アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

SILVER SURFER #18

1970年 SEP

SCRIPT : STAN LEE

PENCILLING : JACK KIRBY

 

  シルバーサーファーを突然襲う、覆面の飛翔者、鎖鉄球を使うケンタウロス、鉄の爪の獣人! 超人種族インヒューマンズだ。飛び去ろうとするサーファーだが、覆面男エレオが恐るべき飛翔で追いつき、組み付かれ、投げ飛ばされる。落下するサーファーを受け止めるサーフボード。続いてスタリアーというケンタウロスの鎖鉄球がぶち込まれる。地面に落ちたサーファーに獣人が鉄の爪で追い打ち。サーファーは相手の腕を掴んで投げ、さらに獣人の背後からサーフボードがぶち当たり倒した。そこへ第4の敵、ティンベリウスという樹人が現れ、木を伸ばしてサーフボードを捕らえ、沢山の枝を放ってきた。だがシルバーサーファーはパワーコズミックを使って枝を原子分解し、ブラストを撃ち込んだ。サーファーの強大なパワーに4人のインヒューマンズは敗走する他なかった。ボードを取り戻したサーファーは、たまたま迷い込んだインヒューマンズの隠れ家を探索することにする。

 敗走した4人は空中母艦に帰還。彼らの主は、ブラックボルトの弟マキシマスだ。兄の王位を狙う彼はマキシマス・ザ・マグニフィセントを名乗り、シルバーサーファーをこの地へ誘い込み、インヒューマンズから攻撃を受けたと思わせ兄の仲間たちへぶつける計画を立てたのだ。高笑いをするマキシマス。

 その思惑通り、サーファーはインヒューマンズの都へ入っていく。山中だというのに驚くべき都市があるのに驚くサーファー。警報が響き、ブラックボルトが飛来した。巧みな機動で背後へ回るサーファーだが、赤い髪が伸びてきて絡みつかれてしまった。女王メドゥーサだ。さらに拳法使いカーナックがチョップで建物の一部を飛ばしサーファーにぶち当てる。撃墜されたサーファーを半魚人トリトンが受け止めた。

 王の前にサーファーを運ぶトリトンたち。メドゥーサはこれがマキシマスの罠だとブラックボルトに伝える。そこへゴーゴンが、マキシマスの空中母艦を発見したと報告。スクリーンに映る敵母艦に注目するインヒューマンズだが、そこでシルバーサーファーが意識を取り戻した。トリトンを一撃するサーファー。トリトンは必死に組み付くが、恐るべき力で反撃された。メドゥーサは再び髪でサーファーを捕らえようとするが、サーファーはブラストで振りほどく。しかしそこへゴーゴンが地面を踏み鳴らして衝撃波でサーファーをぶっ飛ばした。そこへカーナックが飛びかかり、取り押さえようとする。

 そこでマキシマスの空中母艦が都市に砲撃を始める。ブラックボルトは迎撃に飛び立ち、メドゥーサたちも対空砲火を放つ。インヒューマンズに二つの勢力があるのを知ったサーファーは「ボードよ来たれ!」と叫ぶが、なぜかボードが来ない。探すと、テレポート犬ロックジョウがボードをくわえていた。なかなかはなさないロックジョウをブラストで脅し、ボードを取り返して飛び立つシルバーサーファー。

 だがサーファーをマキシマスの味方と誤解したメドゥーサたちは対空砲を撃ち込む。かわしながら進んでいくと、空中母艦はダメージを受け煙を上げながら逃げていくのが見えた。地球で暴力と争いを見てきたサーファーはインヒューマンズも同じなのかと悩むが、街へ潜入していたマキシマスのスパイたちが銃撃してくる。それをかわし、追ってきたブラックボルトからも逃げ、パワーコズミックの超スピードでその地を離れたシルバーサーファーは、荒野に一人降り、膝を抱える。地球に閉じ込められて以来、地球人の争いを見続けてきたサーファーは、愛や慈悲はないのかと悩み絶望し、地球人類への怒りで吠えるのだった!

 

 シルバーサーファーはジャック・カービーがFantastic Four #48 (MAR ’66)で創作したキャラだが、1968年に出た初の単独タイトルTHE SILVER SURFERではジョン・ビュシーマが担当し、#7まではページ数が通常の倍という力の入った重厚なストーリーでキャラクターに肉付けされていった。このタイトルは#18で打ち切られたが、その#18で突然アートがジャック・カービーになり内容もアクションものになって締めくくられている。

 1ページ目からアクションシーンというカービー節炸裂の内容で「コミックは子供が楽しめるアクション重視」というカービーのポリシーがうかがえる。