみで、製法を明かさない。マラクは別の手を考え、老人を解放し、あとをつけた。
老人はモノリスのところへ行き、祈りを捧げる。マラクはそこへ駆け寄り、モノリスに手を差し出した。その時マラクは宇宙を見、宇宙船や宇宙ステーションを見て、最後に自分に語りかける女性の姿を見た。老人はマラクが自分と同じく石と交信したことを知る。この女性を二人はジャレッサと呼び、マラクは侵攻を続け彼女を手に入れようと考える。同じ体験をしたことで老人はマラクに協力することにするのだった。
イーゲルと名乗った老人は、火を起こし、マラクの武器を鍛え始めた。今ここに、石器時代が終わり、青銅器の時代が始まったのだ。マラクは戦士たちを集め、大きな戦の準備をすると言い、指示を出していく。戦士たちは青銅器の原料となる鉱石を採掘して加工をし始めた。さらに、馬を食料とすることを禁じ、乗り物として飼い慣らしはじめた。組織を強力に統率するマラクは指揮を続ける。そこへ石が投げつけられ、驚いたマラクは石を投げ返すが、その一投は金属の盾で防がれた。お調子者の男が、イーゲルの作った盾を試すためにやったのだ。マラクは素晴らしい出来の盾を手にし喜ぶ。ついにマラクは金属の兜、青銅の剣で完全武装した。部下の志気も高い。マラクはさらに、侵攻のため自分たちや食料を速く運ぶ方法を考案しろとイーゲルに命じる。イーゲルは食料を保存する容器は作っていたが、ジャレッサを手にするためマラクの要求はエスカレート。容器を振り払ってイーゲルに迫った。そのとき偶然、マラクが放った容器の蓋が転がっていった。それを見たイーゲルはあることを思いつく。彼らの運命もまた転がりはじめた…。
猿人、原始人と続いたこのストーリーは、今回古代の青銅器時代まで進む。今回の主人公である古代の武将マラクは、進歩した技術により青銅器の武器を手に入れ、さらにラストで車輪の発明があって、軍団の力が飛躍的に高まる。
前号までは過去の時代をコミックの前半で描いていたが、今回はこの号すべてが使われていて、描写も迫力たっぷりだ。次号では後編が描かれる。