アメコミ情報誌SleepWalker Blog版

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MACHINE MAN #4

1978年 JUL

EDITED, WRITTEN AND DRAWN BY JACK KIRBY

 

 スパルディング医師マシンマンの指示を受けながら、テン・フォーによって取り付けられた目眩シリンダーの除去に挑む。頭脳ユニットを引き出し、マシンマンの指レーザーを使ってシリンダーを切除することに成功した! 早く宇宙ロボットを追わねば。と、突然壁が崩れる。外ではマシンマンを追ってきた軍とテン・フォーが戦っているのだ。スパルディングは、我々には奴をこの世界にもたらしてしまった責任があると言う。マシンマンは足裏のマグネットを使って建物を垂直に降り、最短距離を通って何が起きたか確かめに行く。

 走って行くと、目茶苦茶に破壊された軍の車両や、傷ついた兵士たちがいた。テン・フォーは卑劣・横柄・残虐的な性質の持ち主であり、地球の軍を蹴散らしてしまったのだ。マシンマンは物陰から軍の部隊を見る。全員が負傷しボロボロになっているが、クラッグ大佐は2体目の機械人の出現にますますファイトを燃やしており、考える機械は街の中心地へ向かった。生きた機械の実験を続けるインテリどもをやめさせるのだと部下を叱咤する。

 セントラル・シティの路地裏では、突如壁が割れ、とんでもない勢いでぶっ飛んでいき、車などを粉砕。テン・フォーが現れたのだ。テン・フォーはこの惑星にまだオートクロン帝国が手をつけていないことに驚き、この田舎惑星に初めて自分が侵攻するのだと考える。周囲の人々は、突然現れた青い金属の男に驚く。

 一方マシンマンは、自分も人間に嫌われ追われている身でテン・フォーを止めるため戦うことに矛盾を感じ悩んでいた。そんな彼に、死んだ父アベルの幻影が話しかけ励ます。自暴自棄になったマシンマンは、自分は人間ではない、政府の秘密プロジェクトで作られた製品なんだと激昂し、父が作ってくれたマスクを投げ捨ててしまう。だが、おまえは私の息子だと語りかける父の言葉にやっと心を開いた。父は、人間と同じように恐怖と嫌悪を克服するんだと励まし、アーロンは捨てたマスクを拾い再び顔に付けた。そこへ、一人の兵士が忍び寄ってきており、音波ピストルを向けて動くなと命じる。味方を呼ぶ兵士だが、マシンマンは腕を伸ばして木の枝を掴んで脱出、さらに次元転移装置を試してみた。この装置は転移場所の調整ができない弱点があったが、マシンマンは転移に挑み、とある食堂に出現。店内の人々は突然機械の男が現れたのに驚く。街へ出たマシンマンはテン・フォーを探し、パトカーが走っているのを見かけて足裏のバネを使ってジャンプしパトカーの天井に着地。逮捕すると言う警官に、このまま事件現場まで連れていってくれたらお役に立てると説明し現場に到着した。現場の警官たちもマシンマンを警戒するが、あなたがたでは対処できないことを助けるために少しの時間をくださいと説得。

 テン・フォーと対峙するマシンマン。人間に味方するマシンマンをテン・フォーは嘲笑し、俺に反抗するとこうなるぜと言いながらフェイス・オープン! 開いた顔から強烈なビームが発射されビルを崩した。この街の全てを破壊してやると言うテン・フォーに、マシンマンは指についているハンド・ウェポン・システムから火炎を発射。火だるまになったテン・フォーは、ロケットブーツを噴射し飛び去り、高速で飛行し火炎を消すと、再び着地しオートクロンとしての使命を再開した。マシンマンは手を伸ばして通りかかったヘリに捕まって移動しテン・フォーを追跡。再び宇宙ロボットと対峙するマシンマンだが、敵は腕をアンテナに変形させ、宇宙のオートクロンたちに信号を送っていた。早くなんとかしなければ、地球にオートクロンたちがやって来てしまうのだ!

 

 自己のアイデンティティに悩むマシンマンはあれほどこだわっていた人間の顔のマスクを投げ捨てるが、父の幻影に励まされ自分を取り戻す。悩めるヒーローとしての描写と、自分を取り戻した時の開放感が良い。

 地球ロボット対宇宙ロボット! ライバル悪役であるテン・フォーは、機械ではない肉の体を持つ人類を軽蔑しきっている一方、マシンマンについてはまだしも同類として認めている言動がみられ、こんな奴ばかりで構成されているオートクロン帝国について示唆される。テン・フォーはマシンマンに負けない装備を内蔵しており、秘密兵器フェイス・オープンはカービーらしいおもちゃ的ギミックとして面白い。この戦闘では火炎放射を浴びせたマシンマンがやや有利だが、まだまだこの二人の戦いは続くのだ。

 このコミックが収録された合本は

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