アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

EARTH X #10

2000年 JAN

JIM KRUEGER : story and script

ALEX ROSS : story, cover, character design and art assist

JOHN PAUL LEON : pencils, ink assist

 

 ジョン・ジェイムソンウアトゥと会話し、X-51を止める方法はないかと訊ねる。ウアトゥは、かつてギャラクタス襲来の際に持ち出されたアルティメット・ニュリフィアーについて話し、それでX-51を脅せばいいと答える。だがウアトゥは何か隠しているようだ。

 X-51の来歴が語られる。ウアトゥは、X-51はロボットであり感情のように見えるのは電気信号に過ぎず人間ではないことを強調する。そして、X-51はこれから突然変異した人類の目的を消し去ろうとしているのだと語る。

f:id:sleepwalker2099:20210905205928j:plain

 ザ・シングことベン・グリムは、地球の危機を知り、妻アリシアと子共たちをインヒューマンズのところへ避難させることにする。

 キャプテン・アメリカワカンダ国を訪れ、かつて自分がブラックパンサーに預けたコズミックキューブスカルとの戦いで使うため返してくれと言うが、パンサーは、あの時きみはたとえきみ自身が来て頼んでもコズミックキューブを渡してはならないと言ったはずだと答え、拒絶する。

 X-51がモノリスのゲートを開き、リードとベンはベンの家族を連れてインヒューマンズのいるラトヴェリアドゥーム城へと現れる。リードはメデューサから、テリジェンの霧を撒いたのはブラックボルトだったことを聞く。リードはブラックボルトに対面し、地球の人々とインヒューマンの世界のために、重要な何事かを頼む。女王メデューサは夫の側に寄り、リードの頼みを聞いてあげてと言い、夫の素顔を見て彼の真意を知る。

 X-51は、スカルに対抗するには精神が分離しているため操ることができないハルクの力が必要だと言い、ハルク発見のためにロキに協力させようと提案。リードにはロキが協力するとは思えなかったが、X-51は、ロキがそのような行動を取ろうとする理由を教えれば協力するようになると考えていた。

 スカルの陣営に変化が起こっていた。スカルが操っていたヴィランウィザードが、突然勝手に行動し始めたのだ。アイアンメイデンは、ウィザードの気が狂ったためだ、狂った者はコントロールできないと言う。スカルはウィザードを射殺させ、これ以上誰も狂うなよと命じる。スパイダーズマンはアイアンメイデンに、美人の姿でいる幻覚を見せてやり、それを機にアイアンメイデンはスカルに反逆する。アイアンメイデンを殴り、スカルは取り乱す。俺がいない方がいいと思ってるのか?、お前たちが動けるのは俺のおかげなんだぞと言ってスカルはアイアンメイデンに倒れるよう命じた。俺は神だと言うスカル。そこへ、キャプテン・アメリカが世界中から集めた加勢と共に登場した。「それなら、私はニーチェだ」

 キャプテン・アメリカたちの攻撃が始まるが、スカルは誰も動かさず、反撃させない。何故と問うアイアンメイデンに、俺は必要ないんだろと拗ねたような事を言うスカルは、このまま相手に殺されたくなければ俺に謝れと迫る。このままでは反撃せずにやられてしまうとアイアンメイデンは謝罪し、スカルは反撃を命じた。相棒だったレッドウイングに組み付かれるキャップ。

 そこでモノリスのゲートが開き、ハルクが加勢に入った。また、スカルは自分が操っている者たちの能力を把握している訳ではなかった。コロッサスネイモアをたやすく倒すことができたが、ネイモアは自分に必要な水分をスカルが与えていないのだと話す。

 ハルクがスカルに襲いかかり、ハルクを操れないことにスカルは驚く。だがまだスカルは敗れたわけではない。ベノムとなったメイ・パーカーにキスさせるスカル。娘の姿を見て、ピーター・パーカーは動き出す。コロッサスはネイモアを海へ返した。スカル軍のアイアンメイデンはブルースを捕らえ、スカルに差し出す。ブルース少年はハルクの精神であり、彼を操ればハルクも操れるのだ。突進したキャプテン・アメリカはスパイダーズマンの幻覚の糸を浴び、バッキーの幻影に苦しむが、再びスカルに飛びかかる。

 月面でウアトゥは、この世界の終末は予見されていたとジョンに言う。だがそこへX-51がリード・リチャーズを連れて戻ってきた。リードはウアトゥを失明させた人物を知っていると言う。ウアトゥは、それはクリー人だと推察していた。クリー人はウォッチャーがセレスシャルズと同盟しているのを知っていたからなと言うウアトゥにだが、リードはそれを否定する。ウォッチャーに知られず近づく事が出来るのは、ここに住んだことのある者だけだというリードの言葉に、ブラックボルトの事かと答えるウアトゥ。ブラックボルトはウォッチャーとセレスシャルズを阻止するために行動したのだ。そして今、月面に飛来したブラックボルトは、再び地球圏に来訪したセレスシャルズに向かって飛んでいく。

 

 これまで各号の冒頭でマーヴルの主要ヒーローについて来歴が語られてきたが、本号はマシンマンの歴史の紹介である。このマキシシリーズでは重要な役割を振られているとはいえ、飛び抜けて有名なわけではないキャラクターだけに、他のヒーローと肩を並べているようで嬉しい。

 コズミックキューブは、持ち手の願いを叶える力を持つ宝具で、1966年のTALES OF SUSPENSE #79のキャプテン・アメリカの話の中で初登場した超エネルギー物質。

 インヒューマンズの王ブラックボルトの能力は衝撃波を発する声だが、あまりにも強力すぎるために彼は一言も言葉を発せない。その能力が使われるのは、最後の手段である。

 アイアンメイデンやスパイダーズマンはEARTH Xオリジナルのキャラクターだが、スカル軍で存在感を見せている。

 キャプテン・アメリカの登場は実に印象的で、彼の復活を見て胸躍る。

 このコミックが収録された合本は、 

https://www.amazon.co.jp/dp/B00AAJQZ5A/

で購入できるので、是非!