アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

THE INCREDIBLE HULK #235

1979年 MAY

ROGER STERN :WRITER

SAL BUSCEMA & M. ESPOSITO : ARTIST

 

 怒りのハルクはジャンプ一番、山をも飛び越えて、マシンマンが待つと言ったセントラル・シティへ急ぐ。フレッドはハルクの首になんとかしがみついていたが、そのうち振り落とされそうになってハルクに声をかけた。ハルクはフレッドの手を掴み、脇に抱えて着地。フレッドはロードマップを開き、目的地を見つける。

 その様子を双眼鏡で監視しているヘンダーソンという男がいた。彼はトランシーバーでコーポレーションミスター・ジャクソンに連絡。ジャクソンのところへは、さらわれたトリッシュが連れてこられていた。トリッシュはジャクソンに、ハルクとマシンマンをぶつける計画を聞かされる。彼らの計画は順調に進行していた。

 カリフォルニア州セントラル・シティ。ここは、リード・リチャーズら4人組が新型宇宙船を発進させ、あのファンタスティック・フォーが誕生した地なのだ。その街に、もう一つの宇宙時代の産物が滞在している。ホテル・マリポーサの一室にて、アーロン・スタック、またの名をマシンマンが、足のハッチを開いてメンテナンスを行っていた。そこへピーター・スパルディング医師クラッグ大佐が入ってくる。どうかしたのかと訊ねる大佐に、あなたの部下に音波銃で撃たれた跡を点検していたと答えるマシンマン。指からの火炎でハッチを溶接し終えたマシンマンに、ピーター・スパルディングは審議のために出頭しなければならないと言う。そこへTV局のミズ・トレーシー・ワーナーが入ってきた。彼女は審議委員会のニュースを伝えにきたのだ。死んだスティバク上院議員の代わりにブリックマンが上院議員となり、X-51はスパルディング医師の保護下に置くべきだと結論し、審議委員会の解散を宣言したというのだ。ここでマシンマンは晴れて自由の身になった。マシンマンにキスするトレーシー。クラッグはマシンマンと握手する。委員会では、念願の上院議員になったブリックマンに他の委員が、スティバクの死はきみにとって意外な祝福になったなと皮肉を言う。むっとした表情でその場を去るブリックマンだった。

 ハルクとフレッドは目的の家に到着した。殴り込もうとするハルクを制して、フレッドはドアの呼び鈴を鳴らすが誰も出て来ず、ハルクはドアノブをねじ切ってしまう。中に入った二人は誰かいないかと家捜しする。だがなぜスパルディングという医師はトリッシュ誘拐に関わっているのだろうか。医師のオフィスの机を探していて、フレッドは引き出しの中にたくさんの銃器が入っているのを発見し、コーポレーション一味はどこにでもいるのだと納得する。

 その通り、コーポレーションはどこにでもいる。だがそれはスパルディング医師ではなかった。家の外の道に止まっているミルクトラックの中で、男がミスター・ジャクソンへハルクたちがスパルディングの家へ入ったことを報告していた。と、スパルディングとマシンマンが車で帰宅してきた。閉めたはずのドアが開いているのに気付いたマシンマンは、コーポレーションがまたも狙ってきたのかと警戒して中に入るが、ハルクの強烈な一撃をくらい吹っ飛ばされる! ぶっ飛んでいくマシンマンにハルクはジャンプで追いつき追撃を加えようとするが、マシンマンは足裏のバネでハルクを跳ね返した。だがハルクは、誰もハルクは止められないと言い、ファイトを燃やす。スパルディングは、なぜハルクがアーロンを狙ってくるんだと驚きつつ、クラッグ大佐の応援を求めようと家の中へ駆け込もうとするが、自分に向けられた銃口を見て動きを止める。フレッドがスパルディングに銃を向け、おびえながらも、トリッシュをどこに隠したのか言わなければ撃つと言うのだった。精神科医のスパルディングには、彼が本気なのが判った。

 外ではハルクとマシンマンの激闘が続いていた。お互い一歩も引かず殴り合う両者。マシンマンはハルクに、私はあなたに悪意を持っていないと説明して攻撃をやめさせようとするが、ハルクは聞く耳持たず、お前ハルクの友達トリッシュをさらった、だから殴ると言う。身に覚えのないマシンマンだったが、今はハルクを防がねば話もできない。指から火炎を発射しハルクの周囲の地面に火を放ったが、ハルクはなんと地面を手で引っこ抜いて火を払い、体当たりから強烈な連打をマシンマンに喰らわせる。手足がバラバラになったマシンマンを見て、こいつはロボットだったのかと知ったハルクは、ピーター・スパルディングがトリッシュの居所を知っているはずだと矛先を変えた。マシンマンはテン・フォーを相手にした時でさえこれほどの強打を受けたことはなかったと驚きつつ、磁力で手足を引きつけて元の位置に接続させていく。ハルクがピーターを殺す前に止めなければならない。ピーターは唯一の親友だ。マシンマンは、たとえ命をかけてもハルクを止める覚悟を固めた。

 

 MACHINE MAN誌を読んでいない読者に向けて、マシンマンに関わる人物が丁寧に紹介されているのが好印象。スパルディングSPALDINGの名は何故かSPAULDINGと誤記されているので注意だが。ブリックマンは野望を叶えて上院議員となり、マシンマンも審議委員会から開放される様子が描かれていて、マシンマンのストーリーをフォローしているが、ブリックマンのマシンマンへの嫌悪の展開が途切れるためやや物足りない。

 ハルク対マシンマン第1ラウンドは、先輩キャラクターであり超怪力のハルク優勢だが、マシンマンもこれまで登場した装備をちゃんと使ってくれるのが嬉しいところだ。

 このコミックが収録された合本は

 https://www.amazon.co.jp/dp/0785195777/

で購入できるので、是非!