アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

THE AVENGERS #288

1988年 FEB

RALPH MACCHIO : SCRIPT

JOHN BUSCEMA : BREAKDOWNS

 

 前々号THE AVENGERS #286で、悪の発明家フィクサーが作ったヘルメットに操られた男が、オウサム・アンドロイド(マッド・シンカーが作ったロボット)を起動し、アベンジャーズと戦闘になる。

 前号#287にて、フィクサーの装備をつけた別の男が、ニック・フューリーやS.H.I.E.L.D.の敵のテレパシー能力者メンタロの姿をコピーする。実は彼は、犯罪科学集団A.I.M.に作られアベンジャーズ全員の能力をコピーしたアンドロイド、スーパーアダプトイドであることが発覚。この号のラストで、アダプトイドがクイーンズ郊外のガレージをのぞき込んでいて、マシンマンはこの男を腕を伸ばして捕らえる。だがアダプトイドはマシンマンに自分を手伝ってほしいと持ちかけ、自分はお前の求めるものを取り戻すことができる、お前の失われた愛を、と言い、マシンマンも興味を示す。

 

 スーパーアダプトイドマシンマンはテキサスの空を飛ぶ。どこまで行くんだと訊ねるマシンマンに、目的地はもうすぐだと答えるアダプトイド。

 その近くに、「外宇宙からの巨大ロボット見物場」と看板が立っている場所があった。観光客たちが立ち寄り、見物し写真を撮っていく。それは、クリー人の戦闘ロボット、セントリー459号であった(CAPTAIN MARVEL #49)。そこへ、上空からアダプトイドとマシンマンが降下してきた。逃げまどう観光客。マシンマンはセントリーを見て、これは異星人のテクノロジーで作られているぞと言うが、アダプトイドはこれまでコピーしたフィクサーの機械工学技術とメンタロのテレパシーを使い、容易に修理を進める。地元の老人がライフルを持ってきてアダプトイドを撃つが、相手がまったく動じないので唖然とする。アダプトイドは修理を終えた。巨大なセントリーが立ち上り、アダプトイドとマシンマンの後ろをついて歩き去っていく。この驚愕の事態に大慌てになる老人。

 ハイドロベース島へアベンジャーズマンションの大移送が行われ、上空でサブマリナーが指示を下していた。地上で見守るドクター・ドルイドは、彼は生まれながらのリーダーだなと評する。そこへ、飛行バイクでブラックナイトが飛来、ニュースがあると叫ぶ。キャプテン・アメリカが見つかったの?と問う女性キャプテン・マーヴルだが、ブラックナイトが持ってきたのは別のニュースだった。それは新聞の切り抜きで、セントリーの復活・逃走を報じていた。前のマッド・シンカーオウサム・アンドロイドの件と同じく、スーパーアダプトイドの仕業だ。アダプトイドはロボットを集めているらしい。キャプテン・マーヴルは体を光に変え、偵察へ向かう。

 アダプトイド、マシンマン、セントリーは、アリゾナのグランドキャニオンへ来ていた。セントリーは飛べないため、マシンマンは飛行機をハイジャックすればいいのにと提案。マシンマンは自分の望みであるジョキャスタを思い浮かべ、またロボットである自分が希望や愛を持つことができるのかと思い悩む。アダプトイドに人間のような心についての思索を語るマシンマンだが、アダプトイドには興味がないようだ。

 ハイドロベース島に作られた新アベンジャーズ基地の司令室で、ドクター・ドルイドとブラックナイトが事件を検討していた。そこへキャプテン・マーヴルが帰還する。光となってアダプトイドを探し回った彼女だが、発見できなかった。ドクター・ドルイドはスクリーンに現在破壊されているロボットの一覧を呼び出した。アダプトイドはこれらのロボットのところを目指しているかもしれない。最も可能性が高いのは、ウルトロンテス・ワンマシンマンセンチネルのところだと言うブラックナイト。彼らはサブマリナーやシーハルクを招集し会議を開く。

