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MACHINE MAN #1

1978年 APR

EDITED, WRITTEN AND DRAWN BY JACK KIRBY

 

 マシンマンは腕を伸ばし高山の岩壁から落ちそうになっているフレディという男を救おうとする。フレディの友人の登山者たちは、この機械の男の機能を見て驚く。マシンマンの伸びた腕からはシリンダーが何本も飛び出してハシゴのようになり、眼下で危機におちいっている男を掴もうとするが、寸前でフレディは落下してしまった! マシンマンは飛び降り、伸ばした腕で男の足を掴み、重力制御で浮き上がり、登山者たちのところへ戻ってきた。感謝すると同時に、この機械の男を作った高度な技術を驚きの目で見る一同。私のことはマシンマンと呼んでくれと言い、機械の男は垂直な岩壁を歩いて去っていった。

 ブロードハースト博士の研究室に、政府から派遣された官僚が来訪していた。男は博士が研究していた知能を持つ人間型の機械Xモデルについて問いただす。博士は、新たな人類として製作されたロボットたちはアイデンティティ崩壊という共通した病気を持ってしまったと語る。それ故ロボットたちは暴走し警備隊に死傷者まで出てしまっている。そしてその最終モデルは生きた人間のような精神を持つに至ったが、博士はその理由を、アベル・スタックという心理学者がX-51に人工の皮膚をつけて人間の顔を与え自分の息子アーロン・スタックとして育てたためだと説明する。そのため人間の心を持つに至ったアーロンはこの計画の最後の希望なのだと語る博士。だが政府官僚は全てのXモデルには破壊指令が下っていると言い、最後の一体が外の世界をさまよっているのは明白だと指摘、Xモデルのプロジェクトはすでにあなたの管轄から外れていると知らせ、X-51の破壊を発表した。

 森を歩くマシンマンは倒木で道をふさがれ立ち往生しているピーター・スパルディングという男と出会い、巨木を持ち上げ彼を助ける。スパルディングはお礼にマシンマンを自分のバンに乗るように誘う。スパルディングは精神科医で、知性を持つ機械であるマシンマンと会話しながら車を進める。

 街についたところでマシンマンは車から降りる。スパルディングは何かあったらセントラル・シティを訪ねてくれと言って別れた。足に車輪と板を出して両足をつなげスケートボードに変形させ、渋滞する車の間をすり抜けて進むマシンマン。その姿は警官の目にとまってしまい、マシンマンは追われるが、スケートボードモードをやめて超音速で飛び去った。

 だがそれで窮地を脱した訳ではなかった。ブロードハースト博士の研究室には無数の兵士がやって来ており、彼らの指揮を取るクラッグ大佐は、過去のXモデルに部下の警備兵を殺されたことを恨みに思っており、X-51抹殺に執念を燃やす。ブロードハースト博士は科学が産んだ知性という奇跡は貴重だと説くが、大佐は聞く耳持たず、X-51の頭蓋骨に反応する探知機を受け取り去っていった。

 郊外へ退避したマシンマンだが、そこへ軍のヘリが飛来し音波ライフルで攻撃してきた。攻撃を受け反重力装置が機能しなくなったマシンマン。彼は自分に破壊指令が下ったことを知り、フィンガー・ウェポンズ・システムを開き火炎放射で周囲に炎を放つ。展開する歩兵たちは慌てながらもマシンマンを発見し銃撃。マシンマンも指からのブラストで反撃。混乱の中、気が付くとマシンマンの姿はなかった。腕キャタピラで茂みの中を進み脱出したのだ。だが彼には助けが必要だ。マシンマンはピーター・スパルディングのことを思い出し、彼を訪ねようと考えるのだった。

 

 MACHINE MAN #1だが、2001: A SPACE ODYSSEY #8から続いているストーリーのため、実質的には4話目。主人公の名前はミスター・マシンから、よりヒーローらしいマシンマンに変わった。マシンマン内蔵の超装備が次から次へと出てきて読者の心をぐいっと引き込む。

 マシンマンが得た人口知性を重要な技術と考える科学者ブロードハースト博士に対し、破壊しようと動く政府や軍が描かれ、緊張感が高まる。そんな中、マシンマンに信頼できる知人スパルディングが登場し、ドラマは動き出していく。

 このコミックが収録された合本は

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