アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

昔のアメコミを紹介しています

MACHINE MAN #6

1978年 SEP

EDITED, WRITTEN AND DRAWN BY JACK KIRBY

 

 マシンマンは目を望遠鏡のように伸ばして宇宙を観察する。太陽系外縁部に奇妙な現象が観察される。オートクロン艦隊が地球へ向けてワープアウトするためのゲートが出現しようとしているのだ。マシンマンは仮装パーティーから出て行くが、そこへ兵士が殺到してきた。クラッグ大佐マシンマンを探知し、彼を捕らえるために追っ手を指し向けているのだ。天井をぶち抜いて上の階へ移り、手を伸ばして別のビルへ逃れるマシンマン。指揮を取るクラッグのところへスパルディング医師と共にA.B.S.テレビのトレーシー・ワーナーが駆けつけた。彼が必要だというのに、犯罪者のように追うのは間違っていると言うスパルディング。マシンマンは落ち込み苦悩していると言うトレーシー。大佐はいまだにXモデルによって部下や左目を失ったことにこだわっていたが、二人は彼を批難し説得しようとする。

 そこへテン・フォーが引っ立てられてきた。銃を向けられているが気にもしていない様子で、このジェスチャーももう終わりだ、新たなゲームの始まりだと言ってのける。宇宙から来たマシンマンだわと驚くトレーシー。オートクロンだと自己紹介するテン・フォー。スパルディングは生きる悪夢めと罵りテン・フォーに吊し上げられた。

 マシンマンは道でタクシーに乗り込んでいた。タクシーの運転手は黒人で、突然入ってきた機械の男を嫌がり乗車拒否しようとする。だが話しているうちに差別されている同士気が合い、タクシーはマシンマンを乗せて走る。前方に爆発が見え、マシンマンはタクシーを降り、この運転手バーニー・ベイツと握手し、現場へ向かった。

 足裏のバネを使い急ぐマシンマン。兵士が倒れている中を走っていき、ついにテン・フォーと対面する。テン・フォーは手からのブラストを放つがマシンマンはそれより早く組みついた! テン・フォーの顔を掴み攻撃しようとするマシンマン。その時、大爆発が起こった。驚くマシンマン。これは核エネルギー! テン・フォーの胸には核分裂装置が搭載されており、こいつは歩く核爆弾なのだ。テン・フォーは、超新星サイズの爆発も起こせるぞと言う。右腕を伸ばしてパンチを打ち込むマシンマンだが、テン・フォーは腕を掴みへし折ってしまった。さらに足から爪を出してキック。それを避けたマシンマンは、高圧電流を相手に流しダウンさせた。動けなくなったテン・フォーに、マシンマンは目のレンズに模様を出して催眠術をかけ、テン・フォーを眠らせた。マシンマンの勝利だ。

 兵士たちが近づいてきて、今度はマシンマンに銃を向ける。そこへクラッグ大佐、スパルディング医師、トレーシーの3人が駆けつけた。ライフルを下ろさせろと叫ぶスパルディング。マシンマンは自分の頭蓋骨の中の発信器で執拗に追跡してきたことを批難し、大佐は反論するが、こんなことをしている時間はない。侵略艦隊が迫っているのだ。スパルディングとトレーシーに指摘され、マシンマンはこの周囲から皆が離れるよう指示する。クラッグ大佐の指揮のもと、全員が撤退。倒れているテン・フォーとマシンマンだけが残された。

 マシンマンは作動しなくなった右腕を切り離すと、テン・フォーの胸部メカを組み替えていく。おまえが残忍な方法を取っていなかったら、私は人類に味方せず中立のままでいたかもしれないとつぶやくマシンマン。彼は超新星並みの威力を起こせるテン・フォーの核分裂装置を利用しようというのだ。艦隊が到着する場所を計算したマシンマンは、前と同じく次元の壁を開き、動かぬテン・フォーを宇宙へ送り込んだ。次元の壁が閉じ、マシンマンだけが残される。

 木星軌道上にオートクロンの侵略艦隊がタッチダウンしてきた。艦隊指揮官は、危険な物体が進路に探知されたことを知る。それはテン・フォーの体であった。マシンマンに仕掛けられた通り、テン・フォーは大爆発を起こし、艦隊は消滅するのだった。

 

 テン・フォー編完結。機械人間であるマシンマンは何度も悩みに押しつぶされそうになるが、人間との関わりを経て立ち直り、テン・フォーと戦う。二人のロボットの超兵器の応酬が楽しい。テン・フォーを倒したマシンマンが、同じ機械人間であるテン・フォーに同胞としての言葉をかけるシーンがグッとくる。

 4話にもわたって大活躍したテン・フォーはマシンマンのライバルとして創られたキャラクターだが、ここで消滅してしまい、以後オートクロンがマシンマンと戦うことがないのは非常に残念。しかしオートクロン帝国は滅亡したわけではないようで、テン・サーティフォーという同型機が「マキシマム・セキュリティ」クロスオーバーに登場したことがある。魅力的な設定とデザインの敵ロボットなので、今後また登場してほしいところだ。

 このコミックが収録された合本は

https://www.amazon.co.jp/dp/0785195777/

で購入できるので、是非!