アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

THE AVENGERS #290

1988年 APR

RALPH MACCHIO : SCRIPT/CO-PLOT

JOHN BUSCEMA : BREAKDOWNS

 

 キュービックの力を得て勝ち誇るスーパーアダプトイドアベンジャーズもそこへ戻ってきたが、アダプトイドによりマリーナサブマリナーシーハルクが、そしてマシンマンもキューブに閉じこめられてしまう。さらにキャプテン・マーヴルもキューブに封印する。

 アダプトイドはキュービックに彼らの言葉で話しかけ、手から光線を放ってキュービックを消し去った。アンドロメダ星雲最大のブラックホールへテレポートしてやったと語ったアダプトイドは、キュービックから得た万能の力はそのままに、誕生当初ののっぺらぼうの形に戻った。これから何をする気だとネイモアに問われ、アダプトイドはアダプトイド軍団を作ると宣言、有機生命体の時代は終わり、自分はスプリーム・アダプトイドとなるのだと叫ぶ。

 キューブから出られないネイモアたちは、敵方にいたマシンマンからこれまでの事を聞く。フィクサーメンタロの力を吸収したアダプトイドはロボット軍団ヘビーメタルを組織しアベンジャーズ基地ハイドロベースを強襲、そしてコズミックキューブから出現した超存在キュービックの力をも吸収してしまったと語るマシンマン。自分はある女性を復活させるためにアダプトイドに従っていたが、彼を止めるために戦ったものの時すでに遅かったと言うマシンマンに、お前の事情には同情すると答えるサブマリナー。キャプテン・マーヴルは光に化身すればキューブを脱出できるかもしれないと希望を抱くが、アダプトイドにやられた精神ダメージによりそれも不可能だった。マシンマンは反重力装置によりキューブごと移動しようとするが、突然5人を入れたキューブが動き出し、基地の外へ運ばれる。

 外では巨大なスプリーム・アダプトイドの胸部からもの凄い数のアダプトイドが複製され増殖していた!

 クインジェットで島に帰還しようとしていたドクター・ドルイドブラックナイトだが、島から無数の何かが飛び立つのを目撃。ドクター・ドルイドは安全に着陸するためにメンタルパワーでクインジェットを不可視化しようとしたが、2体のアダプトイドがキャノピーのガラスを割って突入してきた。ブラックナイトに組みついたアダプトイドは相手の力を吸収し、剣を持って格闘する。ドクター・ドルイドに組みついたアダプトイドはローブをまといドルイドの力を持った。ドクター・ドルイドは、ブラックナイトの剣エボニーブレードには人間を切れない呪いがかかっているが、相手は人間ではない思い切り剣を振れと指示。ブラックナイトの剣は両方のアダプトイドを切り伏せた。だが二人もスプリーム・アダプトイドによりキューブ内に封印されてしまう。

 ブラックナイトはキューブを切ろうとエボニーブレードを突き立てる。確かにエボニーブレードはキューブを突き抜けたが、通過しただけで切り裂くことはできなかった。キャプテン・マーヴルは、これがコズミックキューブの力である限り何をやっても無駄だと説明する。

 その頃、アンドロメダ星雲最大のブラックホールでは、当然のようにキュービックが脱出していた。自分と同じ力を持つにもかかわらずブラックホールに入れて戻ってこれないと思っているのならば、アダプトイドはまだ幼いと考えるキュービック。彼は地球へ戻るが、アダプトイドを直接倒そうとは考えていなかった。だが自分に酔い世界をずたずたにするアダプトイドは止めねばならない。キュービックは、それを行うことができるほどの勇気を持った地球上の人物を知っていた。

 政府にユニフォームと星条旗シールドを返上しブラックコスチュームとなったキャプテン・アメリカは、バイクでロサンゼルスを通過しようとしていたが、彼の前にキュービックが出現した。我々は旧友だと言うキュービック。確かにキャプテン・アメリカは最初にコズミックキューブの事件に関わっており、またスクラル皇帝の邪悪な意志によりコズミックキューブが変異したシェイパー・オブ・ワールドの事件にも関わっていた。アベンジャーズのところへ行かねばと言うキャプテン・アメリカを転送するキュービック。

 ハイドロベースに出現したキャプテン・アメリカは、スプリーム・アダプトイドによって即座にキューブ内に閉じこめられた。だがキャプテン・アメリカの挑発に彼は、自分は今やスプリーム・アダプトイド、人型のコズミックキューブだと反論。だがそれすらA.I.M.の計画の延長線上でしかないと言うキャプテン・アメリカを黙らせるため、スプリーム・アダプトイドはキャップを地上に降ろし、増殖させたアダプトイドの一体を差し向けた。

 現れたアダプトイドに強烈なパンチを何発も打ち込むキャプテン・アメリカ。だがアダプトイドはキャプテン・アメリカの力と姿を吸収してキャップそっくりになり、反撃を開始した。自分と同じ力、同じ技で襲ってくる相手に、機械が男の戦う心を真似することはできないと言い、キャプテン・アメリカは戦い続ける。

 その戦いを見てドクター・ドルイドは一計を案じ、スプリーム・アダプトイドにあなたを助けることができると話しかける。俺を助けるだと、俺はすでに全能だと答えるアダプトイドに、あなたのしていることは単にプログラムされた結果なのか、それとも自分の意志なのかとドルイドは問いかける。さらに、地球を支配したあと50億ものアダプトイドに何をさせるつもりなのかと訊ねる。それは考えていなかったと言うアダプトイドに、最後には何もすることが無いのかと言い、あなたは人間の能力を取り込んで改変することができる、想像力をアップしてみろと挑発するドクター・ドルイド。アダプトイドはやってみるがうまくいかず、ドルイドが入ったキューブは弾きとばす。

 スプリーム・アダプトイドはキャプテン・アメリカは敗北したかと下を見るが、本物が勝利しているのを見てあり得ないと驚く。自分自身でキャップを倒すため、スプリーム・アダプトイドはキャプテン・アメリカの姿となり、能力の数値上、俺はお前を上回っている、だから勝つと言い攻撃する。だがキャプテン・アメリカは重要なのは精神だと言い、相手の猛攻にもひるまず戦う。お前には何もない、我々は死すらも受け入れる力がある、それは勇気だ、だがお前は違うと語るキャプテン・アメリカに、俺も死を受け入れられるぞと言って、アダプトイドは倒れた。

 彼らの前にキュービックが現れ、アベンジャーズはキューブから解放される。キュービックはアダプトイドが吸収した自分の要素を回収すると、道を誤ったこのロボットに「己に正直であれ」という言葉を残して去っていった。

 

 この当時よくあった、能力がインフレしていって能力値上は絶対勝てない超宇宙的存在となった敵に対してトンチのような問答で解決という完結編。超存在であるキュービックも、最後にことわざを言って去るというのが微妙。アベンジャーズマシンマンはキューブ内で喋っているだけで、活躍するのはキャプテン・アメリカのみ。

 この事件ではマシンマンヴィラン集団の一員としての登場だが、アベンジャーズとの初顔合わせとなった。後に一緒にネクストウェーブというチームを組むモニカ・ランボウとも初対面だが、特に会話はない。