 ブリーフィングルームでキャプテン・マーヴルは、ドクター・ドルイドとブラックナイトはコロラド州のテス・ワンを、サブマリナーとシーハルクはワシントンD.C.のセンチネルを調査し、そしてウェストコースト・アベンジャーズへ連絡してウルトロンの調査をしてもらうと割り振りを指示。また、サブマリナーの妻マリーナには、あなたはアベンジャーズメンバーではないのでここで待機をと指示する。妻のことを勝手に決められそうになったサブマリナーは意見しようとするが、マリーナはネイモアを止め、自らそこに残ることにした。一同は出発していく。基地に残ったキャプテン・マーヴルは、行方知れずのキャプテン・アメリカのことを考え、自分は彼のように指揮できているかどうか不安に思うのだった。

 クインジェットで空軍基地へ着陸したドクター・ドルイドとブラックナイト。兵士たちに銃を向けられるが、ドクター・ドルイドはメンタルパワーを使い兵士たちを従わせる。合衆国政府の対超人プロジェクトから作られたロボット、テス・ワンがトレーラーで運ばれて来て、クインジェットに積み込まれた。二人は離陸する。

 だが突如クインジェットはコントロール不能となり落ちていく。ブラックナイトはなんとか山を避けジェットを着陸させた。だが何か3つの反応があった。突如クインジェットのキャノピーが引き剥がされた。セントリーだ。ブラックナイトはセントリーに掴まれたが、魔剣エボニーブレードでロボットの手首を切り脱出。

 一方ドクター・ドルイドは空中でアダプトイドに追われていた。幻術を使いサブマリナーとソーを突っ込ませるが、相手は幻覚だと見抜いており、二人のヒーローの像はアダプトイドをすり抜けていく。何とかキャプテン・マーヴルに連絡せねばとあせるドルイド

 セントリーの指を切って脱出したブラックナイトの側に、マシンマンが登場した。お前までアダプトイドは手に入れていたかとブラックナイトは相手の首に斬りかかるが、マシンマンは頭だけ切り離して避ける。さらに左手を飛ばして攻撃。マシンマンの頭や手に襲われ、さらにセントリーに叩かれ、ブラックナイトは気絶する。またドクター・ドルイドはアダプトイドに絞め落とされようとしていた。メンタロのテレパシー能力を得たアダプトイドは、ドルイドの精神攻撃にも耐性を持っていたのだ。ドクター・ドルイドは最後の力でキャプテン・マーヴルへ念波を送る。

 キャプテン・マーヴルはフロリダ北部でドゥームズディマンというロボットにレーザーブラストを浴びせ溶かして始末していた。キャプテン・マーヴルは光と化して飛び去るが、その数マイクロ秒後にドクター・ドルイドのメッセージが飛来した。アベンジャーズ基地へ戻ったキャプテン・マーヴルはドクター・ドルイドの声を聞いた気がしたが、神経質になりすぎていると否定してしまう。

 アダプトイドはドルイドを絞め落とし、ブラックナイトが倒れている側に放り出し、この二人を捨ててこいとマシンマンに命じる。マシンマンは二人を掴んで飛んでいった。二人の運命は?

 ハイドロベースにはサブマリナーとシーハルクが戻り、センチネルは監視体制が整っていたと報告。他の二人はと訊ねるシーハルクに、まだ戻っていないと答えるキャプテン・マーヴル

 その頃、ブラックナイトたちが乗ってきたクインジェットには、アダプトイド、マシンマン、そして機体の背にテス・ワン、セントリーが乗り、ハイドロベースに接近していた。途中で着陸し、アダプトイドは自分のつくったロボット軍団「ヘビーメタル」に侵攻を指示した!

 

 マシンマンに加え、クリーの戦闘ロボット「セントリー」、キャプテン・アメリカと戦った対超人ロボット「テス・ワン」を集めロボット軍団をつくるアダプトイド。ややマイナーなロボットばかりを集めるのが渋いなあ。マシンマンがアダプトイドに何も疑問を持たずに従っているのが困ったもんだが、これもジョキャスタを想うあまりという事なのか。

 アベンジャーズはこの時期主要メンバーが代わっており、女性キャプテン・マーヴルのモニカ・ランボウがリーダーを務めている。サブマリナーことネイモアはアベンジャーズに参加しており、またこの時期はマリーナと結婚していた。スティーブ・ロジャースはこの時期、軍の命令から離れて自由な行動を取るために、キャプテン・アメリカの資格と装備を返上しており、アベンジャーズにいなかった。