アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

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MACHINE MAN #7

1978年 OCT

EDITED, WRITTEN AND DRAWN BY: JACK KIRBY

 

 テン・フォーとの戦いを終えたあと、マシンマンは特別国会委員会へ出頭していた。マシンマンの知人としてスパルディング医師が付き添っていて彼の弁護をし、冷静に答えるようにアドバイスしている。世界を守るために腕を失ったマシンマンだったが、政府により修理され腕を取り戻していた。委員会が問題にしているのは、連邦裁判所からモデルX-51の破棄命令が出ている事で、宇宙ロボットから地球を救ったマシンマンの功績を認めてそれを無効と判断するか実行するか審議しているのだ。4人の委員のうちの1人に、彼はほとんど人間みたいだと言われ、自分はあなたがたに劣らず人間的だとマシンマンは答える。スパルディングも、人間の最も良い性質は人類だけにとどまらないのですと発言し、マシンマンを助ける。審議はマシンマンが模範的な態度だったこともあって、次回の招聘にも出頭するように言われて開放された。

 街へ出る二人。よくやったなと言うスパルディングに、あなたの家に泊めてもらって緊張がほぐれたからさと答えるマシンマン。だが彼らの前に、プラカードを持った市民たちが集まってきた。彼らはマシンマンを危険視し、おまえの火炎放射器とレーザービームを引っこ抜けと野次る。待ってくれ、よく知りもしないのに不公平だぞとスパルディングは言い、取りなそうとするが、マシンマンは突然腕を伸ばす。皆が驚く中、マシンマンの腕はある男の頭を殴りつけた。その男は、騒ぎに乗じて横の紳士の財布をすろうとしていたのだ。警官につき出されるスリ。一同は一転してマシンマンを称える。

 それを建物の中から見ているのは、クラッグ大佐と、下院議員で政府の特殊安全保障機関のブリックマンだ。今はマシンマンが群衆の支持を得ているなと言うブリックマン。大佐はマシンマンを作った計画の警備中の話をし、アイデンティティを失った機械人間によって部下や左目を失った事を語る。

 一方、マシンマンとスパルディングの乗る車が走る道の行き先には、一人の男がリモコンを持ちロボットを操っていた。この男は自分の技術をアピールし有名になるために、自作のロボット、パラトロンマシンマンを倒そうと考えたのだ。車の前に立ちはだかり、怪力で車を持ち上げるパラトロン。車から飛び降りるスパルディングとマシンマン。パラトロンはマシンマンにパンチを浴びせる。こいつと戦うよりリモコンで操っている者を見つけなければと言うマシンマン迫るパラトロンだが、マシンマンは足裏のバネで弾き返した。隠れて操作している男は、思わぬピンチに本気を出す。敵ロボットはなおも組みつき、マシンマンを組み伏せパンチを浴びせるが、マシンマンは指の火炎放射を浴びせパラトロンを炎上させた。あわてて林の中からとび出してきた男は、ハイラム・ガーク教授と名乗り、わたしの弁護士から連絡があるからなと怒るが、マシンマンはパラトロンが燃え残った石ころを返してやり、受け取ったハイラムはあちちちとわめくのだった。

 スパルディングは、審議が終わる前にあらゆる種類の変人に出くわす羽目になるかなと言い、マシンマン有名税だよと答える。マシンマンはパラトロンに転がされた車を元に戻し、スパルディングが運転して再び走り始めた。マシンマンアーロン・スタックという名は父が付けてくれた、父は自分を生き残らせるために死んだと語り、スパルディングは名前をもらった息子は父をがっかりさせないだろう、自由のために戦い、勝利を得ようと励ましてくれた。

 スパルディングの家に着いた。明日も審議が続くため、スパルディングはガウンを着て、もう休んだらどうだと言う。マシンマンはスパルディングの蔵書を読んでコンピューターに情報を貯えていた。きみに夜食は必要ないなと言われて、マシンマンは自分は純粋なエネルギーでないと駄目だよと答える。スパルディングは、ならば壁のソケットから電気を取ってくれと言い、あなたを客として迎えられて嬉しいよと言う。あなたの助けがなかったら私はもっとみじめだっただろうとマシンマンは答え、二人は握手した。スパルディングはまた明日といって部屋から出ていく。マシンマンは手首のハッチを開けて中のボリュームをセットした。これは目覚まし時計なのだ。マシンマンも眠ることができるのだ。スパルディングは私が夢を見ることができると知ったら驚くだろうなと考えながら、マシンマンは眠りについた。

 翌日朝6:30。この日も審議に出席しなければならない。マシンマンは、私にはよい弁護人がいると考えながらスパルディングの部屋に行くが、ベッドはもぬけの殻だった。テーブルにはメモが残されていて、スパルディングは預かった、彼の命が惜しければ指示に従えと書いてあった。家から出たマシンマンを男が待ち受けていた。

 マシンマンが姿を消したことが報道され、人々は再び不審感を募らせる。皆は批難の言葉を口にし、様々な憶測が飛ぶ。ブリックマンはインタビューに、この厄介者の危険から市民が守られねばならないと発言。審議委員会はクラッグ大佐にマシンマンは逃走したのだと思うかと訊ねるが、大佐は否定し、マシンマンは争いを避けようとしていると指摘する。ブリックマンは大佐にマシンマン捜索の任務を課すが、これまでマシンマンを憎んでいた大佐の言動が柔らかくなっていることに驚く。大佐も私はちょうど憎しみを抱くのをやめたところだと答え、マシンマンやスパルディングを捜すため出て行く。委員たちはブリックマンに、大佐をマシンマンにぶつけるため利用していると口々に批難する。この件を利用して政治的な立場を確立しようとしているブリックマンは委員たちの意見にまったく悪びれない。委員たちは我々の助力は当てにしないことだと言うが、ブリックマンは自信たっぷりに、マシンマンを破壊することはここ10年で最も人気がある娯楽になるだろうと宣言する。

 男はマシンマンをヘリに乗せ移動するが、突然スイッチを入れ、マシンマンはヘリから落とされた。真下にミサイル・サイロの穴があり、長い穴に落下。普通の人間なら死んでいるところだが、マシンマンはなんとか着地に成功する。そこにモニターがあり、スパルディングを連れ去った黒幕が葉巻を持って登場した。その後ろに映るスパルディングはマシンマンに逃げろと叫ぶ。こいつらはきみのコピーを作るつもりだと!

 

 前半にリモコンロボット対マシンマンが見られるのもポイント高いのだが、今回メインとなっているのはマシンマンと人間の対話や対立が描かれることだ。マシンマンを人間として扱い献身的にサポートし、頼れる友人として活躍するスパルディング。審議委員会はマシンマンの誠実さを認めていて、これまで追われるだけだったマシンマンが権力側から認められたのは意外だ。マシンマンに対し批判したり喝采したりと勝手な民衆。そして、これまでマシンマンを追う敵として登場していたクラッグ大佐は、前回のことでマシンマンを評価し態度を変えているのが驚きだ。

 その一方、新たな権力側の対立者としてブリックマンが登場、態度がでかくて面白い。最後に新たな悪役も登場し、期待が高まる。

 このコミックが収録された合本は

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