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MACHINE MAN #5

1978年 AUG

EDITED, WRITTEN AND DRAWN BY JACK KIRBY

 

 街でテン・フォーマシンマンが対峙する。マシンマンはテン・フォーの手からのブラストをかわして相手の胴体に足を磁力で張り付け壁に叩きつける。だがテン・フォーは胸からビームを発射し、直撃を受けたマシンマンはダメージを受け街灯にもたれかかった。テン・フォーは怪力で街灯をねじ曲げてマシンマンに巻き付け、マシンマンを蹴飛ばしてビルに叩き込んだ。同じ機械人だが自分たちオートクロンの方が優れていると誇るテン・フォー。マシンマンは街灯を投げ返し、再び立ち上がる。

 だがテン・フォーは目からのビームで前面にバリアを張りマシンマンとの戦いを止めた。そこへ軍が殺到、二人に銃を向ける。マシンマンはテン・フォーの危険性を説明しようとするが、テン・フォーは狡猾にも自分の身を守っていただけだと言う。彼の言うことは聞くなと激昂するマシンマンは兵士に取り押さえられ、手を上げ軍に従う態度を示すテン・フォーは対照的に落ち着き払っている。軍の指揮官に、こいつのせいで宇宙から艦隊が迫っているとマシンマンは主張するが、おとぎ話だとテン・フォーは言い、軍は二人とも捕らえようとする。明日になれば宇宙艦隊が飛来し何千人もの侵略者が現れるぞと叫ぶマシンマンだったが、彼には政府から捜査命令が出ていたこともあり、聞いてもらえない。結局マシンマンは兵士たちを振り払ってその場を飛び去るしかなかった。自分の精一杯の誠意にもかかわらず聞く耳を持たない人間に憤るマシンマン

 セントラル・シティの病院には、クラッグ大佐スパルディング医師マシンマンをかくまっていただろうと尋問していた。あいかわらずマシンマンを敵視している大佐だが、スパルディングはいまマシンマンを捕らえれば我々は破滅だと、テン・フォーの脅威について説明する。自分の信念に頑固な大佐はこれが信じられないようだが、マシンマンの協力を認めるのか…?

 軍から逃れたマシンマンは煙突の上に座ってどうしようか考えていたが、仮装大会の会場の窓からそれを見ていた一団が彼に声をかけてきた。腕を伸ばして窓へ移動し、中へ入るマシンマン。パーティーの皆はロボットの仮装をした飛び入りが来たと歓迎したり、ちょっかいを出してやっつけられたり、陽気に楽しむ。トレーシー・ワーナーという女性がマシンマンにダンスを申し込む。彼女はテレビ局で仕事をしており、マシンマンのことを知っていた。踊り終わったあと彼女はマシンマンにテレビを見せるが、その特別ニュースにはスパルディング医師が出演し、マシンマンにきみの力が必要なんだと呼びかけていた。先ほど軍に事情を説明したのに聞き入れてもらえなかったマシンマンは、私を利用したあと手のひらを返すんだろうと疑う。スパルディングは、協力してくれれば軍が恩赦に同意したと発表するが、マシンマンは笑って、それで喜んで出て行くと音波ライフルを持った部隊が待ちかまえているんだろうと言い、信用しない。トレーシーはマシンマンに自己紹介し、彼を心配して、なぜ男の仕事を放棄して不平を言ってるのかと問う。その通り、男の仕事は男がやればいいんだと答えるマシンマン。なぜ自分を人類から切り離すようなことを言ってまで義務から逃げるのかというトレーシーに、マシンマンはマスクを外して機械の素顔を見せる。トレーシーは驚き、マシンマンに詫びつつ、彼の前から立ち去った。自分の態度に嫌悪を抱き拳を振り下ろすマシンマン

 別の銀河では、テン・フォーの信号を受けたオートクロン艦隊が行動を開始していた。艦隊の旗艦に通信が伝達され、指揮官は第三惑星地球へ向けて各艦のスタードライブを作動させるよう命令を下した。完全攻撃態勢を取った宇宙艦隊が地球へ迫る!

 軍に逮捕されたテン・フォーをクラッグ大佐とスパルディング医師が訪ねていた。最初はとぼけるテン・フォー。だがスパルディングとクラッグはマシンマンが兵士に伝えたテン・フォーの脅威について聞いており、侵略艦隊へ信号を送っただろうと訊ねる。テン・フォーは態度を変え、オートクロンの攻撃には反撃不能だと答え、自分たちの邪魔をするマシンマンへ敵対心を露わにするのだった。どうなる地球!

 

 テン・フォーと五角の戦いをするマシンマンだが、敵は狡猾にも人間の不審感を利用してマシンマンをおとしいれる。憤慨し、またもや人間不信におちいるマシンマンだが、ここで仮装パーティーのヘンテコなシーンが登場するのがカービーらしく、面白い場面の末にマシンマンが立ち直るきっかけが得られる。

 また、これまでマシンマンをひたすら敵視し頭の堅い軍人として描かれてきたクラッグ大佐が、スパルディングから聞いた地球の危機に態度を変えるのもポイント。テン・フォーのような機械人オートクロンの艦隊も初めて描かれ、次のクライマックスへ向けて盛り上がっていく。

 このコミックが収録された合本は

https://www.amazon.co.jp/dp/0785195777/

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