アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

WEST COAST AVENGERS ANNUAL Vol.2 #5

1990年

ROY & DANN THOMAS : WRITERS

JIM FRY : PENCILER

 

 科学者ハンク・ピム博士アントマンジャイアントマンとしても活躍した)が装置を起動するとエネルギーが注入され、第二次大戦中に製作されたアンドロイド、ヒューマントーチが復活した(こちらが元祖であり、ファンタスティック・フォーヒューマントーチとは別人)。近くにヒーローたちがいるのに気付き炎を消したヒューマントーチは、今はいつだと訊ね、1990年と聞くと、自分の時代から35年も経っているのかと言う。

 そこへクイックシルバーが駆け込んできた。サンフランシスコ南部で戦っているハーキュリースから出動要請が出ていると言う。ターミニと戦っているハーキュリースは、この敵についてアイアンマンが情報を持っていると言ったとクイックシルバー。自分はもうアベンジャーズを離れた身だが、今回は協力すると言う。マシンマンも、ターミニに親友ピーター・スパルディングが殺されたと言い同行を申し出る。アイアンマンは皆にマシンマンを紹介する。ヒューマントーチは空を飛び、他の皆はクインジェットに乗って出動。情報によると、ターミニは一体に合身し、さらにターミナスが現れ両者が戦っているという。

 ハーキュリースが見る中、二つの巨人が激突しようとしていた。ターミナスは自分の分身から派生したターミンに、ソーを殺してハンマーを取り込んだと語り、ターミナスとして自分が正統であると言うが、ターミニは反抗し戦闘開始。シッポから長い武器を作り出し、ターミナスの鎗を受け止める。

 二機のクインジェットが着陸し、ハーキュリースがアベンジャーズを出迎える。ハーキュリースは、宇宙でソーがターミナスと戦っていたが、ソーは戻らずターミナスだけが飛来し、ソーを殺した、ハンマーを体内に取り込んだと言っていると語った。ソーが死んだ? アベンジャーズに動揺が走る。45メートルを超える巨人ターミナスとターミニの戦いを見上げ、ターミニが小さかった時に始末できていればと言うアイアンマン。ファイトを燃やすU.S.エージェントマシンマンは、ソーやハーキュリースでも勝てなかった相手には、力だけでは勝てないと言う。ピム博士もそれに同意し、物体を縮小化させるピム粒子を逆用し大きなレンズを2つ取り出した。

 1つのレンズをマシンマンとアイアンマンが持ちターミニへ向かい、もう1つはワンダーマンとヒューマントーチが持ってターミナスを目指す。1機目のクインジェットの操縦席にはU.S.エージェントが着き、ハーキュリース、ワスプが搭乗、もう片方にはピム博士、クイックシルバーホークアイが乗り込んで発進。壮烈な戦いを繰り広げているターミナスとターミニに、それぞれが接近する。

 2つのレンズから猛烈な閃光が発せられた後、ターミニとターミナスは戦いを止め別々に歩き始めた。どういう計画だったんだとホークアイは訊ね、ピム博士はレンズで奴らの視覚を狂わせ蜃気楼を見せたと説明する。二体が離れた今こそ攻撃の時だ。クインジェットはターミニへ突進する。

 ターミニはターミナスをぶち壊そうと向かっていくが、なぜか目指す方向に見えていたはずのターミナスがいなくなるのに怒り、尻尾ロッドから衝撃波を撃ちだした。ワンダーマンたちが持っていたレンズが粉砕される。

 ワンダーマンはターミニの顔を殴りつけ、ヒューマントーチは火の玉弾を投げつけ、さらに炎で五つ身分身し撹乱する。ターミニのビームがそのうち一体に命中するが、それは分身で、本体は無事だった。古兵ヒューマントーチの活躍を称えるアベンジャーズ。ハーキュリースは以前ターミナスと戦った時の攻撃を思い出し、相手のアゴ目がけて突っ込んでいったが、ターミニに弾かれ地面に墜落してしまう。ハーキュリースのピンチにワンダーマンが突撃をかけるが、それに続いてU.S.エージェントもクインジェットからとび降りてターミニの後頭部にしがみついた。無謀ともいえる行動に驚くヒューマントーチ。

 ワスプはクインジェットを自動操縦にして飛びだし、縮小化してターミニの顔へ突っ込むが、エネルギーが渦巻くターミニの体内へ入り込んでしまい、あわてて脱出する。敵の首にしがみついたU.S.エージェントは何かする前に落ちてしまうが、それをワンダーマンが救った。ダニのような人間たちに翻弄されていることに怒るターミニ。

 一方ターミナスの目もまだ正常には戻らない。クイックシルバーはクインジェットから跳びだしてターミナスを撹乱する。ターミナスの鎗からビームが発射されクインジェットを直撃。ホークアイは飛行バイクに乗り、後ろにピム博士が乗って脱出に成功。ホークアイは矢を放ち攻撃するが、鎗からのビームで撃墜されてしまった。地面に落ちたホークアイとピムをターミナスは踏みつけようとし、クイックシルバーが二人を掴み超高速の走りで助けた。そこへアイアンマンとマシンマンが飛来。手からのリパルサー光線でターミナスを攻撃するアイアンマンだが、まるで水鉄砲を撃ち込んでいるようだ。マシンマンとアイアンマンはターミナスの攻撃を避ける。

 そこへ、これまで変異や融合を経て第4段階にまで進化し巨大になったターミニが、目を回復させて接近してきた。両者の戦いが再開されてしまう。この戦いは周囲を震撼させ、ヒーローたちもうかつに手が出せない。ターミナスはターミニに、お前は俺のプログラムを受け継いでいる、それが何を意味するのか判っているのかと問う。両者はそれまで使っていた鎗を手放し、ターミナスは渾身の拳をターミニに叩きつける。ターミナスの口が大きく開かれたが、その中にターミニが食われていくのだ。ターミニを食ったターミナスに変化が起こる。閃光と衝撃がまき散らされ、ヒーローたちは吹きとばされる。見ると、ターミナスはターミニの力を得て、さらに倍も巨大な4本腕の最終究極の第5段階ターミナスへ進化していた! このような相手にどう立ち向かえば良いのか。

 アベンジャーズ本部では、キャプテン・アメリカビジョンクエーサーシーハルクの4人がアイアンマンからの報告を受けて動きだしていた。しかし、90メートル以上の巨大な姿となったターミナス第5段階はこれからどうなるのか。キャプテン・アメリカは、ピム博士がすでに計算していたと言い、地図の一点を示すのだった。

 

 このクロスオーバーでは、ターミニが次第に段階を経て進化していったのだが、微生物のような第1段階、動物の第2段階、人型の第3段階、融合し巨大化した第4段階を経て、最後にはターミナスに取り込まれ第5段階となった。

 アベンジャーズと共に戦うマシンマンは、アイアンマンとのコンビで活躍。これを機に、アベンジャーズの一員として数えられるようになっていく。