アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

MACHINE MAN #16

1980年 AUG

TOM DEFALCO -- WRITER WITH FLAIR!

STEVE DITKO -- ARTIST BEYOND COMPARE!

 

 アーロン・スタックの今日の仕事は、有名な太陽エネルギー開発会社であるケム・ソーラー者の保安状況の確認だった。エディ・ハリスとともに研究施設内を見学する。中では新開発のソル・マックというマイクロウェーブ照射装置のテストが行われていた。分厚いチタン鋼に穴を開ける威力を見せ、技術者たちはテストは大成功を喜ぶ。

 そこへ突如、煙と共にマントを羽織った一人の男が出現した。バロン・ブリムストーンと名乗ったその男は、左手からまるで魔法使いのように炎を出し、技術者たちは驚く。この騒ぎに、アーロンはエディの前から姿を消し、マシンマンとなって腕を伸ばし壁を垂直に登り現場へ急行した。ブリムストーンは警備員に取り囲まれ銃を撃たれるが、銃弾は彼の体の周囲に展開された黒いオーラに弾かれた! 私はダークフォースを召喚し行使できると言うブリムストーン。さらにこの男は指から何かを放ち、警備員全員を眠らせた。

 だがその時、マシンマンの伸びるパンチがブリムストーンに打ち込まれる。ブリムストーンは指から炎を発し、マシンマンは炎やレーザーに耐える自分の体が吹き飛ばされたことに驚く。テーブルを持ち上げ反撃しようとするマシンマンだったが、相手はソル・マックを手にし、マシンマンに撃ち込んだ。ソル・マックの威力に、マシンマンの胸部装甲が溶解してしまう! ブリムストーンは、テーブルの下敷きになったマシンマンを見て、殺しは馬鹿どもの行いだと言い、煙と共に消えていった。

 マシンマンはテーブルを取り除き、足を伸びた腕で抱えて内部がむきだしになった胸部をガードしながら、足裏の車輪で現場から出ていった。彼が向かったのは、前回も協力してくれた街の技術者、ギアーズ・ガービンのところだ。ガービンはマシンマンに新たな胸部装甲を溶接してくれた。さらに、ソル・マックに対抗する手段を探すため、ガービンは物置部屋にマシンマンを案内する。中があまりに雑然としているので驚くマシンマン。ガービンはそこらを探しまわって、小さな箱を取り出す。中には純金製の指輪が入っていた。ガービンの妻が離縁した際に置いていったものだと言う。純金はマイクロウェーブの断熱材となる素材なので、ガービンは金を叩き伸ばして、マシンマンの重要部分をガードするつもりなのだ。

 その頃、街のギャングたちのところへ、煙と共に三人の男が出現した。リーダー格のバロン・ブリムストーンは、自分たちはサタン・スクアッドだと名乗り、ギャングたちを掌握するため力を見せつける。部下のハンマー・ハリソンはダイヤモンドの硬さを持つ四角い特殊鋼を手に付け、ギャングを殴り倒す。もう一人の部下スネーク・マーストンは手足や体を伸ばしてギャングを絞めあげる。ブリムストーンは我が黒魔術は人知を超えるのだと言いながら手から炎を発する。ギャングたちを圧倒したサタン・スクアッドは再び煙と共に消えていった。恐怖するギャングたち。

 三人は住処に戻っていた。マントをぬいだブリムストーンの背には機械装置があった。彼らは科学発明を魔術のように見せて人々を恐怖させ犯罪を行っていたのだ。そして最強の武器ソル・マックを手に入れた彼らは向かうところ敵無しで行動を続ける。

 デルマー保険に出社したアーロンは、パメラ・クインに頼んでおいたソル・マックの資料を受け取る。アーロンは資料を手に、ブリムストーンの行動を予測する。一方パメラは、ブリムストーンの居所について知っているので会いたいという男から電話を受け待ち合わせる。そこにはブリムストーンに襲われたギャングがいた。だが話をする前にギャングはスネーク・マーストンに巻き付かれ倒されてしまう。さらに、逃げようとするパメラはハンマー・ハリソンの一撃を受けて気絶し、捕まってしまう。その頃マシンマンはコンピューターにアクセスしていた。ブリムストーンがソル・マックを量産して行動するとしたら、防御として純金を使うはずだと推理した彼は、狙われそうな標的を発見した。

 足裏のブーツ・スケートで、セント・ガブリエラ教会へ向かうマシンマン。この教会の鐘は純金製なのだ。推理通り、ブリムストーンの部下たちがヘリコプターから伸びるフックを鐘に取り付けようとしていた。壁を駆け上がったマシンマンにスネーク・マーストンがからみつくが、マシンマンは上半身を高速回転して吹き飛ばした。そこへハンマー・ハリソンが殴りかかってきた。マシンマンは隣の屋根の煙突までぶっ飛ばされるが、煙突をもぎ取ってハリソンにかぶせて動きを封じた。

 ヘリからそれを見ていたバロン・ブリムストーンは、捕らえたパメラを突き落として逃走しようとする。マシンマンは左腕を外してパメラに投げつけた。伸びた左腕はパメラに巻き付き、腕の内部の反重力装置によりパメラはゆっくりと落下していく。

 マシンマンは左腕を伸ばしてヘリから垂れ下がったフックを掴み、反動をつけてヘリの外板をぶち抜き内部へ侵入する。さらに伸びたパンチで戦闘員たちをあっという間にノックアウト。ブリムストーンはソル・マックを撃ち込んできた。純金でガードされ前回よりはマイクロウェーブに耐えるマシンマンだが、このままでは危険だ。パンチを床に打ち込んで穴を開け、手のセンサーを使ってヘリにある電源の位置を探す。もう限界だというところで、手はバッテリーを発見した。マシンマンは手から自分を通した電気をヘリコプターの機体全体に流し、ブリムストーンは電気をくらって気絶した。マシンマンブリムストーンやソル・マックを警察のヘリにまかせ、ヘリから飛び立ちパメラのところへ戻っていく。パメラは無事だった。だが、自分の左腕は見あたらない。どこへ行ってしまったのか?

 

 科学を魔術にみせかけて活躍する新悪役バロン・ブリムストーンとサタン・スクアッド初登場。魔術師の格好で犯罪を行うというレトロな感じの悪役だが、変わった部下の存在もありなかなかいいキャラクターだ。マシンマンは再びギアーズ・ガービンを頼るが、何故あなたは製作者のブロードハースト博士のところへ行かないのか(笑)。まあ、街の発明家が相手の方が見ていて面白いが。純金がマイクロウェーブの遮断材になるというのは何かの勘違いかと思われる(ふつう火花が散るでしょう)。

 また、前回登場した同僚のパメラが、マギーに代わってヒロインのような位置づけになっているが、このへんはライターがデファルコにかわった影響だろう。

 このコミックが収録された合本は

 https://www.amazon.co.jp/dp/0785195777/

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