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THE INCREDIBLE HULK #237

1979年 JUL

ROGER STERN & SAL BUSCEMA & JACK ABEL : PRODUCTION

 

 ガス爆発により町には火災が広がっていた。コーポレーションミスター・カーチス・ジャクソンは郊外のあたりで立ちのぼる黒煙をビルから見て、ハルクマシンマンの両方を始末できたことを喜ぶ。だが、爆発の上空には、マシンマンがハルクを抱えて浮かんでいた。そのままハルクを山の方に運ぶ。

 マシンマンはハルクの頭に手を当て、ハルクの記憶を読み取る。マシンマントリッシュをさらう画像が見えた。コーポレーションの手下が自分に化けてハルクを騙したことを、マシンマンは知る。さらに記憶を探ったマシンマンは、ハルクのこれまでの経験を見た。ガンマ線を浴びてハルクになったこと、軍から狙われ続けたこと、そして、愛する者を失ってきたことを。マシンマンはハルクと自分に多くの共通点があることを知った。

 その時、先ほどジャクソンにつながっていた無線信号を再びキャッチする。ジャクソンはトランシーバーを置きっぱなしにしていて、それを受信できたのだ。電波をたどり、目を望遠鏡のように伸ばして、街にあるビルの屋上にジャクソンとトリッシュの姿を発見。マシンマンは手の端子から、ハルクの脳にその画像を送った。とび起きたハルクはそのビルへ向かおうとし、マシンマンはハルクと話し合おうとして止めるが、ハルクはマシンマンを殴り飛ばしビルへ跳んでいってしまった。マシンマンの体内回路はこれまでの戦いでショートしている部分がでていたが、時間がないと無理をおして、反重力装置によって飛び立つ。マシンマンは耳の部分を展開してマイクを出し、軍のクラッグ大佐に通信しはじめた。

 クラッグ大佐はハルク対策のためガンマ・ベースと通信していたが、マシンマンから連絡があったと聞きあわててそちらへ出る。マシンマンはハルクがジャクソンのビルに向かったと伝えた。

 大ジャンプを繰り返し街へたどり着いたハルクは建物の天井をぶち抜きショッピングモールに着地してしまった。警備員が駆けつけ銃を向けるが、ハルクはあっという間に銃を奪い、握力で粉々にしてしまった。ハルクは再びジャンプしてその場を去る。ハルクにぶち抜かれた天井は崩壊しかかっていたが、そこへマシンマンが飛来し手を伸ばして天井を支えた。その間に逃げる人々。

 ビルの上では、ジャクソンがサイレンの音を聞きつけていた。軍のトラックが避難命令を放送している。何があったのかと双眼鏡をのぞいたジャクソンは、壁を割ってハルクが跳び出してくるのを見て驚く。部下のベンソンはハルクの恐怖に逃げだそうとするが、ジャクソンはベンソンを射殺。人質のトリッシュの腕を掴み、ヘリで脱出しようとする。だがそこへハルクが落下してきた。ヘリにぶち当たって粉砕し、周囲は炎に包まれる。ジャクソンはトリッシュに銃を突きつけるが、後ろからマシンマンの腕が伸びてきて銃を握り潰し、トリッシュを救った。ハルクは怒り心頭で、超怪力でなんとビルを真っ二つに引き裂いてしまう。その衝撃でジャクソンはビルから落ちてしまうが、マシンマンは手を伸ばしてキャッチし、トリッシュとジャクソンを掴んだままビルから飛び立った。ハルクはビルに何発もパンチやキックをくらわせ、ビルは崩れ去った。

 ジャクソンは警官に逮捕された。瓦礫の山からはい出したハルクに、マシンマンはうずまき模様を見せ催眠術をかけて眠らせた。意識を失ったまま立っているハルクの足下にエネルギーを撃ち込み、その場の重力をキャンセルし、ハルクは空高く飛び立っていった。ハルクを逃がしたマシンマン。そこへジープが到着、クラッグ大佐たちが駆けつけたが、その時マシンマンは限界を迎えており、倒れてしまった。彼は我々すべてを守ってくれたと言うスパルディング。そしてフレッドは、飛んでいったハルクの身を案じるのだった。

 

 これまでのマシンマンの展開をすべて使いつつ、ハルクともうまくからませて収めているライターのロジャー・スターンの手腕はさすがだ。翌月、MACHINE MAN誌が#10から再開となる。

 このコミックが収録された合本は

 https://www.amazon.co.jp/dp/0785195777/

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